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アメリカにおける警察の暴力、人種および抗議(The Economist 2020年6月4日版)

The Economist 2020年6月4日版から、「Police violence, race and protest in America」の記事を取り上げてみたい。内容は「アメリカにおける警察の暴力、そして黒人の差別に関する問題」についてだ。

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アメリカにおけるアフリカ系アメリカ人への差別は根深い。

アメリカ建国前の17世紀、アフリカから大量の黒人が奴隷としてアメリカに渡ってきた。
これは、三角貿易(ヨーロッパ、アメリカ、アフリカ)に発展する。

そんな中で、アメリカは「平等」を求めて革命運動が起こりイギリスから独立をする。
その際の建国の理念には、「奴隷制の否定」というものがない。
もっというと、ジョージ・ワシントン初代大統領も奴隷を雇っていたようだ。

つまり、アメリカは建国する以前も、独立宣言をした時も、「奴隷」というものを了承していたのだ。
だからこそ、とてもこの問題は根深いのだ。

1968年キング牧師が暗殺された時にも、大規模な暴動に発展した。
そして、その年は宇宙開発(アポロの打ち上げ)や大統領選挙があった。
2020年も全く同じである。

我々は歴史から学び、2020年の今できることを考えねばならないのだ。

頻出英単語とキーワードの整理

■頻出英単語
・ingenuity(工夫)
・erupt(噴火する)
・keep a lid on~(~を抑える)
・intoxication(興奮)
・unwarranted(不当な)
・counter-productive(逆効果を招く)
・defuse(~を和らげる)
・vandalism(破壊)
・strive to~(~に向けて努力する)
■キーワード
・African-America(アフリカ系アメリカ人)
・protester(抗議する人)
・racism(人種差別主義)
・jurisdiction(司法権)
・prosecutor(検事)
・segregation(分離)
・idealism(理想主義)

記事の簡単な要約

アメリカにとって、1968年と2020年はとても共通点が多い。
・パンデミック(1968年はインフルエンザ)
・大統領選挙
・人種差別に関する暴動
・宇宙計画

現在アメリカでは、ジョージ・フロイドさんが白人警察官に殺害されたことを受けて、大きな抗議活動(デモ)に発展した(1968年はキング牧師が暗殺されて大きな暴動に発展)。

アフリカ系アメリカ人は、今でも学校・ヘルスケア・職業などの様々な面で苦しんでいる。
これは資本主義の中で、アフリカ系アメリカ人が取り残されているようにも見て取れる。
アフリカ系アメリカ人の実態を数値的に見たコラムはこちら

そしてこれらの苦しみが、今回のジョージ・フロイドさんの殺害を受けて一気に爆発したようだ。

「確かに、これらの問題はとても根深い。そのためすぐに解決することは難しい。しかし、我々は悲観的になってはいけない。」
これがエディターからのメッセージだ。

警察組織は、州ごとに異なる。
そのため、今回のようなミネアポリスで起きた事件から、「警察組織=悪」という風に断定することも良くない。
実際に、ニュージャージー州カムデンがある。カムデンの警察は、2013年に一度崩壊している。
しかし、そこから立て直し、今ではまっとうな警察組織である。
そのため、警察の暴力や人種差別は解決できないと悲観的になりすぎてはいけないのだ。

今回の抗議活動(デモ)で、暴力に訴えるということをしては何も生まれない。
むしろ、それはいずれ自分たちの仕事をなくしたり生活を苦しめたりする悪循環につながる。
しっかりとした対話が大切なのだ。

そして今回の抗議活動に参加したのは、アフリカ系アメリカ人だけではない。あらゆる人種の方が参加している。
ジョージ・フロイドさんが殺害されたことで、アメリカ国民全体が人種について考えるときがきたのではないだろうか。

自身の見解

抗議活動を武力によって鎮圧することはできるだろう。
また抗議者が、より暴力的になる可能性もあるだろう。

ただ、それでは何も解決しない。
問題の解決を先延ばしにするだけで、再びこの問題が数十年後に出てくることになる。

すぐに解決することは難しいだろう。
ただ、アメリカを分断させる方向ではなく、しっかりと団結していく方向に舵をきってほしいと感じる。

おわりに

少子高齢化の対策として、日本は移民を受け入れる必要はあるのか?

仮に移民を受け入れ、そのあと数十年たった時
日本でも、移民への差別というものが生まれてしまうのだろうか。

これは、アメリカで始まった問題だが、とても他人事のような気がしないのだ。

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