ドイツにおける職業訓練と教育システム

ドイツの教育制度は複雑で、日本のように、小学校→中学校→高校→大学と1本柱で進んでいくものではないために若干わかりづらいところもあるが、どのタイミングで職業訓練を受けるのか。開始するタイミングを図にしてみた。

教育システム 図 新.001

職業訓練開始のタイミングはピンクの部分で、一番はやくて基幹学校終了後。

ドイツでは、4年生の段階で成績によって、Gymnasium(ギムナジウム) 、Realschule(実科学校)、 Mittelschule(基幹学校)のいずれかに振り分けられるが、学力偏差値が一番高いのが、ギムナジウムである。

Mittelschuleは高等教育に進学することを前提としていないために、その後で職業訓練に進む場合も多いが、職種によっては基幹学校卒だけでは就職において不利であることもある。(金細工に限って言うと、資格試験が手工業のなかでも比較的難しく、基幹学校卒では合格率が低い為に初めから採用されないことが多い。)

高度な知識が要求される職種においては、実科学校、及びギムナジウムを卒業してから、職業訓練を始める場合が多い。

ドイツのシステムで興味深いところは、いろいろ枝分かれしてはいても、高等教育へのみちがいつもオープンであること。
たとえ職業訓練コースを選んだとしても、大学へのみちは閉ざされてはいない。

例えば、基幹学校しか卒業していなくても、訓練期間中に職業学校で追加試験をうけることによって、実科学校卒業資格もとることができるし、職業訓練の後で上級専門学校に進み、その後に大学にも入学することができるわけである。(因みに、マイスターの資格は学士と同等である)

ドイツの教育のモットーである、チャンスの平等、柔軟性、浸透性は職業教育にもしっかり根付いていると言えるだろう。

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