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G1 2024年天皇賞春:中間考察

皆さんこんにちは。
バークレーでございます。
今週から再びG1戦線が始まります。安田記念までの怒涛のG1ラッシュ。ここでしっかりと高い的中率を出していきたいところです。先週はマイラーズCが完全的中。フローラSは惜しい結果となりました。そしてへっぽこさんの大会のレベルが高いこと高いこと…。現在チーム競馬塾は4位と好位にはつけていて、回収率も150%となっているのですが、それでも上には上がいますねぇ。あと5週ありますが、最後まで優勝目指してがんばりたいと思いますので、皆様最後まで応援よろしくお願いします。

さて、今週は天皇賞春。
最強ステイヤーを決める戦いが始まります。
予想してみると意外と混戦模様のようです。2連系でも3連系でもオッズは美味しいものになるかもしれません。…いやいや、今からそんなことを言っていたら皮算用ですね。我が馬体診断の師匠はしくれさんもおっしゃっていました。「自分の競馬」が大切だと。本当にそう思います。私の予想は「考え抜く競馬」です。変な先入観は持たずに、しっかり最後まで考察していきますので、最後までぜひ読んでやってください。では早速考察を始めていきましょう!


G1 天皇賞春:予想基本方針

G1 天皇賞春:京都芝3200m右外回り
【コース形状考察】

京都競馬場芝3200m右外回り:コース形状

こちらが天皇賞春が行われる京都3200mのコース形状です。スタートは向こう正面から。スタートしてすぐに京都競馬場名物、通称淀の坂が待ち構えています。最初のコーナーまでは417mありますので、一見ハナを切る争いが激しくなってペースが流れそうに見えますが、この急坂を考えるとペースは落ち着くのかなというのが第一印象です。そしてこのコースは合計で競馬場を1周半しますので、最終的に淀の坂を2回駆け上るということになります。坂というのは上りばかりキツいというイメージがありますが、京都くらい急激に下る場合も同じくらい馬は消耗します。皆様も下り坂の方が結構しんどいなぁと感じた経験ありませんか?山登りをしている方ならなおさら実感がもてるかもしれません。もちろん人間は馬と違って二足歩行です。馬は前脚と後脚で役割が違います。一般的に言うと前半身というのは「心肺能力・操縦性」を担い、後脚は「推進力・パワー」を担うと言われています。坂道を走る時の馬の状態を考えれば、「上りはトモに負担」「下りは前半身に負担」という風に考えるのが良いでしょう。これ私の持論なのですが、下り坂で急激にブレーキを掛けながら走った場合、前半身に必要以上の負荷が掛かってしまいます。なのでブレーキを掛け過ぎても距離が持たない。では下り坂の傾斜に身を任せる形でペースを速めてしまえば、それでもやっぱり最後まで距離が持たないということになりませんか。だから京都競馬場というのは本当に難しい競馬場だと思うのです。京都と同じように急激な下り坂を有している競馬場はいくつかあります。中山・阪神・中京あたりでしょうか。しかし阪神や中京は急激に下っていった後に直線で上り坂が設置されているので、下りを走っている時にペースを上げるポイントが作りやすい。唯一中山競馬場だけが上ってから急激に下るということがあり得る競馬場であると言えます。ちょっと中山競馬場好走歴と天皇賞春着内馬との関連性を調べてみますか。

中山競馬場好走歴と天皇賞春着内馬との関連性

こちらが関連性を調べたものになります。「いやいや、有馬や菊花はレースレベル高いし、日経賞は前哨戦じゃん!」という声が聞こえてきそうです。それはそうかもしれません。ただ、中山競馬場の上りから一気の下りという形式で好走した馬が天皇賞春に絡んでいるということはある程度言えそうです。2013年3着の馬に関しては外国馬で日本のレースへの出走経験がほとんどありません。ということは過去10年29頭着内馬の中で19頭が中山好走歴を持っているということが分かります。65.5%という確率ですね。それ以外の馬はほとんどが春天からのリピーター、および京都開催菊花賞での好走歴を持った馬であると分かります。これらを足すと29頭中25頭で86.2%が該当することになります。こういうデータは単純に数字だけ見て「確率が高い!」と判断するのは危険なデータです。だから私の場合は必ず形状から特徴をつかんで仮説を立て、その上でデータを調べるという形をとっています。
では、上記で考えて導き出した傾向を今回の出走馬と照らし合わせてみましょう。
➊中山好走歴(2200m以上)
シルヴァーソニック・チャックネイト
ディープボンド・テーオーロイヤル
ドゥレッツァ・プリュムドール
ブローザホーン
➋天皇賞春(京都開催)リピーター&好走歴
シルヴァーソニックディープボンド
➌菊花賞(京都開催)好走歴
ドゥレッツァ・タスティエーラ
このような形となりました。ドゥレッツァとタスティエーラに関しては、データ上は抑えておかなければなりませんね。しかもドゥレッツァに関しては中山好走歴にもヒットしていますからやはりここはレースの中心となるでしょうか。➊➋という観点で言えばシルヴァーソニックとディープボンドが重なっています。ディープボンドに関しては後ほども述べますが能力的に少し衰えが見えていると思うので少し厳しいかなという印象を持っていますが、シルヴァーソニックに関しては8歳ながら22戦とそこまで出走回数が多くなく、前走で叩いての上昇度を感じています。もしも考察で引っ掛かるのであれば、今回人気薄ならば狙っても良い感じ。そうでなければ中山好走歴のある馬たちがレースの中心となっていく形になるでしょうか。

【断面図考察】

京都競馬場芝3200m右外回り:断面図

続いて断面図から高低差を確認していきましょう。今まで散々述べてきた淀の坂の全容がご覧いただけるかと思います。1ハロンにも満たない距離で4m下っていく形状は日本のどの競馬場にもありません。やはりこれが最大の京都競馬場の特徴と言えるでしょう。さて、ここでは「どの部分にスパートのポイントがくるのか」というところを考えていくことにいたしましょう。先述の通り、下り坂でペースを落としてもしんどい、流れすぎてもしんどいと考えると、ゴール手前4ハロン目の半ばくらいからスパートがかかるという感じで考えられるでしょうか。ではここで天皇賞春のラップをはやくも見てしまいましょう。

天皇賞春過去レース:ラップ

すいません…16ハロンもあるのでどうしても表が大きくなってしまいます。これを分析していきます。情報量が多いのですが落ち着いて一つずつみていきましょう。まず基礎ラップからです。天皇賞春良馬場、かつ京都開催の時の全体平均タイムは194.88秒、ここからスタート1ハロン平均13.03秒を引きます。残った181.85秒を15ハロンで割って基礎ハロンを出していきました。天皇賞春の基礎ラップは12.12秒。やはり3000mを超える距離のレースは12秒台が出てきますね。続いてその基礎ラップと各ハロンの平均タイムとの差を出したものが記載されています。調べてみると面白いことが分かりますね。まず相変わらずスタートから2~3ハロン目はやはりラップ的には流れるということです。そしてその部分が淀の坂上りということでこれは逃げ馬にとってはキツいラップとなりそうです。そしてちょうど1回目の正面直線を向いたところから、1角目に向かう場面でラップ的には流れる傾向があるようです。そして1~2角と向こう正面で緩めるだけ緩め、淀の坂下り途中あたりからスピードが上がってきます。ただそのスピードアップの度合はやはりゴール手前3~2ハロンの所がピークとなりそうです。ある程度断面図から考えた仮説と合致しているところがありそうです。
1回目の正面直線でペースが上がりがちであるというのは本当に興味深いです。このラップは当然逃げ馬が刻んだもの。あえて道中にペースを上げる意味というのはないと思うのですがなぜここでラップが上がるのでしょうか。考えられる要素は2つ。1つ目は「直線の方が位置をあげやすい」ということでしょうか。コーナーよりも直線の方が距離ロスが少ない状態で位置を前にすることが可能です。番手以降の馬たちが位置を直線で上げていくことによって、逃げ馬のペースが上がるというパターンですね。そして2つ目は「逃げ馬があえてペースを上げている」場合でしょうか。1回目の直線で逃げ馬がペースを上げることによって、隊列は縦長になります。その後ペースが一気に落ち着く1~2角で後ろの馬が位置を上げようとすると、後続馬には距離ロスが生まれます。距離ロスを避けて向こう正面から位置をあげようとすると、淀の坂の終わりからスパートがかかってしまうので4ハロンどころではない長い距離で脚を使わされてしまいます。どちらなんでしょうね。後者だとしたらとんでもなく策士ですよね。もうワクワクが止まりません。展開予想では、その辺も加味して考えていくことにいたしましょう。

さて、上記考察にてスパートがかかる地点はやはり考えた通り「ゴール手前4ハロン半ばあたりから」ということになりそうです。ここからは逃げ馬考察にまいります。

G1 天皇賞春:逃げ馬考察

【逃げ馬考察】
ではいつもの通り、逃げ馬の特定をしてまいりましょう。先日行われたマイラーズCでは、ペースこそ想定よりも速かったものの、逃げ馬の特定はばっちり。想定よりも流れる前半となったことを察知し、セリフォスとソウルラッシュは中段あたりにつけて競馬を行いました。やはり隊列とペース予想というのは本当に大切だと感じます。さて、今回の天皇賞春では、一体どの馬が逃げてくるのでしょうか。早速考えていきましょう!まずは直近5走で逃げたことがある馬の特定からまいります。
■逃げ馬候補■
※直近5走で逃げたことのある馬(数字は回数)
サヴォーナ➊・ドゥレッツァ➊
マテンロウレオ➊

なんと!今回の登録メンバーではたったの3頭しか該当しませんでした。しかも3頭ともみな単発で逃げたことのある馬ばかりです。見た瞬間にどのレースで逃げたのかが思い浮かぶ馬たちですね。さすがにこれだけではどの馬が逃げるかが分からないので、今回もテン速さ比較をしていきながら逃げ馬を特定することにいたしましょう。ただその前に今回の登録馬21頭のうち、除外対象はどの馬なのかを調べてから逃げ馬の特定をしていこうと思います。まずはこちらをご覧ください。

2024年G1天皇賞春:登録馬一覧

こちらを見ていくと、賞金というだけで考えればウインエアフォルク、シュヴァリエローズ、メロディーレーンまでが除外対象となるでしょうか。現在鞍上が未定なのもこの3頭だけですのである程度正しいのだろうと思います。間違っていたら教えてください。さて、この3頭以外の馬のテン速さ比較を考えて、ペースを特定していきましょう。

G1天皇賞登録馬:テン速さ比較

このような結果となりました。3200m換算したテン速さ平均ではドゥレッツァが最も速いテンということになりました。最速も2位、最も遅くても2位ですから安定して前に行けるということは間違いないのではないかと思います。最速だけのランキングで言えば、サヴォーナが1位ということになっています。これは今年の日経新春杯でのテンが影響していると思われます。この時の結果は2着ですが、さすがにそこから4ハロンも延長して同じテンの速さで進むとは考えにくいので、ここでは番手周辺の評価ということになるでしょうか。ドゥレッツァはやはり菊花賞での前35.5秒というのが効いています。この時は2ハロンで早めたペースを次の2ハロンでルメール騎手が天才的な騎乗で回収していますので、一概に流れる展開を好むという訳ではありませんが、それでもテンが速かったのは事実でしょう。平均2番目に速いのはタスティエーラとなりました。決してテンが速いわけではないし、2000m前後のレースも多くなっていますが、安定して前に行けるというのがこのようなデータに表れているのでしょう。注目すべきは最速3位のブローザホーンでしょうか。サヴォーナと同様日経新春杯で刻んだ35.1秒という前3ハロンのタイムがこの3位という順位を作りました。そしてそのまま勝ち馬となっています。このレースでは上がり3ハロン35.8秒を記録して最速となっています。このブローザホーンがどんな位置で競馬をするのかには注目しておくことにいたしましょう。

いずれにしてもテンの速さだけで考えればドゥレッツァがハナを切ることになりそうです。戸崎圭騎手が逃げるというのもあまり想像がつきませんが…。ルメール騎手ならば逃げてきてもおかしくないかなと素直に思えるんですけどね…。まぁそれは良いとしてこの馬が逃げた場合どのようなペースを刻むのでしょうか。ドゥレッツァが明確に逃げたのは菊花賞の時だけということになりますが、直近3走は次のような前3ハロンタイムを刻んでいます。
G2金鯱賞2着「前36.0秒」2000m
G1菊花賞1着「前35.5秒」3000m
3勝日本海S1着「前36.8秒」2200m

ここ3走では安定して36秒台を刻んでのペースということになりそうです。距離も長いレースが多いですから今回もそこまで変わらないペースで進むと考えられます。天皇賞春の平均前3ハロンが36.5秒となっていますので、今回予想以上に突っかかってきそうな馬というのはブローザホーンやサヴォーナくらいだろうと思いますので、そこまでテンは速くならないと予想します。と考えると、平均36.5秒よりもやや遅い36.7~36.8秒くらいと考えられるでしょうか。4~5ハロン目の平均ラップは24.08秒ですから、前1000mは60.7~61.0秒くらいと考えられるでしょうか。ではそのペースが天皇賞春のペースと合わせるとどうなのか考えてみましょう。

【ペース考察】
では天皇賞春の前後半ペースを調べてみたいと思います。とはいえ1600m×2で調べてもあまり意味がありませんので、今回も昨年同様に「前半1000m+中盤1200m+後半1000m」というくくりで調べてみたいと思います。

天皇賞春:前後半&中盤ラップ

こちらが過去レースのラップとなります。まぁ今回はドゥレッツァが人気を集めるでしょうからね。楽逃げさせて残られるということを何とかして他の騎手が防ぎにくるような予感もしますね。先ほど考えた想定タイムだと60.7~61.0秒ですから2008年のラップが一番合うような気もしますが、ここは突っかかってこられて60秒台前半になることも想定しておきましょう。そうなると参考にする年度というのは次の年ということになるでしょうか。「2008・2009・2010・2018」ではこれらの年というのはどういう位置取りをした馬が馬券内に入っているのでしょうか。

天皇賞春過去レース:1着馬

おー、これはやはり。60秒前半までというペースは確かに平均すると12秒ということになります。最初の1ハロンは13秒台ですから、その後は常に基礎ラップよりも速いペースで進むということになり、差し馬の対応を許すペースということになるでしょうか。そしてもう一つ注目すべきことがあります。「馬格」です。Xのポストでもよく見かけますが、「ステイヤーレースは馬格が小さい馬の方が良い」とよく言われていますよね。ただ、京都3200mで行われる天皇賞春に関しては、1着馬の平均馬体重が496.5㌔となっていて、その巷で言われているイメージとは異なる馬格の馬が勝利しています。2018年レインボーラインが勝利した時こそ452㌔ということになりますが、それ以外は490㌔以上の馬が多くを占める結果となっています。ちょっと他のステイヤーレースも調べてみましょうか。
■ステイヤー重賞1着馬の馬格■
菊花賞…485.07㌔
阪神大賞典…494.38㌔
ステイヤーズS…473.47㌔
ダイヤモンドS…479.25㌔

こちらから見ていただくと、少なくとも京都で開催される天皇賞春に関しては、『ステイヤー重賞の中で最も馬格のある馬が勝利しやすいレース』と言えるのではないでしょうか。それは少ない統計からたまたま導き出されたデータではなく、コース形状から考えて正しいと結論づけられるデータだと私は思っています。もちろん人間に置き換えてみたら、短距離走の選手と長距離走の選手では筋肉の質が違います。でもその時に想像する「長距離選手」というのはどの距離のものですか?きっとマラソン選手ではありませんか?もう少し短かったとしても1万mとかではありませんか?それって短距離の何倍長く走るのでしょうか?人間で言えば100~800mくらいまでが短距離だとするならばその10倍以上も長く走るのが長距離走です。でも馬になると1200mや1400mが短距離で、そのわずか3倍程度の距離で長距離となるのでしょうか。もちろん求められる適性は違うとは思いますが、人間に置き換えたイメージから「馬格の小さい馬」と結論付けてしまうのはどうも腑に落ちません。この後に述べる2~3着であれば、馬格の小さな馬でも馬券に絡むことが十分にあると分かりますが、勝ち馬に関しての傾向は「馬格は大きい方が良い」というのが私の結論です。
先ほどの好走パターンに当てはまる馬だけでも馬格を調べてみると次のようになりました。
シルヴァーソニック…前走「454㌔」✕
チャックネイト…前走「486㌔」○
ディープボンド…前走「510㌔」○
タスティエーラ…前走「494㌔」○

テーオーロイヤル…前走「458㌔」✕
ドゥレッツァ…前走「472㌔」▲
プリュムドール…前走「474㌔」▲
ブローザホーン…前走「426㌔」✕
想定1~3人気の中で馬格だけで考えるならばタスティエーラのみがクリア。その他は微妙なところにあるようです。ディープボンドはさすがに厳しいとは思うのでそれ以外を考えるとチャックネイトのみが馬格的には十分可能性がありそうであるということになりました。これは面白い結果になりましたね。そして脚質的には後ろからの競馬をして上がりを使える馬が好走しているように見えます。

では2着馬や3着馬も見ていきましょう。

天皇賞春過去レース:2着馬

ここからはあまり馬格は関係なくなります。が、参考年度で考えるとやはり大型馬の方が有利な展開なのかもしれないと分かります。やはり逃げ馬にとっては厳しいレースであるということも分かります。好位から競馬をしている馬が絡むという感覚も必要そうですね。

では3着馬はどうでしょうか。

天皇賞春過去レース:3着馬

長く良い脚を使う馬が並んでいるような印象を受けます。2009年、2013年、2015年、2017年あたりは比較的まくりに近い形で早仕掛けをしている馬が好走しているようです。そういう後ろから飛んでくる馬にも警戒が必要ということなのでしょうか。

G1 天皇賞春:ラップ考察

【ラップ考察】
今回は3200mという特殊な距離である関係で、共通の距離条件のもとに能力比較をするのは非常に困難です。○○mの場合、▲▲mの場合といった感じでいくつもの距離で考えなければならなくなります。したがって能力比較に関してはただいま絶好調のバークレー指数に判断材料をうつすことにして、ここではラップの分析とざっくりとした隊列予想を行いたいと思います。まずはラップの視覚化からしてまいります。

天皇賞春過去レース:ラップ

年ごとにバラつきはあるものの、それは枠順が出てこないことには細かな分析ができません。ここでは平均ラップの推移から考えていくことにいたします。やはり視覚化してみて際立つこととしては、➊スタートから3ハロンの流れるペース、➋1週目終わりのコーナーから坂までの緩み、➌下り坂終わり部分からのロンスパ。この3つが天皇賞春の最大のポイントと見て間違いないでしょう。そしてペースがある程度流れるとみて、位置取りは不問。できれば長く脚を使えるタイプを見つけたい、そんなところでしょうか。では、今までの考察を踏まえて私が考えたざっくりとした隊列予想をご覧ください。

G1天皇賞春:隊列予想(仮)

枠順が出る前ではありますが、私が想定したペースとざっくりとした隊列でございます。ドゥレッツァが前に出て、番手に3頭としました。もちろんこれは並びによって大きく変わるところだと思いますし、ヒンドゥタイムズなんかはなんだかんだでもう少し後ろから競馬をするのではないかと思います。想定した➋➌(赤字)の前3ハロンでいったとするならば、青字になっている馬たちが自身のテンの速さから考えれば余裕のある、もしくは経験済の速さということになります。それがかたまっているのが2~5列目ということになりますので、この塊の中に勝ち馬がくるだろうと考えます。そして下段にある騎手の方ですが、斜体で下線を引いている騎手たちがいます。この騎手たちは位置取りが微妙に変わるかもしれない人たちです。まずモレイラ騎手ですが、やはりこの騎手の上手なところは展開面での読みと追い出すタイミングの上手さ、そして追い出す力です。ドゥレッツァをある程度マークして競馬はしていくとは思いますが、今回ドゥレッツァの真後ろというのは正直リスクがあるのではないかと思うのです。鞍上が戸崎騎手に乗り替わりだからという訳ではないのですが、強烈に強い場合もあるし、鞍上変わって騎手の馬に対するコントロールがうまくいかず、周りを巻き込むような騎乗になる場合もあります。そういうリスクを考えれば、もう1列くらい後ろで待機する可能性も十分にあるかなと思います。ブローザホーンに乗る菅原明騎手に関してももう少し攻めてくる可能性はあると思います。最速テンの速さはもっていますし、位置を取りに行こうとすればできるはずです。先ほどの戸崎騎手とは違って、この馬を熟知していると思いますので、自在性は上位です。そして菱田騎手です。今回テーオーロイヤルが期待を集めていますが、相手は正直もう一段階前走よりは強くなります。前走と同じようなイメージだけで戦おうとすると、馬格がそこまで大きくない分最後力負けしてしまう可能性があります。ここは積極的に中段やや前くらいで競馬をしたいと考えているのではないでしょうか。そして三浦騎手ですね。阪神大賞典で2着に入ったこの馬は、ステイヤーズSでも4着に入っていますし、菊花賞組ではないものの京都3000m古都Sで勝利をあげているだけあって、京都の急坂および下り坂には対応できる力を持っています。阪神大賞典ではまくりのようなロンスパを見せての2着ということになりました。今回は三浦騎手に乗り替わっての大勝負となりますが、同じ走りをしてくるのかそれともハナから中段やや後ろあたりにつけるのか。その辺に注目ですね。

G1 天皇賞春:バークレー指数上位馬

【バークレー指数上位馬】
上がり優秀馬
1位 メイショウブレゲ(2.2)
2位 以下の2頭が該当(1.8)
スマートファントム・ハピ

上がり最優秀馬はメイショウブレゲとなりました。
直近7走はすべて上がり3位以内、5回上がり最速という末脚を発揮しています。前々走万葉Sでは見事に勝利を飾りました。前3ハロンの行き脚と上がりのタイムの関係を考えると典型的なステイヤータイプで、前半ゆったりした流れの中最後上がりのキレ勝負となれば、この馬が好走してくるパターンではないかと言えます。一方で行き脚がつかないというのは脚質不問の天皇賞春とはいえマイナス要素にはなってしまいます。追い込み馬の成績はやはりそこまで良くないからです。かといって位置を取りにいけばこの馬の形からは崩れることになる可能性が高くなり、上がりが発揮できずにズルズルとということもあり得ます。メンバーを考えるとちょっと足りないかなと感じます。
2位には2頭入りました。
まずはスマートファントムから紹介していきます。この馬はキャリア13戦で11回上がり3位以内に入るという結果を出しています。終いの脚はしっかり出せるタイプの馬となっていますね。一方メイショウブレゲと同様に行き脚についてはつくタイプではなく、後方からの競馬が基本になってきてしまいます。メイショウブレゲに比べればキレはあると思いますが、本来は3勝を勝ち上がったばかりという戦歴。こちらも基本的には一枚二枚足りない印象でしょうか。京都未経験というのもこれだけの特殊な形状を考えればマイナス要素になってしまうでしょうか。他の条件で狙いたい馬ではあります。
同じく2位にはハピが入りました。
前走で芝を初めて経験しました。個人的には良く走ったかなという印象を持っています。ダートの中では比較的長い距離を走ってきた馬ですので、距離適性的には持ちそうな感じがします。一方で前走2600m芝の結果を見る限りでは、そうはいってもステイヤーには向いていないかなという感じを受けました。いきなりの芝G1で好走してくるような想像はつきません。芝では良馬場でも終いの脚をしっかり使って着内に入ってくる一方で、とらえきれない要素があるのもこの馬の特徴。突出してダート上がりで強烈な戦歴を残してきたわけではないので、ここは相当馬場が渋るなど特殊な環境下でないと厳しいと判断をしています。ただ前走は伸びない内を突いて相当な上がりを見せていたという部分だけが気になります。万万が一を考えて紐で抑えておいても良いかもしれませんね。

コース適性優秀馬
1位 ブローザホーン(2.4)
2位 サヴォーナ(1.5)
3位 テーオーロイヤル(1.4)

コース適性優秀馬はブローザホーンとなっています。
京都で行われた日経新春杯勝利という戦歴は決して無視はできません。この馬はほとんどが右回りコースでのキャリアで、2022年6月以降、掲示板を逃したのがたったの1回ということになっています。それだけ右回りには突出して良い結果を出す巧者であると言えます。馬場はそこまで渋ってほしくないのかなとは思いますが、京都は週末晴れる可能性もあるのでそこは今から心配しても仕方ないでしょう。マイナス要素はなんといっても「馬格」でしょう。前走426㌔は相当馬格としては小さいですよね…。頭には狙いにくい馬になってしまいました。前が平均ペースで流れるのはこの馬にとってはプラス材料です。今年の阪神大賞典のように前半と中盤の1000mがめちゃくちゃ緩い展開でロンスパというのはあまりこの馬にとっては向いていないのではないかなと感じます。どうしてもキレ負けしてしまいますので…。できればある程度流れた前半中盤の中好位につけて、そこまで強烈な上がりタイムではない形になれば、面白い存在だと思います。後は菅原明騎手が京都3200mをどのくらい研究してくるかでしょうか。
2位にはサヴォーナが入りました。
この馬は馬格もあり、天皇賞を勝ち切る条件は一部満たしています。菊花賞は1.0秒もの差をつけられてはいますが5着となっていて、2着タスティエーラとの差は0.4秒でした。成長分と展開次第では逆転が可能な距離であるとは思います。ただ、阪神大賞典での勝ち馬テーオーロイヤルとの差1.3秒はちょっと離され過ぎではあるかなと…。天皇賞春が良馬場で開催されるようなこともあれば、もう少し差は縮んでもおかしくありませんが、テーオーロイヤルも走りやすいとは思いますのでどこまで差が縮まるか…。個人的には期待している馬ではあります。
3位には阪神大賞典の覇者テーオーロイヤルを入れました。
この馬の調子は本当に馬体に表れると思っています。Xではすでにポストしておりますが、今回の馬体も厩舎は本当に良い仕上げをしてくれました。はっきり言って前走以上と言って良いでしょう。前回は展開や指数ももちろん加味しましたが、最後は馬体で本命に決めました。今回は本命にはどうかなという感じですが、重い印は打ちたいとは思います。3連系で言えば2~3列目には入れると思います。どうしても本命にできない要素はやはり馬格と騎手です。阪神3000と京都3200は全く別のもの。もちろん阪神大賞典から天皇賞春で好走してきた馬は多数いますが、乗り方を間違えると怖いのが京都です。去年の天皇賞春は初京都の馬たちもたくさんいて、レース中に2頭も故障する馬が出てきてしまいました。決して京都の形状だけが理由ではないと思いますが、少し怖さを感じます。465㌔くらいに乗せてきてくれるならば、さらに印を上げたいと思います。馬体から考えてそのくらいのプラス体重はあり得ます。

距離適性優秀馬
1位 チャックネイト(2.6)
2位 シルヴァーソニック(1.7)
3位 ワープスピード(1.6)

距離適性は圧倒的な数値でチャックネイトが1位でした。
私はこの馬が今回の一押し穴馬であると考えています。AJCCでは不良馬場であるとはいえG2ホルダーボッケリーニに勝利、中山2200mですから上りからの急激な下りを好位から競馬して勝利したのはプラス材料です。2000mを超える距離のレースに13戦して11回着内という長距離適性を見せてくれています。不安材料を挙げるとするならば良馬場重賞で勝ち切ったことがないという部分とやはり騎手でしょうか。鮫島駿騎手は今回テン乗り、その中でG1未勝利の騎手がここでいきなり勝てるでしょうか…。その部分だけが気になるところではあります。ただ、鮫島駿騎手もいつかG1を勝利する時がくると思います。それが今回なのかどうか…。そこの判断が勝負の分かれ道ですね。
2位にはシルヴァーソニックが入りました。
前走と比べると馬体がかなり改善されています。8歳という年齢ではありますが、出来次第では年齢は関係ないかなと思っています。ステイヤーとしての実績、馬場がどうなっても走るパワー。それが復活してくるようであれば良い走りができるポテンシャルは持っていると感じます。前走で人気が下がるようであれば狙ってみてもいいかもしれません。気になっていることは馬格もそうなのですが、行き脚が年々つかなくなりつつあるところでしょうか。もともと豪脚で差し切るようなタイプの馬でもないため、後ろからになりすぎると少し厳しくなるのかもしれません。Mデムーロ騎手ですのでそこまで前にはつけないのかなという印象はもってしまいます。ここは得意のまくりが登場するかな!?
3位にはワープスピードが入りました。
これまたステイヤーっぽい馬が出てきました。前走阪神大賞典では6番人気ながら2着に入りました。長距離の川田騎手がなんやら言われていましたが、やはりG2までであれば強さを発揮します。ダイヤモンドS、阪神大賞典で連続着内というのは不気味さを感じます。もう少し人気するかなとは思いますが、馬券に絡んできそうな匂いはプンプンしますね。不安なところがあるとするならばやはり鞍上でしょうか。三浦騎手がここで一気に悲願のG1初勝利を飾って涙を流すところも見てみたい気もしますが、川田騎手からの乗り替わりについて、私は残念ながらマイナスと見ています。

総合指数優秀馬(途中経過)
1位 チャックネイト(14.923)
2位 ブローザホーン(14.477)
3位 テーオーロイヤル(13.671)
4位 サヴォーナ(12.038)
5位 シルヴァーソニック(11.646)
6位 ドゥレッツァ(11.526)
7位 ワープスピード(10.206)
8位 タスティエーラ(9.985)

今回は8位まで載せることにしました。それは中間考察該当馬で理由が分かります。1位にはチャックネイトが入っています。
ここでは1位~7位まではすべて紹介した馬となりますので、8位のタスティエーラを考えていきましょう。昨年のダービー勝ち馬、皐月賞と菊花賞で2着の実績馬が、古馬との対戦を迎えて苦戦中です。有馬記念では同世代の中では先着となりましたが、大阪杯では同世代ベラジオオペラに苦汁をなめさせられました。そしてここにきてルメール騎手がお休みの間無双を続けているモレイラ騎手を鞍上に迎えての勝負となります。正直この馬の取捨が今回の天皇賞攻略の鍵を握っているといっても過言ではないと思っています。結論から言えば「何も考えずにモレイラ騎手は買う」が正しいような気もします。桜花賞にしても皐月賞にしても、あれだけ想像を超える騎乗を連続でしてくる騎手は他にはなかなかいません。レーン騎手でも難しいのではないかな…。それだけ今の騎手の中では技術や展開を読む力はずぬけていると感じます。ルメール騎手と同等くらいかもしれない…。なんせ皐月賞では人気的には一枚劣る馬をあわや勝ち馬にというところまでもっていってしまうのですからね。モレイラ抜きで考えたとしても、京都は合わなくはないというのが私の見立てです。ただすべては「走りのバランス」が改善されることが条件です。正直大阪杯の直線に入ってからの走りは、バランスが悪かったと感じます。モレイラ騎手の最大のブラス材料は「追う力」だと思っています。外国人特有の低い姿勢で追うあの姿が、タスティエーラの走りのバランスを変えるのではないかとさえ思っています。馬券的には正直相性が悪いのですが、ここは少し信じてみようかなと思います。

G1 天皇賞春:中間考察該当馬

★中間考察該当馬★
サヴォーナ➐・シルヴァーソニック➓
タスティエーラ➌・チャックネイト➑
テーオーロイヤル➋・ドゥレッツァ➊
ブローザホーン➎・ワープスピード➏

すいません。今回は結果的に総合指数優秀馬上位8頭が中間考察該当馬となってしまいました。上位馬だったから入れたというよりは、考察部分ともあったというのが最大の理由です。もちろん最終見解ではここから少し削って勝負をしようと思っています。

以上で今回の考察を終えます。
今週はG1でもありますので、最終予想としてYouTube動画も出していきます。ただ、やはりこだわりたいのは枠順が出てからの最終見解でしょうか。ここでどれだけ集中して展開を考えられるか、そして当日までの馬場をどうつかんでいくかによって、最後の結果は変わってきます。再び始まったG1戦線の初戦。ここでしっかり的中をつかみ取りたいと思っています。もしよければ、動画や見解もご覧ください。考える競馬は本当に楽しいです。ぜひその楽しさを実感してください。記事を読んでいただいた全ての方に幸あれ♪


予想には一切妥協しません!独自の指数データを日々改善させて的中率をあげていきます!