見出し画像

見聞きした小噺

「あるバッタのお話」

ある町に一匹のバッタがいました。
名前を「行き当たりバッタり」と言いました。
毎日そのバッタは気ままに生きていました。
ある日気がつくと身体中にシミが出ていました。
お医者様は「苦しみ」「悲しみ」のシミだと言いました。
くだものを食べなさいと言われ、柿を食べました。
しかし、治りません。
お医者さんは「あなたの食べた柿の名前が悪い」といいました。
それは「モガキ」と「アガキ」という柿だというのです。
「どうすればいいか」と尋ねると、
「この裏山の崖を登りなさい」と言われました。
その崖の名前は「命崖」と言います。
苦労してやっとの思いで登ると素晴らしい景色が見えて
気持ちが爽やかになりました。
すると不思議にその時から、体のシミがすーっと消えました。
そのバッタの名前は「ガンバッタ」という名前にかわりました。