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My Findings in exploring Lake tourism in 支笏湖 / Hokkaido, Japan #5

先日、北海道・ニセコにてリゾートバイト (リゾート地に住み込みで働くアルバイト)で現地外資系ホテルで働きながら滞在しました。

滞在中に日本有数の水質を誇る支笏湖 (しこつこ)に行ってきたのでレイクツーリズムの観点から見た感想を書き記していきます。

(1) 支笏湖の基本概要

アクセス:新千歳空港バスターミナルからバスで約55分、車で40分
     千歳駅バスターミナルからバスで約45分、車で30分
繁華街、観光関連施設:湖畔一部エリア (後述のマップ参照)に集中
宿泊施設:¥3000〜のゲストハウスから¥100,000〜の高級旅館まで様々

(2) 湖畔一部エリアに集中した施設群

支笏湖・湖畔のマップ

カフェやレストラン、居酒屋などの飲食店
ゲストハウスやホテル、旅館などの宿泊施設
支笏ビジターセンターなどの観光案内施設

その他、民家や役所、消防署などの生活施設も上記湖畔エリアに集中していました。これは国内外の湖を回ってきた中でも共通して見られる街づくり。しかしながら東側が生活施設、西側が観光施設とその中でも明確なエリア分けが。

(所狭しと家が列挙し、ほぼ何かしらの商業建物)

このようにエリア分けされていると、観光客が一気に押し寄せた時にオーバーツーリズムとしての生活公害の影響が民家に及ばないかも?実に6割もの住民が観光業に従事していることもあり、通勤のアクセスは良さそう。

この観光エリアと地元民家エリア (役所含めた)を分ける観光地づくり (その中でもエリアは区別)は、一つ興味深いアイデア。

(3) 支笏湖の概要・魅力コンテンツ

(「支笏湖ブルー」と言われる日本有数の水質)

支笏湖の主なコンテンツアトラクションとしては以下が挙げられます。

イベント:支笏湖氷濤まつり
自然アクティビティ:カヌー、ダイビング、フィッシング、温泉 (支笏湖温泉)
ご当地グルメ:支笏湖チップ (ヒメマス)

イベントの支笏湖氷濤まつりは、冬の北海道を代表するイベントの一つ。支笏湖の湖水をスプリンクラーで吹き付け凍らせた、大小様々な氷のオブジェが立ち並ぶ「氷の美術館」として毎年開催される。

人工+自然で野外美術館を作らせてしまう。冬はマイナス10-20度にもなる野外では外にいるだけで凍える。そうなれば近くの支笏湖温泉へ、という導線も引かれていて上手いなと。夜にはライトアップもされるので、夜見て、食事に行って、宿泊する流れで宿泊客を取り込める。いわゆるナイトエコノミー。 (夜の消費活動や魅力創出をすることで、経済効果を高めること)

また、湖でダイビングが出来るのも他では見ない。日本有数の水質を誇る支笏湖ならではの体験で他との差別化に一役を買っている。

支笏湖チップ (ヒメマス)のご当地グルメもあり、他の湖とは違うユニークネスが多々あるのが支笏湖。これは強いぞ….。

(4) 感じた課題点

■公共交通機関のアクセス (バスの本数)

車をレンタカーしている人は広大な駐車場があるので問題ないが、公共交通機関を使ってきている人は問題アリだ。実際に路線バスを使って訪れたが、バスの本数が少なすぎて平日にも関わらず行き帰りのバスは人で満員だった。

特にインバウンドの人 (支笏湖は台湾、韓国、香港の人が特に多かった!)は冬季、雪道での慣れない運転に不安を覚え公共交通機関での移動を選ぶ人は多そう。

せめてハイシーズン期間はバスの本数を増やすなど平準化できれば良いと思ったけれど、運転手の人員が足りなかったり採算的な問題もあるのだろうか?

支笏湖自体、空港からも近いのでこの一次交通問題は勿体ないと感じた。

■公式HP、体験プランの申し込みへの導線

LAKE SHIKOTSUという観光情報サイトがあり、UIで言えばとても見やすい。ただ、体験プランを紹介するページで各体験プログラムのお問合せ先を記載するだけで終わっており、勿体ないなと。HPで直予約できるなり、最悪アソビューの申し込みページのリンクを載せるなりできたらもっとシームレスなのに。

他にも宿泊施設一覧ページが無かったり、日本語のみのサイト(Googleの翻訳機能はあり)だったり、もっと良くなる要素が沢山ある。

海外のDMOや観光地の情報サイトを見ると、決まって食べる・体験する・泊まるの3分野は直接的に予約できる機能まで一貫している。UXの部分まで改善できるとツーリストフレンドリーなサイトが出来上がり、さらなる消費も生み出せそう。

(4) 支笏湖まとめ


アクセスや公式サイトの課題点を指摘したが、体験アクティビティ、グルメ、イベントなど、支笏湖ならではのアトラクションが多々あり、とても魅力的な観光地だと思った。

宿泊施設も¥3000〜のゲストハウスから¥100,000〜の高級旅館まであり、色々な層の観光客も取り込める土壌がある。

札幌や小樽、ニセコが近隣では主なデスティネーションとして挙げられるが、支笏湖もそこに割って入るだけのポテンシャルがあると感じた。

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