HADO-HO, TAMARU, KAZUNAO NAGATA/feedbackpsychedelica



F.E.E.S第3弾、F.E.E.S. SOUND FANTASY SERIES、1999年リリース。


(プレスシートより)

SUPERNATURALな電子音楽の世界へ。
こころとからだの浄化効能あり。

ー大蔵雅彦によるピクチャー盤仕様。


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ミキシング・コンソールをメイン楽器として使用したDUB SONICの別プロジェクト「波動砲」の音源を元に制作されたアルバムです。

波動砲の1st『SONIC WAVE』(ゼログラヴィティ)では、30秒前後の音速的な体感する音がメインでしたが、今回は、『フィードバックサイケデリカ』というタイトルどうり、1曲20分を超えるサイケデリック電子音楽という感じです。

当初、『トリップ・チップ』というタイトルでCDシングルでリリース予定でしたが、「永田一直やタマルがリミックスすればどうなるか?」という興味でオファーしました。

2人には「3曲で1つのアルバムにしたい」とお願いしました。
「サイケとプログレ的なじっくり聴いても、ダラーッと流してもおもしろいアルバムを作りたい。ニック・パスカルをロングバージョンにした感じ」。こんなふうに伝えた気がします。予想以上の出来だと満足してます。
正に「サイケデリック電子音楽」という感じに仕上がりました。

電子音楽/エクスペリメンタルミュージックは国内ではまだまだ商業的にはまだこれからですが、インターネットなどでみたりすると海外では熱狂的なマニアも少なくなく、レーベルもたくさんあるようです。

自分自身、音楽が大好きで、いつも聴いたことのない面白いレコードやCDをいつも探してます。いい音楽に出会った時は、すごくうれしい。自分がプロデュースをするときも、その気持ちが大切だと思います。
普段こういう音楽を聴かない人にも届けばいいなといつも考えてます。

F.E.E.Sではこれからも、実験的で不思議で楽しい音楽をリリースしていきたいとおもいます。

中里丈人


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feedbackpsychedelicaのこと

自分の気持ちとしては相手の言葉を理解したいのに、その内容にどうしても思考のピントを合わせることができないことがある。
周囲のざわめき、ささいな心配ごとや体調不良、とりとめのない考えごと、そうしたもののせいで自分の中にチューニングのずれが生じ、うわの空になる。

「feedbackpsychedelica」のリ・コンストラクション・トラックの制作依頼をタケから受けた時、その元となる音源がどのようにして生まれたか、一種発明・発見として、彼が興奮を交えつつ説明してくれた記憶がある。
しかし、私はやはりうわの空だったのだろうか。どうも内容が思い出せない。

とにかく、久しぶりにこのアルバムを聴きかえしながら、裏ジャケットに記された機材クレジットを頼りに、10年前の自分の作業を辿ってみる。
MDプレイヤー、MTR、エフェクト。
PCによる制作環境に移行することを、この頃はまだ拒んでいた。大した理由はなかったけれど。

おそらく当時の私は、タケから届いた元トラックを聴いた時に、全編を通して感じられる童心のようなもの、野趣のある音のさばきに接し、これは自分の中にないものなので、そのまま自分の表現に活かすことができない、と考えたのだろう。

結局、私は元トラックの中から、大きなポルタメント部分をほとんど避けるようにして、フェーダー操作で形を整えた短いピースをいくつか切り出した。
それらを一旦MDプレイヤーに録音し、ランダムな順番で自動再生させながら残響を加えていった。確かそんな作り方だった。

タケが生み出した音の中から、どうやって鉱物的なものを取り出してみせるか、というチャレンジだったと思う。
MDプレイヤーのシャッフル機能によるランダム再生は、私のソロアルバム「夢の途中」など、この頃の制作にしばしば使っていた手法だ。偶発性を通じて人の無意識の領域にアクセスする、ということを考えていた。

しかし、整然とした説明をすることは、当時も今も得意ではない。タケにも、言葉では伝えなかった。

tamaru(JUNE 2009)


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『HADO-HO, TAMARU, KAZUNAO NAGATA/feedbackpsychedelica』(F.E.E.S/F.E.E.S3)
波動砲、タマル、永田一直/フィード・バック・サイケデリカ

PART 1(21’43”)produced by DUB SONIC
PART 2(15’43”)produced by DUB SONIC & TAMARU
PART 3(21’43”)produced by DUB SONIC & KAZUNAO NAGATA

HADO-HO:MAXON PSM8(MIXER), BOSS SE70(EFECTS), VESTAX PMC10(MIXER)
TMARU : MD player, MTR, EFECTS(generated by shuffle replaying)
KAZUNAO NAGATAK: ARP2600, Roland SYSTEM 100M, MUTATOR

ART WORK: MASAHIKO OKURA
DESIGN: KAN HAYATA
MASTERED by KAZUNAO NAGATA(TRANSONIC STUDIO)
EXECUTIVE PRODUCER:TAKEHITO NAKAZATO