旅四国編!64カ所目は愛媛県伊予市!

旅四国編!64カ所目は愛媛県伊予市!

1月26日〜29日まで滞在していました。
伊予市は愛媛県の中央部に位置し、松山市と隣接している町。ここは旧3町村が合併した町で、海沿いの旧伊予地域は漁業と商業の町で昔ははこの周辺地域の漁業の中心地だったり、商店街は昔の豪商が作った街であったりして歴史ある地域なのだ。また、山間部の旧中山地区では栗が特産。旧双海町ではCMでよくつかわれる下灘駅などをはじめとした観光に力を入れている地域である。各地域で違う特徴を持つ町なのだ。


そんな中、私は伊予市観光協会の事務局長で2年半前に京都からこちらに引っ越してきてこられた吉田さんとお話しさせていただいた。

私は、
「こちらに来られたきっかけは何ですか?」
とお聞きした。

吉田さんは、
「元々京都に住んでいて、滋賀銀行に勤めていたんです。それで52歳の定年退職を機に伊予市に引っ越してきたんです。
 こっちに来るまでの人生の中でいろいろなところに旅行していて。それで、いろんな地域で話を聞くと、人手が足りないことを知って。そうして、そういう地域に入って力になりたいという思いが少しずつ生まれてきたんです。この時はまだ現役で働いていたし、仕事をするだけで精一杯で、それまではそんなことはなんとも思っていなかったんです。
 それで、定年になり今後どうしていこうか考えていた時に、日本にはそういう現状があって力になりたいと思っていたし、京都で私が1人いても変わらないが、こういうところに来ると1人の力が大きくなるし、残り半分の人生をそういうことに費やしてみようかなと思ってここに来ることにしたんです。」
と言っていた。

自分が様々な地域に行くことで、今の日本の現状・課題に気づかれたのだ。そういった現状があることに気づいて少しずつ関心を持ち、自分が地域に入り課題を解決するための力になりたいと思い実際に行動に移された。
このように
"この地域のために力になりたい"
という強い思いを持って移住されたのだ。


私は、
「それではなぜ伊予市を選ばれたのですか?」
とお聞きした。

吉田さんは、
「ここ以外にも岡山や広島、島根、高知なども考えていたんです。けど、島根の方は冬が寒かったり、せっかく引っ越すのだから知り合いが誰もいないところに行きたいと思ってたんです。だから、そういう地域ではないところに行きたかったんです。あとは単に瀬戸内の感じが好きだったのもあるかな。
 あと、移住する前に移住フェアに参加したんです。そこで伊予市のブースに行ったら"郡中まち元気推進協議会"のおばちゃんがやっていて。それで話を聞いてみようかなと思って話してみると、"なんかいいな""この人たちのところならいいな"と思って、すごくフィーリングが合ったんです。それで、ここの移住体験ツアーに参加したんです。
 実際に来て商店街を見てみると、
「おぉ〜」という感じで、正直廃れているなと感じたんです。でも、ここは静かだしインフラや病院、スーパーなどのお店もあり、生活として不便しないと思ったからここに来ようと思ったんです。」
と言っていた。

吉田さんはこの瀬戸内の穏やかな感じが好きというのもあり、住んでみたいと思っていた。そんな好きな場所に住むことができたのは、移住フェアで伊予市の人との出会い、「この人がいるなら」と、人の魅力を感じてここに決めたのだ。
移住には様々な理由があるが、景色や風景に惚れこんでくるだけでなく、そこにいる人に出会いその人の魅力に惹かれて来るというきっかけもあるのだ。

私は、
「こっちに来てからはどのような活動をしているのですか?」
とお聞きした。

吉田さんは、
「市内のイベントを企画したり夏祭りをやったりして、3月に行なわれる五色姫復活祭に自ら参加したりしているんです。時間がある時には郡中の協議会の手伝いや移住フェアのお手伝いにボランティアとしても行っているんです。こっちの生活で移住者にしかわからないこともあるから、移住者目線の話をするんです。1人でも人が来てくれるとこっちの人は喜んでくれるし、1人の力が大きな力になるんです。だから参加してるんです。」
と言っていた。


このように観光協会としての仕事の他にも、吉田さん自身がお世話になった郡中の協議会のお手伝いをしたり、地元の祭りに参加したりして、この町の力に少しでもなろうと様々な活動をされているのだ。また、今は商店街の活性化などにも関わりを持っている。

それは、ここに来る時に
"地域の力になりたい"
という強い思いを持ってきたので、人のために、地域のためにこれだけの活動ができるのだろう。

こういう人が地域に1人でもいることで、町にも少しずつ変化が生まれてくるのかもしれない。