ドイツのマイスター 基礎用語

私の職業は、「Goldschmiedemeister」
日本では、「ドイツ国家公認宝飾細工師マイスター」と訳して使っている。

「Goldschmied」とは直訳すると、「金鍛治」
要するに、貴金属でジュエリーをつくる伝統工芸で、ドイツの手工業の一つである。

製パン、肉屋、屋根工、大工をはじめとする130以上の職種は全て国家資格であるために、資格を取らないとその職業にはつけない。
この手工業を支えているのが、「マイスター制度」で、これは中世のギルドから現在まで続く職業教育制度ということになる。

マイスター制度は、

Lehrling/Azubi(訓練生)→ Geselle(職人))→ Meister(親方)

という三段階からなり、「マイスター」はそのなかで職人の最高権威だが、まずは訓練生として企業に就職し、その職種ごとに定められた職業訓練(Ausbildung)期間を経て、ゲゼレの資格試験の習得をすることになる。

ドイツの職業訓練の特徴は、「デュアル・システム」という方法を取られているところで、これは、企業での実技と学校での理論を同時に学ぶ二元性システムで、見習いは、働きながら職業学校に通い資格取得を目指す。

職業訓練期間は、その職種によっても異なるが、2年〜3年半。
訓練期間の最後に、商工会議所(Handwerkskammer)、もしくは同業組合(Innung)によって実技と筆記からなる修了試験が行われ、そこで晴れて一人前の職人(ゲゼレ)になることができるわけである。

よく、「職業訓練を修了すればマイスターなのか」と聞かれるが、上記のように、まずはその職業をする資格、ゲゼレを取らないとその職につくことも許されないのがドイツのマイスター制度なのだ。

訓練生 →  職人 → マイスター という順番であることを覚えていただければ、と思う。

マイスター試験については、また次回にでも。

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