旅近畿編①!42カ所目は奈良県曽爾村!

旅近畿編①!42カ所目は奈良県曽爾村!

9月25日〜28日まで滞在していました。
この村は県内の北東部に位置し、奈良県と三重県の県境にある山間部の地域だ。山間部ではあるが、川沿いにひらけている。また、ススキが群生している曽爾高原や天然記念物となっている屏風岩、切り立った崖が魅力的な兜岳などがあり、この土地ならではの自然や地形が残る。そして、ここは漆塗発祥の地とも言われているとても特徴的な地域である。

そんな中、現在「漆ぬるべの会」で地域おこし協力隊として活動されている並木さんとお話しをさせていただいた。

私は、
「曽爾村に来られた経緯、きっかけを教えていただけますか?」
とお聞きした。

並木さんは、
「元々美術大学出身で家具を主に扱っていたけど漆塗りも少しやっていて。それで、東京の家具の会社に入った中で漆塗りを扱うようになり、家でも漆塗りをしていたりしてさ。漆のお椀を買い、漆ってこんなにも口当たりがいいんだと思ってすごく良い食器だなとも思ってたんだ。
 実際に漆に携わる人や漆の木が少なくなっているのは知っていたけど、実感はしていなくてさ。それで東京で暮らさなくてもいいかなと感じた時にネットで調べていたら、日本仕事百貨のサイトで曽爾村で漆塗りをやっていることを知ったし、それを地元の人がやってるのも良いなと思ったんだ。それで今から3年前の2月にここを見学して、すぐにやりたいと決めて4月からここで仕事を始めたんだ。
 でも、漆はひとつのきっかけであり、元々自然のあるところで暮らしたいなと思っていたんだ。」
と言っていた。

私は、
「ここではどのような活動をされているのですか?」
とお聞きした。

並木さんは、
「普段は漆器の製作をしたり、イベントを企画したりしている。漆は春か秋に植えて、漆かきをするのは6月〜10月ぐらいまでで、4日に1回作業をするって感じかな。漆体験をしたいっていう声があるのでワークショップをやったり、来月には奈良でイベントを予定しているよ。あとは、岩手県に漆の研修に行ったり、青少年の家で野外活動の指導者の勉強をしたりしているかな。」
と言っていた。

漆を知ってもらうためにワークショップや体験を行い、人々の生活に根付いていたということが少しずつ伝えられていくのかもしれない。

並木さんがこちらに来てから思うことについてもお話ししてくださった。

「こっちにきてから、漆器を作る人がいることはすごく良いけど、作っている人や漆の器自体が市場から離れていっている気がすると感じて。なので、漆の器を作る背景を知ってもらい買ってもらう。そこをつなぐことが必要かなと思うよ。」

と言っていた。

私は身近に「漆」という存在がなく、とても貴重で高級なものであると思っていた。
だが、ここでは漆が昔から身近な存在だったのだ。そういった歴史が伝わることで少しずつでも漆に関心を持つ人が増え、作っている人や漆の器が市場に近づいていけるのかもしれない。

この村に住むということについてもお聞きした。

私は、
「なぜこの村を選んだんですか?」
とお聞きした。

並木さんは、
「ここに見に来た時に景色がひらけてて良いなぁと思ったんだ。
 そうやって景色が良かったのもあるけど、曽爾村の協力隊を受けにきたときに"今だ"というタイミングだったんだ。将来子供ができた時にこういう場所で育てたいと思ったし。タイミングが合致したんだと思う。」
と言っていた。


私は、最後に
「この村の魅力はなんですか?」
とお聞きした。

並木さんは、
「ここには屏風岩や曽爾高原などがあって独特の景観がある。生活している中でも、ふとした時に見える山の光景には感動するし、季節によっても違う光景があることが魅力かな。あとは人がオープンで、私のような外から来た人にも温かいと感じるよ。」
と言っていた。

自然と人の魅力を同時に感じ、今しかないと思ったタイミング。
そういったことが移住に繋がったのだろう。