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市場と実体経済(The Economist 2020年5月9日版)

The Economist 2020年5月9日版から、「A dangerous gap~The market v the real economy~」の記事を取り上げてみたい。 内容は「市場と実体経済の大きなギャップ」について。

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S&P500から見えるアメリカの「市場」と「実態経済」はどのくらいギャップがあるのかということが理解できる。

「S&P500が回復したらそれで大丈夫」というのは楽観的すぎるし
経済が元に戻るまでには、相当時間が必要そうだ。

エディターによると、3つの脅威がある。
(ⅰ)アフターショック・・・第二波の感染による経済ダメージ
(ⅱ)詐欺・・・胡散臭い行動が増えると、人々の不安を掻き立てる
(ⅲ)政治的反発・・・大企業を手厚く保護する政府への反発

我々はこの実態経済というところにきちんと目を向けるべきだ。

基本概念の整理

■S&P500
・アメリカの代表的な500社の株価指数。

■FRB(Federal Reserve System)
・連邦準備制度のことで、アメリカの中央銀行制度のこと。

記事の簡単な要約

コロナウイルスの影響による経済は、どうやら過去のストックマーケットの歴史の中にはない動きをしている。
2月19日から3月23日まで、S&P 500は急落した。しかし、それからすぐに急上昇して、損失の半分以上を回復した。
理由は、「FRBが大企業の負債をサポートする」というニュースを出し、投資家が一機に楽観的な動きをしたからだ。

このような動きは、イギリスやEUにおいても異質のようだ。
イギリスやEUの株価はゆっくりと回復している。急激に回復したアメリカとはまるで対照的な動きである。

アメリカにおいては、FRBが大企業を手厚く支援しているため、いわゆる連鎖倒産というものは避けることができている。
そしてS&P500も回復傾向にあるため、楽観的な見方もできなくはない。

しかし、S&P500の1/5を占めているのはBig Tech5社会である。
GAFAとMだ。
他の企業は依然と苦しい見通しであることは間違いない。
「GAFAの行方」については過去の記事より
https://note.com/takehiro141/n/n2706c1616bbc

このような状況においてエディターは3つの脅威を示している。
(ⅰ)アフターショック・・・第二波の感染による経済ダメージ
(ⅱ)詐欺・・・胡散臭い行動が増えると、人々の不安を掻き立てる
(ⅲ)政治的反発・・・大企業を手厚く保護する政府への反発

また、これから経済は突然変化する可能性を秘めている。
そして、エディターは「このストックマーケットのドラマには、まだいくつか幕が上がるようだ」という言葉でしめている。

自身の見解

政府が企業を支援することには、もちろん賛成だ。
そして、大企業に対してはサポートが比較的手厚くなるというのも理解できる。

ただ、本来順調にいけば「この世の中を良い方向に変えたはず」のベンチャー企業などがなくなってしまうのはもったいないと感じる。
実際に、日経新聞によると「スタートアップの資金繰りは綱渡り状態」のようだ。

スタートアップは、「赤字を怖がらずに成長を目指すビジネスモデル」「売上の増減が激しい」などの理由で、この状況下だと特に融資を受けにくい。

経済が元に戻るには、相当の時間がかかりそうだ。

まとめ

見かけに騙されず、しっかりと実体に身を向けることが大切だ。

アメリカでは、過去最も高い失業率になっている。
そんな中で、GAFAMは好調だ。

資本主義は、この危機を乗り越えられるだろうか。

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