なんとなく読み始めた「限りある時間の使い方」がめちゃくちゃためになる予感

なんとなく読み始めた「限りある時間の使い方」という本がおもしろい。
いわゆる「タイムマネジメント」的な内容ではなく、示唆に富んでいて、生活全般に応用できそうな考え方がバンバン出てくる。
まだ半分くらいしか読んでないけど、現時点でとくに大事にしたい考え方をまとめておきたい。

なぜ決断できないのか

人生の方向性を決めたいと思って、住む場所とか移動手段とか、最近はライフスタイルのことばかり考えている。
でも不思議なほど「これだ」という結論にたどり着けない。

この本を読んで気づいた。
僕はこれまで、「完璧な状態」や「完璧な納得」を求めていた。

でも現実には、完璧などあり得ない。
選択とは、無限の選択肢の中から一つ選び残りのすべてを捨てる作業だから。
たとえ便利で快適になるとしても、必ず何かを失っている。

人はいつだって、何かを選び、他の多くのものを捨てて、喪失感に耐えなくてはならない。

オリバー・バークマン「限りある時間の使い方」

本当の人生はもう始まっている

もし時間に余裕できたら
もし生活基盤が整ったら
もしやりたいことが見つかったら

つい未来の幸せな自分に期待してしまうけど、完璧はあり得ない以上、必ず未来には未来の悩みがある。
つまり、「人生の不完全さ」を受け入れないかぎり、未来の自分に期待して現実逃避し続けることになる。

僕たちが気晴らしに屈するのは、自分の有限性に直面するのを避けるためだ。

オリバー・バークマン「限りある時間の使い方」

選択肢を減らす

人は選択肢が少ないほうが幸せを感じられるらしい。

人は後戻りできない状況におかれたほうが、選択肢があるときよりも幸せになれるというデータがある。手持ちのカードを多く残しておくよりも、「これしかない」という状況のほうが満足度が高まるのだ。

オリバー・バークマン「限りある時間の使い方」

僕は今、ありがたいことに住む場所を自由に選べる状況にある。
選択肢が多いと考えることが多すぎて決められなくなるし、一度決めたあとも、「もっといい選択肢があるのでは」とすぐに引っ越したくなる。
状況的には恵まれているけど、あまり幸せとはいえない。

じっくり味わう

そこそこ納得できる選択ができたたら、完璧な未来に思いをはせるのではなく、今この瞬間に注意を向ける。

意味のある体験をするためには、その体験に注意を向けなくてはならない。

オリバー・バークマン「限りある時間の使い方」

これはめっちゃよくわかる。
楽しみにとっておいたデザートがあったのに、つい動画を見ながら一瞬で食べ終わって味を思い出せず、「お金払って無駄なカロリー摂取しただけか」と後悔することがある。
逆によく噛んで味や食感に意識を向けて食べると、驚くほど満足度が高い。

何を食べるかより、どれだけ味わって食べるかだよなーと。

何のために

一つ一つの経験を深く味わったほうが満足度が高い。
わかっていてもついマルチタスクしてしまうのは、「怠惰=悪」、「時間を有意義に使わなければならない」という思い込みがあるからだ。

時間をできるだけ有効活用しようとすると、余暇まで生産的に使わなければならなくなる。

オリバー・バークマン「限りある時間の使い方」

何をやるにしても、未来のことを考えて「〜のため」という言い訳が付いてくる。
その結果、「仕事のために休む」という、冷静に考えたら意味がわからない状態になる。

なぜ生産的に働くために休まなきゃならないんだ?海辺でのんびりしたり、友だちと食事したり、ベッドでごろごろするのに、なぜ「仕事のため」という言い訳が必要なんだ?

オリバー・バークマン「限りある時間の使い方」

純粋な趣味を大事にする

常に未来のことを考えるデメリットは2つ。満足度が下がることと、いずれ未来が見えなくなったときに絶望すること。

 今この瞬間を味わうためには、「〜のため」という理由が見つからない「純粋な趣味」が必要だ。

本当の充実感を得るためには、趣味というには少し恥ずかしいくらいがいいのかもしれない。
ちょっとした気まずさを感じることこそ、社会的に認められた結果を目的としない、純粋な趣味の証拠だからだ。

オリバー・バークマン「限りある時間の使い方」

最近久しぶりにiPhoneを触ってみたら、UIの美しさやフィードバックの心地よさに感動した。
たとえばアイコンを長押しすると、アイコンがぐっと押し込まれ、「ペッ」という音と共にかすかに振動する。
この感覚が心地よすぎて、暇さえあれば無意味に操作している。

これが「純粋な趣味」というやつか。

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