G1 2024年ヴィクトリアM:中間考察
皆さんこんにちは。
バークレーでございます。
今週は牝馬マイラー頂上決戦、ヴィクトリアマイルの中間考察をお送りしていきます。NHKマイルCは着内3頭とも選べてはおりましたが、馬連のみ的中と少し悔しい結果になりました。馬券もガミってしまいましたww ただ競馬は当てることが大切というのが私のポリシーです。回収率ももちろん重要視していますが、ガミっても負けが少なくなったという風に考えます。どんなに堅い馬券でも当てると勢いがでます。そういう意味では自分の中では及第点としたいと思います。NHKマイルC回顧やヴィクトリアMの馬体等診断についてはすでにXにてポストしておりますので、そちらもぜひご覧ください。では早速中間考察を始めていきましょう!
G1 ヴィクトリアM:予想基本方針
G1 ヴィクトリアM:東京芝1600m左回り
【コース形状考察】
この時期は2週連続で全く同じコースの形状を考察していくのでネタがあまりありません…ww 唯一違いがあるとするならば、今週から「Bコース替わり」というところでしょうか。Bコースに替わるとAコースで設置されていた内ラチが外側に3mほど移動する形となります。そうなると1周分が18.8m長くなり、ゴール盤は動かせませんからスタートの位置を18.8m前に出すということになるでしょうか。上記図というのはAコース時ということになりますので、実際3角までの距離は523.2m程度ということになるでしょうか。20mというのは1ハロンの10分の1程度の距離ということになりますので、大勢に大きくは影響しませんが、コーナーまでの距離が短くなる分、前の位置を取る争いというのはほんの少し激しくなるくらいでしょうか。
むしろここでは、NHKマイルCと比べて前半、特に前3ハロンのペースというのは流れるのだろうかということを検証していくことにいたしましょう。NHKマイルCは3歳世代がそのままクラシック路線で進むのか、それともマイル路線で進むのかの分岐点にあたると前回の中間考察で述べました。ヴィクトリアマイルは古馬のG1ですから、もともとのマイラーがここに参戦することになります。前半のペースは相変わらず速くなるとは思いますが、それでも今まで前3ハロン35~36秒で走ってきた馬がいきなり34秒台になるのと、34秒台も経験してきた馬が同様のペースになるのとでは意味合いが違います。いずれにしてもまずはヴィクトリアMというレースのペースをしっかり見ていくことにいたしましょう。最初に確認するのは「前半800m」のタイムです。
これは面白い結果が出てきました。過去16年のレースの中で良馬場で開催されたのが14年分、これらの前後半のラップ平均を見ると見事に前後半ともに45.98秒が平均となっています。NHKマイルCの前半平均タイムは46.02秒となっていますので、さらに前が速くなる傾向がありそうです。しかし、NHKマイルCとさらに異なる点は「後半のラップ」です。NHKマイルCが46.59秒が後半の平均ラップが46.59秒であるのに対して、ヴィクトリアMは45.98秒。その差は0.61秒もあります。さすが古馬G1。牝馬限定ではありますがヴィクトリアMは「前半はNHKマイルCよりも速く、終いの脚はNHKマイルC以上のものが求められる」ということになるでしょうか。このデータを見る限りでは差しが決まりそうな匂いがプンプンしますね。ただ、どういう位置取りをした馬が着内に入っているのかについては後で見ていくことにいたしましょう。さて、では前3ハロンという観点ではどうでしょうか。ヴィクトリアMの前3ハロン平均は34.33秒となっています。一方でNHKマイルCの前3ハロン平均は34.29秒です。わずかな差ではありますが、NHKマイルCの方がヴィクトリアMよりも少し速いペース、もしくは同じようなペースであるということが分かります。この時点でスタートから4ハロン目がヴィクトリアMの方が流れるということになるのでしょうか。
さてここからは、NHKマイルCの時と同様に、出走馬が直近で経験してきたレースの前3ハロン比較を行っていきたいと思います。
今年開催のレースだけだとデータが少なすぎるため、2023年マイルレースまでを調査対象にしてヴィクトリアMにペースが近いものをピックアップし、その中で重要度をランキング形式にした後にそのレースで好走した馬はいないかを調べました。2024年レースの中でヴィクトリアMに近い前半のラップを刻んだレースは3つ。その中で最終タイムが本番と近いものを➊~➌にランキングした結果、一番近い東京新聞杯でもルージュリナージュ4着が最高着順となりました。さすがに東京新聞杯よりも今回の方がレベルが高くなるのは自明のことですので、ここで4着という結果ならばこの4頭は厳しいだとうと判断します。次は洛陽SとニューイヤーSが該当しましたが、こちらも好走という訳にはいかないようです。ポイントは時計が出る高速馬場と速い前半の流れに対応できるかという観点です。
2023年のレースに関しては慎重な判断が必要です。
特に3歳重賞に関しては速い流れで進んだレースだとしても、他の馬がそういった流れが初体験だとすると、結果を出したとしてもそこまで有利な情報とはなりません。NHKマイルCのように初本格マイルを経験する前だったりするからです。そういう意味ではやはりデータにあるように富士S、安田記念ヴィクトリアMあたりで好走している馬が良いと判断できるでしょうか。そういう意味ではやはりナミュールがメンバーの中では頭一つ抜き出ていると言えるでしょうか。
【断面図考察】
では次に高低差を調べてみましょう。
こちらも2週連続で見る形となります。前半のポイントは流れるペースとスタート4ハロン目でしょうか。NHKマイルC以上に4ハロン目が流れるという形になりますので、どうしても外側を回されると厳しくなるという感じでしょうか。後半のスパートに関しては、ある程度予想が付きます。東京競馬場というのはゴール手前3ハロンの地点でスパートが始まり、残り2ハロンのところがラップ的なピークになることが多いです。ここいらでラップを見てしまいましょうか。
ちょっと今回はいつものデータから工夫を加えてみました。「基礎ラップ」についてはいつもと同じ考え方です。全体の平均タイムから1ハロン目を除き、残りを7ハロンで割ったものになります。基礎ラップと各ハロンの平均値との差をつけたのがピンクのセル11.39秒から横に書いてある数値となります。ヴィクトリアマイルは2~3ハロン目で基礎ラップを大きく下回る速いペースで進み、4~5ハロン目で息を入れて、直線向く直前あたりからスパートが掛かります。これは東京競馬場のほとんどのレースに共通するラップになります。なんて偉そうなことを言っていますが、競馬はコーナーでペースが落ち着くのが当然ですので、どの競馬場でもこれが当てはまります。ある種当たり前のことを述べているにすぎません。ただ、東京競馬場は札幌や阪神のように最終コーナーがあそこまで緩やかではありませんので、コーナー手前でペースを落とさないと下がり切れません。阪神のようにコーナーを回る時の距離が長い場合、もしくは札幌競馬場のようにコーナーが極端に緩やかになる場合、コーナーを回る時のペースが「騎手の匙加減」になることがあるので、一概にコーナーだからペースが緩むとは言い切れないものとなります。一般的に騎手心理はペースに強く影響を与えます。札幌競馬など洋芝夏開催が難しいのはそういう要素もあるのでしょう。
さて、もう一つ今回は数値を載せておきました。それはNHKマイルCの基礎ラップです。各ハロン平均ラップの下に記載した差というのは、基礎ラップとの差ではなくて「ヴィクトリアMとの差」を意味します。これを見ると一目瞭然で、ヴィクトリアマイルは4ハロン目からずっとNHKマイルCよりも速いラップを刻むということになりますね。これが本格マイルを初めて経験するNHKマイルCとそもそも本格マイル馬が参戦するレースの違いと言えるでしょうか。特に差の乖離が大きいところは「ゴール手前2ハロン分」ということになるのでしょうか。この部分は断面図で言うと次の部分を表します。
こう見ると「坂でスピードを落とさずに進むパワー」と「上がり3ハロン丸々使える長い脚」というのがポイントになってくるでしょうか。逃げ残り兆候が強いレースであれば、このようなラップは出てきません。やはり差しが台頭する要素の強いレースということになるのでしょうか。
G1 ヴィクトリアM:逃げ馬考察
【逃げ馬考察】
では続いて、逃げ馬考察にまいりましょう。先週NHKマイルCは逃げ馬キャプテンシーの特定、そして前3ハロン34.4秒程度と予想して実際は34.3秒でした。シュトラウスが後ろからになるかもという前提で考えた隊列もほぼ完璧なものでした。
まぁシュトラウスはスタート時にハプニングがありましたし、折り合い重視で後ろからの選択もしていたので上記隊列予想には下線がつけられています。その代わりにスタートでラッキーなことに周りにスペースができたボンドガールが前につけました。シュトラウスがいない分マスクオールウィンが前に出てジャンタルマンタルとイフェイオンが来ます。そのすぐ後ろにアスコリがくるという形です。ノーブルロジャーとダノンマッキンリーの位置は逆と思っていました。ゴンバデカーブースはアスコリの後ろに最初はつけていたのですがズルズルと2列分離されてしまいましたね。これを見るとチャンネルトンネルあたりは無理してでも前に出るという作戦だったと考えられます。ただその分脚が溜まりませんでした。こうやって自分が考えた隊列予想と、実際の隊列との間でどの部分が予想と違ったのかを考えるのは非常に今後予想をするに当たって大切になると感じます。陣営がどういう風な方針でレースに臨むのか、実際に騎乗した騎手がどんな状況判断をしたのかも分かりますし。「当たんなきゃ意味ねーよ」という声が聞こえてきそうですが、私実際的中はさせていますしwww こういうことの積み重ねが予想力を伸ばしていくと私は信じています。しかし、競馬ファン全員がこのように詳しく仮説と検証と繰り返していく時間を持っているわけではありません。しかもそれが全競馬場の全レースということになると無理ですよね。だから少しでもそのお役に立てるような情報や考え方を私は皆様にお伝えしたいと思ってこういう記事を3年間くらい毎週書き続けているのです。実に初めてから今までおそらく合計文字数は250万字を超えます。長くてすいませんw
さて、前置きはこれくらいにしまして、ヴィクトリアMの逃げ馬をここからは考えていきたいと思います。まずはいつもの通り直近5走で逃げたことがある馬をピックアップしていくことにいたしましょう。
■逃げ馬候補■
※直近5走で逃げたことのある馬
コンクシェル➊・スタニングローズ➊
フィールシンパシー➊
今回は実に3頭しか直近で逃げたことがある馬は該当しませんでした。これって今までにはあまりないような感じなんでしょうか?さすがに調べられないのでどなたかご存知ならば教えてください。テン速さ比較を見てみる前に、この3頭について逃げ方とそのペースを分析していくことにいたします。
コンクシェル
→いつも好位では競馬をするが、逃げたのは前走中山牝馬Sでのこと。このレースは「一体どの馬が逃げるのだろう」と話題になっていた記憶があります。結果として中枠を引いたコンクシェルが逃げてそのまま勝ち馬となりました。この時の前3ハロンは37.4秒とやはり強烈に遅い前半ということになっていますね。前が強烈に緩んだ関係で後半はロンスパ勝負となり、見事に逃げ残ったというわけです。中山1800mというスタートしてわずか1ハロンでコーナーを迎えるという特殊な形状であることに加え、ハナを強く主張する馬が不在ということが重なってのハナ。これがそのままヴィクトリアMにつながるとは到底思えません。
スタニングローズ
→逃げたのはこちらも前走大阪杯でのことでした。私はこのレースはステラヴェローチェが炎の逃げをかます予想をしていたのですが、結果前に行くことができませんでしたね。結果スタニングローズが逃げて前35.8秒というそこそこのペースでの逃げとなりました。今回も同じような逃げ馬不在のレースですよね。そうなると一撃長距離適性のあるスタニングローズが逃げてくる可能性は十分あるのではないかと思ってしまいます。ちなみに鞍上は大阪杯の時と同様に西村淳騎手です。後は「ハナを切れるかどうか」の問題。
フィールシンパシー
→逃げたのは4走前ターコイズSでのことでした。中山マイルというのは坂のてっぺんからのスタートということになりますので、前は流れやすいレースにはなっています。そこを前35.2秒というある程度ペースを緩めた形で脚をため、結構強烈なロンスパで勝利をつかみました。ロンスパというのは私は東京競馬場と相性が良いとは思っていますが、ヴィクトリアMで35秒台の逃げというのはどうしても想像がつきません…。
こう書いてみると、この3頭の中ではスタニングローズが最も逃げ馬候補としては有力なのではないかなという印象を持ちます。ただ、断言できるかというとやはりそこまで強い確証は持てない、いわゆる逃げ馬不在のレースにはなると思います。ではこれを踏まえて「テン速さ比較」を見ていくことにいたしましょう。
こちらが私が独自の方法でまとめたテン速さ比較となります。今回は驚いたことに、平均テンの速さの順位とMIN&MAXの上位順位が完全に一致する形となりました。しかもテン速さ比較トップ3には1頭も先ほどの逃げ馬がいないというwww 逃げ馬候補に挙げた3頭が「複数回」逃げているならまだしも、直近5走で逃げたのがいずれも1回のみということから考えれば、そこまで逃げる意思というものが強いようには感じません。今回の登録馬の中で考えれば、明らかにサウンドビバーチェのテンが最も速いということが分かりますし、いつも好位から競馬をしているという実績と過去逃げて重賞を勝利したこともあることから、こちらも逃げ馬としては有力だろうと判断できるでしょう。一方でテン速さが2位と3位になったナミュールとウンブライルが逃げるイメージは湧きません。少なくともこのデータがこの2頭にとってプラスの材料にはなると思いますが、逃げるというところまではいかないと思います。
ここまでのデータを踏まえると、今回の逃げ馬候補は「スタニングローズ」「サウンドビバーチェ」の2頭になるのではないかと考えます。しかし、テンの速さだけを考えるならばサウンドビバーチェがやはり有力なのかなと。そうなるとどのようなペースで前半は進むのでしょうか。
【ペース考察】
では続いて改めて前後半のタイムを考えてみたいと思います。
ご覧いただければお分かりの通り、ヴィクトリアMというレースで過去46秒台後半の前半ラップを刻んだのは2008・2009年しかありません。このくらい古いレースになると日本競馬の傾向も違ってきます。さすがにここまでは緩まないのではないかなという風に考えます。ではサウンドビバーチェが逃げ馬候補の最有力だとするならば、どのようなペースで逃げるのでしょうか。
■サウンドビバーチェのペース予想■
G3東京新聞杯
12.0→11.0→11.4(34.4)→11.7(46.1)※3番手追走
G3ターコイズS
12.2→11.3→11.7(35.2)→11.6(46.8)※3番手追走・コーナー3つ
ヴィクトリアM
12.1→11.0→11.1(34.2)→12.0(46.2)※3番手追走
このように見ればサウンドビバーチェが逃げた場合、前3ハロンで考えれば34.5~35.5秒、前半で考えれば46.4~47.1秒ということになります。ただ、ターコイズSのようにペースが極端に緩むとは考えにくいため、実質は34.5~34.7秒、46.4~46.5秒あたりが現実的でしょうか。しかし、NHKマイルCの武豊騎手のように、あえて逃げ馬ではない馬が最初前に出ることでペースを上げるなんてことはざらにあります。そういう駆け引きがG1ではペースを上げる要因となります。そう考えれば実質は34.3~34.5秒、46.2~46.4秒あたりにペースが速まると考えるのが現実的です。ではこのようなペースで進んだと考えた場合、どういう位置取りの馬が好走しているのでしょうか。前半が46.2~46.4秒で進んだ該当年は「2012・2013・2014・2022・2023」の5年となります。こちらの着内馬位置取りを見てみることにいたしましょう。
はいー!このペースだと前残りそーーー!ということで昨年ソングラインはちょっとレベルが違う馬だったことを考えても前で競馬をしている馬が十分に粘ることのできるペースであるということが分かりました。一応、2~3着馬についても見ていくことにいたしましょう。
こちらを見る限りでは、2~3着に後方から入るためには確実に33秒台半ば程度の脚が使える必要がありそうです。後ろから突っ込んでくる馬を特定するためには、上がり能力比較が重要になりそうです。
G1 ヴィクトリアM:能力比較
【能力比較考察】
それでは続いて、登録馬の能力比較を行いたいと思います。今回は持ちタイムも上がりタイムも非常に重要であるということが分かっています。高速馬場である可能性がある以上、高速決着で結果を出したことのある馬はやはり合うと思いますし、先ほどのペース考察で分かった通り、上がりで33秒台半ばの脚を使うことができれば、後ろからでも着内には絡んできそうです。2つの項目ともにしっかり分析していきましょう。今回は1600mを経験したことがない馬は1頭もおりません。しっかりと能力比較ができるのは本当に助かります。まずは持ちタイムから比較していきましょう。
持ちタイムとしてみるならば、この上位3頭が抜けていると感じます。特にコンクシェルの中京92.3秒は結構素晴らしいですね。東京で換算すると91.38秒ですか…。まぁそのままではいかないとは思いますが優秀であることは間違いありません。そしてナミュールです。やはりここでも上位にきますね。そしてフィールシンパシーです。5走前紅葉Sでの91.9秒勝利というのは登録馬の中ではかなり上位です。以下フィアスプライド、ドゥアイズ、ルージュリナージュが次点という評価になるでしょうか。続いて上がりを見ていくことにしましょう。
上がりタイムの能力比較を見ていっても、ナミュールがトップになりました。これはデータだけを見るならばちょっと無視できないレベルになってきましたね…。速いペースで進んだレースでも結果を出している、上がりもメンバーの中ではトップレベル。持ちタイムとしても十分高速馬場に対応できる。ここまで隙がないとちょっと逆に疑ってしまうのは私だけでしょうか…。そしてウンブライルについてもかなりこれは好材料であると言えます。先ほどテン速さ比較を見た時に、メンバーの中では上位に位置していました。いつものペースよりは前が緩むという判断をペース考察ではしている以上、上記表に近い上がりを出してくる可能性があります。総合指数次第では抑えておかねばなりません。そしてモリアーナです。どうしても後方からの競馬になってしまうことは確実かとは思います。なにせこの馬の行き脚のつかなさに加えて鞍上横山典騎手ですから…。ただ、やはり直近では昨年紫苑Sで見せたものすごい末脚は忘れられません。ナミュールもウンブライルも今回好位からの競馬をしてもおつりがくるくらいのペースかと思いますので、後ろから着内という意味だけで考えればモリアーナが最も有力な候補なのかなと思います。
こちらが能力比較総合評価です。ここでもナミュールは当確ライン。ここはさすがに外せないかなと思います。その他で言うならばコンクシェルは良いデータですね。上位2頭が当確ライン、その次の5頭が次点ということになりますでしょうか。
★能力比較考察該当馬★
※数字は現在の想定人気
ウンブライル➌・コンクシェル➐
ドゥアイズ➒・ナミュール➊
フィアスプライド➏・フィールシンパシー➓
マスクトディーヴァ➋
上記7頭が能力比較では該当馬となりました。人気所も入っていますが、穴馬も該当しています。こちらの馬をそのまま買うということではなく、あくまでも残りの考察部分との兼ね合い、そしてバークレー指数と比較して決めたいと思います。
G1 ヴィクトリアM:ラップ考察
【ラップ考察】
では続いて、ラップの考察をしていきます。
ここではラップの視覚化と、枠順が決まる前の粗い予想にはなりますが隊列予想をお送りしていきます。まずはラップの視覚化からしていきたいと思います。
毎週のようにラップの視覚化をしていると、このグラフを見るだけで「息が入りにくいレースだなぁ」という印象を持ちます。まぁこれは当たり前ではあるのですが、最初の1ハロンを除いて一度も12秒を上回ることがない(平均の話です)。今年はあるかもしれませんが…。そういう息が入りにくいレースだからこそペースを予想するのは大切です。12秒を超えるラップが途中で出てくるようだと、一気に前残りの可能性が高まります。逃げ馬は当然それに近いラップで進む部分を作りたい。一方で逃げ残ってもらっては困る馬はそれを阻止しようと道中にたくさん仕掛けを作るわけです。その縮図が見えたのがNHKマイルCであったわけです。しかも今回は古馬のG1です。さらに多くの駆け引きがたった90秒ちょっとの間におこなれることになるでしょう。
さて、まずこのラップの特徴をより明確につかむために、NHKマイルCの視覚化を見てみることにいたしましょう。
うん、当たり前の話ではありますが数値で抑えた時の印象と同じような感じですね。NHKは前半に比重が置かれるラップという感じ。だから全体的に右上に平均値が進んでいきます。そしてもう一つ、NHKマイルCの方がラップに「安定性」があります。明らかにヴィクトリアMの方が各年のラップにバラつきがあります。本格的なマイルを経験してきた馬たちだからこそ、こういうラップの強弱が生まれてきます。NHKマイルCが「初の本格マイルへの入口」だから荒れがちなのに対して、ヴィクトリアMは「本格マイルの経験豊富なメンバー」だからラップに自在性が出てきて、予想外の荒れ方をするということなのでしょう。
さて、このラップを踏まえた上で、粗い予想ではありますが隊列を考えていきたいと思います。
今回は本当に隊列予想が難しい…というかペースですかね。私が予想した34.3~34.5秒だとすると、そのペースを経験したことがある馬はナミュールとドゥアイズしかいないという結果になりました。実際はそれでも対応できる馬は他にもいると思うのですが、乗る側としてはやはりもっとペースを抑えたいと考える陣営が多そうですよね…。そして青のペースだと余裕をもって追走できそうな馬を青字に表示しています。これだと戦える。実際に並びが決まってきたらサウンドビバーチェがどれくらいのペースで進むのかは仮説を立てることができますが、現時点ではこのくらいが限界でしょうか。まず言えることは「ナミュールは素直に買っておこう」というところですかね。ドゥアイズは能力比較でも上位に来ています。前半のペースが緩むと全体のタイムは出にくくなりますからドゥアイズにとってもプラスになりそうですね。
さて、ここまでが考察部分となりました。
ここからはバークレー指数上位馬となります。Xにもポストしましたが、バークレー指数の総合指数上位馬トップ3がNHKマイルCの1~3着を独占しましたwww もっと自分が汗水たらして考えた指数を信じるべきですよねww 今回は昨年指数と比較もしていこうと思っていますので、皆様もぜひ参考になさってください。
G1 ヴィクトリアM:バークレー指数上位馬
【バークレー指数上位馬】
上がり優秀馬
1位 フィアスプライド(1.7)
2位 ルージュリナージュ(1.4)
3位 テンハッピーローズ(1.3)
上がり指数のトップはフィアスプライドとなりました。
こちらは上がりの鋭さというよりは安定して上がりが使えるかどうかを測る指数となっています。キャリア17戦で上がり3位以内に入ったのは11回に留まっていますが、その中で上がり最速が6回、2位が3と非常に安定して上がりが使えます。結構器用な馬のようで、小倉などの小回りでも上がり最速を記録している一方で東京でも33秒台の上がりを記録することができます。それでも上がりのタイムを見てみるとキレタイプなのかなという風には考えることができます。後ろからの競馬一辺倒で太刀打ちできるほどG1は甘くはありませんから、道中の位置取りが重要になってきます。鞍上はルメール騎手ですか!?現状では6番人気。当日はもう少し人気しそうですね。ルメール騎手だから人気をしているところもあるとは思いますが、今回に限って言えば、人気薄を持ってくるか派手に飛ぶかどちらかのような気もします…。それでも抑えないとダメかな…。
2位にはルージュリナージュが入りました。
この馬も過去14戦で10回上がり3位以内、そのうち5回が最速で、3回が2位という安定感。特に東京や新潟での最速が目立ちますから、長く脚を使えるタイプなのかなと感じます。馬体が見られていないので何とも言えない感じではありますが…。直近3走では11着、8着、13着と不振が続いていることが要因となって現在14番人気となっています。上がり上位に入るだけあって、どうしても後方から競馬をしてからの上がりというパターンですから、展開が向く必要がある馬ではあります。鞍上は横山和騎手の予定です。どう導いていくのか注目したいです。
3位にはテンハッピーローズが入りました。
こちらも上がり最速は少ないものの、直近6走では全て上がり3位以内に入るなど、こちらもしっかり上がりを使ってくる馬となっています。ただ、こちらはコース適性の方で詳しくお伝えします。
コース適性優秀馬
1位 ルージュリナージュ(1.5)
2位 フィアスプライド(1.3)
3位 テンハッピーローズ(1.1)
なんか上がりと同じようなメンバーになりましたね…。
トップはルージュリナージュとなりました。
ここではトップと3位の馬について少しだけ述べることにいたしましょう。典型的に左回りの方が良いタイプではあります。というか、決め手勝負になるのであれば末脚が発揮できるという感じでとらえるべきでしょうか。ただ戦ってきたレベルを考えると、どうしても高いとは言えないのが現状です。相手が強くなると大敗することも多くあります。
3位のテンハッピーローズも同じようなことが言えるのかもしれません。左回りにはめっぽう強いのですが、相手次第という要素はつきまといます。どちらかと言えばOP特別の左回りで抑えておきたい感じの印象を受けます。
距離適性優秀馬
1位 ドゥアイズ(1.3)
2位 フィールシンパシー(1.1)
3位 以下の2頭が該当(1.0)
ナミュール・フィアスプライド
距離適性のトップはドゥアイズとなりました。
昨年2着に入ったソダシは、この距離適性指数でトップでした。その数値には及びませんが、今回のメンバーの中ではしっかりトップに立っています。キャリアはまだ11戦ではありますが、1600~1800mでのレースでは掲示板を逃したことがありません。リバティアイランドが勝利を収めたG1桜花賞を含んでの話です。それはこういう指数が出てもおかしくないでしょう。しかし、一方で左回りに関してはクイーンC2着、オークス9着の2回だけの経験となっています。経験がないわけではないですが、左回り巧者かと言えば、現状では否と考えるしかないでしょう。また、この馬は位置取りが非常に大切になってくる馬となります。キレがあるタイプではないので、ある程度好位から競馬ができれば面白い1頭ということになるでしょうか。
2位にはフィールシンパシーが入りました。
キャリアの全てが1600~1800mで出走してきた馬で、19戦中9回着内ということを考えれば距離適性が高く出るのも納得です。そして先述の通り、5走前の紅葉Sタイムは本当に優秀でしたからね。その1点だけでも穴馬として推奨するには足ると思います。私は決して穴党ではありませんが、そうであるならば狙ってみても面白いと感じるのかもしれません。ただ、やはり戦歴を見てみると3走前にパラレルビジョンに0.7秒差などG1を勝つには土台としての力が足りないような気がします。
3位には2頭該当しました。
ここではナミュールを紹介します。
ここで紹介する必要ありますかね?笑
昨年マイルCSを制した、現状のマイラーの中では間違いなくトップクラスに入る馬だと言えるでしょう。昨年のヴィクトリアMと安田記念では悔しい不利が重なりました。横山武騎手がブーブー言ってましたよねそういえば。その後モレイラ騎手に乗り替わって富士Sに勝利してからは、怒涛の着内ラッシュ。スタートにはどうしても不安は残るものの行き脚は付くタイプなので、それこそ「普通に走ればG1勝利」ということになるでしょうか。不安要素は東京で2連続不利があったものの大敗しているということ、相変わらずスタートに不安は抱え続けているということ。本番はヴィクトリアMではない可能性もあるということくらいでしょうか。それでもあえて勝ちにいかないという選択肢はありませんので、しっかりここでも仕上げてはくると思います。
総合指数優秀馬(途中経過)
1位 ナミュール(15.132)
2位 モリアーナ(11.614)
3位 マスクトディーヴァ(11.432)
4位 フィアスプライド(11.308)
5位 スタニングローズ(10.333)
6位 ウンブライル(9.812)
今回は6位まで紹介することにしました。
トップは圧倒的な差でナミュールとなっています。
ここではまず「昨年ヴィクトリアMの総合指数」を見ていき、今回の指数と比較してみようかと思います。
昨年(2023年)総合指数優秀馬
1位 スターズオンアース(17.329)…3着
2位 ソングライン(13.949)…1着
3位 ソダシ(13.603)…2着
4位 スタニングローズ(12.654)…12着
5位 ナミュール(12.433)…7着
このように見てみると、今年はナミュール以外少し小粒のメンバーであるということが良く分かります。スタニングローズは昨年よりも指数が落ちてきているのですが、このメンバーならと思うところもありますし、ナミュールを除く上位馬の指数が拮抗しているところを考えれば、思わぬ馬が台頭してくることも十分に考えられるでしょう。
ここでは今まで紹介していない馬を分析しましょう。
まずは2位に入ったモリアーナです。
この馬が2位に入ってくるとは意外でした。
古くから読んでくださっている方ならご存知かと思いますが、私はこの馬のファンです。ただファンだからといって総合指数の数値にはファン指数というのはありませんので、客観的に出たものとお考えください。先ほども述べましたが、この馬にとって重要なことは「前が流れるか否か」ということだけ。ドスローになってしまうと正直届かないと思います。妙に前から競馬をしてしまうとこの馬の良さを削いでしまいます。典さんがG1を勝利するイメージは申し訳ないですが湧かないので…無事でかつ好走してくれることを祈っています。
3位のマスクトディーヴァも紹介しておきましょう。
前走阪神牝馬Sは決して今回のヴィクトリアMの前哨戦としてはラップが違い過ぎるかなという感じではあります。東京新聞杯では6着でしたし…。ただ、そもそもそこまで長距離適性がない中で秋華賞2着という結果、そしてあのリバティアイランドに0.1秒差を追い詰めた経験をもった素質馬ですから、ここでも能力は上位と見るべきでしょう。後は速い流れにどれだけ対応してくるかということだと思います。モレイラ騎手の継続騎乗もプラス材料かとは思います。ちなみに馬体は…めちゃくちゃ良いです。
5位にはスタニングローズが入っています。
明らかに昨年のヴィクトリアMの時よりは馬体の仕上がりは良いと言えるでしょう。ただそれでも結果は12着。相手がどうかというところだろうか。大阪杯ではベラジオオペラと0.5秒差の8着なのでそこまで差はないとは言えますし、あの馬体で8着に食い込んだところを見ると、やはり素質馬であることは間違いありません。さすが秋華賞馬といったことでしょうか。一方でマイルトップ戦線で勝ち切るにはまだ馬体が戻り切っていないのも事実です。好走するようであれば素直に賛辞を送りますが、私はまだ怖くて買えません…。
6位のウンブライルも紹介しておきます。
指数は実績で数値を押し上げたような感じです。昨年の上位馬と比べると少し指数的には足りない気もします。それでも昨年NHKマイルCの2着馬ですから適性はあると思いますし、復帰2戦目の前走でもよく対応したと思います。まだ緩さのあったマスクトディーヴァが相手とはいえ、0.1秒差の2着ですからね。叩いての上積みはあると思います。
G1 ヴィクトリアM:中間考察該当馬
★中間考察該当馬★
ウンブライル➌・コンクシェル➐
ドゥアイズ➒・ナミュール➊
フィアスプライド➏・マスクトディーヴァ➋
モリアーナ➍
今回の中間考察該当馬は上記7頭とさせていただきます。もちろんこの中から本番ではさらに絞って勝負をしていきます。めちゃくちゃ堅い決着になるかもしれないし紐荒れは起こる可能性もありますよね…。しっかり最後まで考えて決めたいと思います。
以上で考察は終了です。
14000字の考察、最後までお読みいただきありがとうございました。
今なんかフォロワー数も急増してビビッておりますwww でも少しでも皆様の参考になるような記事であったならばうれしいです。記事を読んでくださった全ての方に幸あれ♪
予想には一切妥協しません!独自の指数データを日々改善させて的中率をあげていきます!