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市街化調整区域の壁

農地転用の案件で市街化区域での届出は片手の指で数えられるぐらいしか対応した事がない。農地転用案件の8割が市街化調整区域(以下、「調整区域」)だ。自治体のホームページとかで見ていただければわかるが、市街化区域の届出は提出書類やら様式がダウンロードできるぐらいのボリュームなのだが、調整区域は窓口に来て事前相談をしてくださいと書かれている。事前相談票、全部事項証明書、公図、位置図、土地利用計画図、委任状あたりを持って、後は口頭で転用理由を簡単に説明して、本申請に必要な書類の説明と共に様式を渡される。データでなく紙で渡されるというところが面倒だが、政令指定都市意外は都道府県の様式と同じ場合が多いので、汎用的に使えるし、データでもらえないか聞いてみると案外持っているところが多い。ちなみに神奈川県は藤沢市のホームページを見ると調整区域の様式もダウンロードできるので参考になります。ここまで事前相談についての流れだが、そもそも調整区域の場合、農地区分によっては農転自体ができない場合もある。なので農地区分は大抵の自治体だと電話で依頼すれば調査してくれるので事前相談の前に農地区分を確認してからスタートした方が無駄が少なくなる。色々書類揃えていったはいいけど第一種農地や農振農用地でしたなんでことになったらよっぽどの理由がない限り転用は無理ですし。こんな感じで調整区域はなにかと手間が多いので我々の出番が多いのだが、やるにあたって押さえておきたいのは農地法はもちろんだが、都市計画法や建築基準法なんかも、計画によっては関係各課と協議していく中で、ある程度網羅しておきたい法律だ。調整区域は原則では建築物を建ててはいけないのだが、市街地のような住環境となっているところではやりにくい事業があったり、調整区域でも近隣の住人にとって生活に最低限必要な施設などはあるので、そういった施設の設置も含めた相談だと都市計画法はとくに生きてくる。農転に限らず、福祉施設や農家レストラン、防災施設みたいなものは例外的に調整区域でも建てる事ができたりするので、農転を扱うなら体系的に押さえておきたい法律だ。今ちょうど用途変更について土木に協議が必要な案件があるのでこれをきっかけにさらに深めていこうと思う。

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