旅中部編①!27カ所目は新潟県佐渡市!

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旅中部編①!27カ所目は新潟県佐渡市!

7月3日から6日まで滞在していました。
佐渡市は本州で最も大きな離島。
島の両側の漁港を結ぶようにして街が広がっており、島の中央あたりまで行くと辺り一面に田園が広がっている。その両端には大きな山がそびえ立ち、中には標高1000mを超える山もある。
まわりを山に囲まれているが、空はとても広い。とても清々しい土地だ。
また、ここには「トキ」がいる。田園の上を飛ぶ美しい姿を見ることもできた。
美しい自然に囲まれた場所だった。

そして、なんと佐渡市は私の地元である入間市と姉妹都市!
やっと行けました〜!


そんな中、私は兵庫県出身でこちらに移住し地域おこし協力隊を経て、現在は佐渡市の移住コーディネーターをしている熊野さんとお話をした。


私は、
「佐渡市になぜ移住したのですか?きっかけはなんですか?」
とお聞きした。

熊野さんは
「きっかけは二つある。
一つは旅行が趣味で、ゴールデンウィークに関西の友達と山野草や高野草を見たいね!と言っていたんだ。九州は関西から近いし、長野はまだ雪が積もってるからどうしようというときに、行ったことのない佐渡に行ってみたら面白いなと思ったんだ。
その時は佐渡のイメージは金山とトキだけだったんだ。でも佐渡は来てみると島感がなかった。"何だこの山は!"というイメージがあったよ。山野草や多種類あったし。それで一年この山を見たいから住もうかなって思ったんだ。

もう一つはライフスタイルを変えるきっかけだと思ったからで、私は32歳で結婚した。当時の仕事はとてもハードで、もし子供ができた時に晩御飯とかどうしよう、いずれは転職しないとなと思っていたんだ。どっかでこの生活を変えなくちゃいけない。その時、佐渡に来てここに住んだらいいかなと思い、"カチッ"とはまったんだよ。」
と言っていた。

自分の住んでみたいと思う気持ちと家族や子供を思う気持ちが同時期にあったことが移住への決め手になったのだ。
タイミングがとても良かったのだろう。

それに続けてここに住むことの良さを話してくださった。

「今、地元が自分の遊んでいた時の環境ではなくなっている。結婚して神戸にいたが、子供ができた時自分が遊んでいた遊びがここではできないと思ったんだ。でも、佐渡にはあぜ道があって田んぼがある。私がしていた遊びと同じ遊びをさせることができる。

それに佐渡にはイノシシ、シカ、クマがいないから安心だ。田んぼにはよく柵があったけど、佐渡には無い。こういう景色が綺麗だなと思ったんだ。

ここには自分が良いと思ったものが全部あった。人と関わる時の温かさ、美味しい食べ物があった。」
と言っていた。

子供にも自分と同じ遊びをさせてあげたい。昔、自分が何気なく遊んでいた環境が好きだったんだろうなと思った。
その遊びができる場所が地元じゃないところで「ここだ!」と思うところがここにあったのだ。
そういう巡り合わせというのはとても魅力的だなと感じた。


私は
「こちらに移住してきて難しかったことはありますか?」
とお聞きした。

熊野さんは
「私はなかったかな。
でも、地域の人と関わる時はここまでは良い、ここまでは嫌だ、というのを決めるといいと思うよ。あとは大丈夫かな。こっちの人は話し始めたら止まらずに話してくれるし、挨拶すれば返してくれるから。」
と言っていた。

難しいところ、大変なところというのはその人それぞれ違うと思う。
だが、熊野さんはそこが無かったと言った。他の人にはあると感じるかもしれないが、少なからずこう感じる人がいるということは地域の人が温かくて住みやすい地域なのだと思った。

私は
「こちらに移住してきて、前いたところとの暮らしの違いはありますか?」
とお聞きした。

熊野さんは
「こっちでは朝6時に電話をしてきたり、朝6時に家まで来たりする。逆に、夜の電話は不幸があった時の電話だとしか思わない。夜8時ごろだよ(笑)。現役の人と年寄りの時間の感覚の違いがあるかな。だからこっちではそこを言わないとわからないと思ったね。

あと、こっちに来てかまえていたけど、疑って人にあたることはなくなったね。都市でアパートにいる時は上下の住人はわからなかった。これは人に対して興味がなかったし、自分の生活で精一杯だったんだと思う。住んでいるところのコミュニティに対しての関心は無かったね。
でも、こっちに来たら近所付き合いが大切なんだよ。佐渡に来てから住環境コミュニティに対する関心は高まったと思う。」
と言っていた。

地域の人との関わり方、コミュニティの大切さ
これは佐渡だけに限ったことではなく、全国どこでもそうだろう。
ここにもそれがあったのだ。
改めてこの大切さに気づいた。


最後に私は、
「住んでいて感じることはありますか?」
とお聞きした。

熊野さんは
「住んでいて感じることは寂しいと感じる時がある。
それはどんどん人が亡くなってしまうことなんだ。香典袋は無くなるけど、ご祝儀袋は無くならない。高齢化というのを身にしみて感じているよ。
こういうのを感じると自分の祖母にも会わなくちゃなと思ったりもするね。」
と言っていた。


まさに現代の社会問題である高齢化がここでは肌で感じてしまうのだ。
そして、そこには「寂しさ」が生まれてしまっている。
若者が少ない、人手が足りないなどというだけではなく、人が生活する上で「寂しさ」という精神面への影響も出てきているのだ。

ここはどうしようもない問題かもしれないが、このような実態があることだけでも知っておくべきだろう。

佐渡には美しい自然があり、温かい人たちがいる。とても住みやすいだろう。
でも、その中には抱えている問題もある。
これら全てを受け入れることがその地域を好きになり、その地域に住むということなのだろう。