ドイツのデュアルシステム

簡単に、ドイツのデュアルシステムについて説明したいと思う。

ドイツの教育制度の中でも特に特徴的な部分が職業訓練制度だと思うが、これはデュアルシステムとよばれるシステムで行われる。

職業学校で専門的な知識を学び、それと並行して実際の職場で実践面を直接身に付けていくというシステムで、学校での教育と職場での教育が並行して行われることから、デュアル、二元制、または二重制とよばれるものである。

一般的には、一番早くて実科学校を終了後、もしくは、ギムナジウムを卒業後に国により認定された手工業、工業等の訓練職種において、通常3年間から3年半の訓練期間を経て職業資格試験をもって終了する教育システムであるが、職業訓練を受けるためには、まず、見習いを受け入れている企業と職業訓練契約を結んで就職し、働きながら学校に通うことになる。 職業学校での授業は、毎週1日、2日の場合と、ブロック授業といって、一年に3回、集中して2、3週間学校で一括して勉強する場合とに分かれる。(職種や地域によって異なる。一部の職種では、まず職業学校に入学して一年基礎知識を学びながら就職先をきめて2年生から、デユアルシステムの職業訓練にはいる、といったかたちをとっているところもある)

職業学校では、企業での訓練を理論の上でより深く理解させ補う専門授業とともに、一般教養を高める事を目的としており、授業の重点は役3分の2が専門授業に約3分の1が一般教育に置かれいる。また、企業外の訓練所がある職種もあり、就職先の企業が専門化されている場合や、就職先では習得不可能な最新技術及びに特殊な分野の技術の習得を、訓練期間中、10週から16週わりあてられている。

職場での訓練は、マイスターとよばれるその職業の最高資格を国から保証されたものが担当し、職業教育法、及び、手法業法の規定に基づいた教育内容にそったカリキュラムで指導が行われ、専門技術、専門知識の習得、一般教養、特に青少年の場合は人格形成も考慮されなければいけない。

見習いには、訓練内容報告書の製作及び提出が義務づけられており、訓練者のマイスターがめを通したあと、学校に提出され、学校にも企業内での訓練内容が把握できるようになっている。

ドイツでは、ほとんど手工業の職種が国で認定されており、約360の訓練職種で訓練生を訓練している。
あらゆる産業分野で専門職が保証されているドイツでは、職業における生涯継続教育の重要性が注目されており、継続教育、進展教育にも力がいれられているわけである。

ドイツのマイスター制度は世界的に有名だが、マイスターはその資格、及び地位は法律により守られており、中世から続くマイスター制度は今日ではその第一段階である徒弟修行がドイツ職業訓練のデュアルシステムと融合し、ドイツの手工業をささえている。

マイスター制度の段階は、徒弟(見習い)、職人(熟練工)、マイスターで、徒弟といわれる訓練生は、職業訓練を修了した後、職人試験に合格したのちに職人として働くことが可能になる。

マイスターになるためには、その後で1年〜2年制のマイスター学校に通い国家資格であるマイスター試験に合格する必要があるが、試験は、実技、理論、専門科目はもちろんのこと、経営者、教育する側として、経営全般、教育心理の項目など4部にわかれたもので、合格すると国家認定のマイスター証書が授与される。

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