MoneyTree Report-Q2_2018を読んで

先週発表されたMoneyTree ReportQ2-2018。
直近のスタートアップへの投資情報が詰まっているレポートです。
今回の2018年第2Q(〜2018年6月)を読んでみて、ポイントになりそうなところをまとめてみました。

まずは9ページ。Later期の投資サイズが2017年第1Qから引き続き伸びており、過去最高を記録した2017年第2Qを超えています。
これはUS$100M(約110億円)を超える投資ラウンドを実施している企業がFintech(20ページ)、AI(26ページ)、サイバーセキュリティ(32ページ)などの分野を中心に続出しているからだと思われます。

そのFintech領域について。
ディール件数は150件前後と、前期と大きな変化はありませんが、サイズが大きくなったことから、総投資額はほぼUS$3B(約3,000億円)に達しています。これは全体の傾向と同じく、Later期への巨額投資(Dataminr社・US$392M、Robinhood社・US$363M、Tradeshift社・US$250M等)が相次いだことによる影響が考えられます。第3Qにも、この傾向が続くのか注視したいです。

AIもFintechと同様、投資件数は大きく変わらないものの投資額がUS$2.3Bに達し、前期比US$400M増、前年同期比ほぼ倍のUS$1B増となっています。
また巨大投資についてもFintechと同様、Later期が多くなっています(Dataminr社・US$392M、CrowdStrike社・US$200M、Tanium社・US$175M、Cylance社・120M)。しかもCrowdStrike社、Tanium社、Cylance社はサイバーセキュリティのスタートアップでもあり、AIをサイバーセキュリティに活用する領域において、200年代後半から2013年ごろに起業したスタートアップがグローバル企業になり、成熟してきていることが見えてきます。

そしてサイバーセキュリティ領域。AIのところでも触れた通り、Later期の巨大案件がAIに記載した3社以外に、Signifyd社・US$100Mがあります。
Signifydの創業も2011年8月であり、上記3社と同様の成長が進んできているスタートアップと言えます。一方、2018年第1Qで全投資案件の32%を占めていたSeed期への投資割合が、第2Qに入り15%に減っている点にも注視し、第3Q以降の割合を確認していきたいです。

最後に米国内での地域ごとの投資件数と投資金額の比較について。
New Englandが2018年第1Qにつづいて、New Yorkを投資額でうわまっていて、これが継続する傾向になるのか注視していきたいです。

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