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2014年6月の記事一覧
大江健三郎、こんなのもあります
これも座談会本『大江健三郎とは誰か』(三一書房)に載せたものです。代表作にはなっていないけれども、もしかすると代表作より面白いかもしれないものを選んでいます。文体等いくらか修正しています。
文中で手に入りやすいものを紹介していたはずが、20年近く経って入手困難な文庫本もいくつか出ています。品切れのものは、せめて電子版にしてもらいたい。
大江健三郎の小説のベストテンを作るようにという企画な
大江健三郎と「M」(1980年代小説について1)
調べたことの一部を少しずつ書いていきます。
大江健三郎が1980年代から90年代前半にかけて発表した小説の多くには、小説家を職業としている「K」または「O」と呼ばれる男が登場します。その小説家が語り手になっているものが多いのですが、彼の家族(娘や息子)、それに親族が語り手になっているものもいくつかあります。もちろん、これはOe Kenzaburoという名前を持つ作者自身を連想させるのですが、さ