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北アルプス 裏銀座~表銀座大縦走① (烏帽子岳〜鷲羽岳)

2023年夏。念願だった北アルプス大縦走の旅に出た。
今回は、北アルプス裏銀座から表銀座まで下山せずにテント泊で6泊7日して縦走する予定。このチャレンジは、2年前から計画していたが、休みと天候が合わず2023年夏にようやく実現することができました。約2年間のプランと準備は完璧だと思っていたのだが、、
山は、登り坂、下り坂、そして、まさかあるもんだ。
いよいよ北アルプス大縦走の旅がはじまる。

裏銀座登山バスに乗って

7泊8日の荷物は、ザックに衣食住とカメラと三脚を含めて約15kg。今までの経験も含めて全ての荷物の軽量化と使い易さを考えてかなりこだわった。ちなみに食料はドライフードがメイン。昼食は山小屋で食べるスタイル。
もちろん1日の終わりにビールを頂くつもり。

いよいよ山旅のスタート

2023年7月に信濃大町から待望の裏銀座登山バスの運行がスタートした。
このバスの運行を待っていたハイカーはきっと少なくないだろう。自分もそのひとり。信濃大町駅駐車場にマイカーを停め、ゴールの中房温泉まで行きバスと電車を乗り継いで戻って来るという、普段から車しか乗らない自分にできるのかと心配なことのひとつである笑
そんなことを考えながら、本日の宿泊先である烏帽子小屋テント場に歩きはじめる。


烏帽子小屋

各地から集まるハイカーに人気の烏帽子小屋。急登のブナ尾根を汗だくになり登ってきた登山者にオーナー上條さんの労いの言葉が心にしみる。それも、この小屋の人気のひとつ。テン場の予約を済ませて、とりあえずビールのいただく。なんて贅沢な山旅のはじまりなんだ。

烏帽子岳【標高2628m】

日本三大急登といわれるブナ立尾根を登ること約5時間。それでも、行く先には天を突くような烏帽子岳がそびえ立ち、僕の到着を待っていてくれた。この日は、午後からガスがかかりあっという間に姿が見れなくなったが、
とてもインパクトがある烏帽子岳の姿を見ることができてよかった。

青い屋根の烏帽子小屋

烏帽子小屋は1924年(大正13年)に建設された。もう1世紀近くの歴史がある。通常の山小屋は赤い屋根だが、青い屋根の色の規定がされる以前からの名残りだという。珍しい青い屋根は裏銀座では隣の野口五郎小屋とここだけ。夕暮れにはガスがかかり冷えてきた日が暮れると真夏とは思えない寒さになってきた。明日は早いスタートなので、今日はテントに入り早く寝ることに。


Day2

AM3:00寒さで目が覚めた。とりあえず、お湯を沸かして簡単に朝食を済ませテントをザックに入れてヘッドライトを点けて歩き始めた。
少しずつ夜が明けてきて、周りの景色がすべて朝焼け色に染まる。ようやく登山道が見えてきた。


野口五郎小屋

野口五郎小屋を営む上條さんは、烏帽子小屋の上條さんの叔父さんにあたる。この小屋も、家族経営ならではの温もりのある山小屋だ。
‵23春に三俣山荘図書館のイベントでお会いした上條さんに今回、再会をすることも楽しみであった。
なんでも若い頃、裏銀座の東沢谷の深いところで絶滅種の二ホンカワウソを見たという。上條さんの足元をかすめ、川に飛び込んで行った。二ホンカワウソは水に入る直前に、一瞬振り返って上條さんに微笑んだという。
イベントで、とても楽しい昔話しを聞かせてくれた。


野口五郎小屋で

AM6:30山小屋スタッフの皆さんで和やかな朝食タイム。
お腹が空いたのでカップ麺を注文したら、上条さんから珈琲のサービス。
お気遣いがとても心に沁みました。写真の奥に上條さん。
カワウソにそっくりで可愛い方でした。


野口五郎岳【標高2924m】

岩がゴロゴロしているから野口五郎岳になったとか。
天気は快晴で360°裏銀座の景色が素晴らしい。この絶景は、ゆっくり歩かないともったいない。

水晶岳【標高2986m】

水晶小屋から、ここまで歩いてきた稜線を眺める。稜線好きには幸せな瞬間。行程より早く水晶小屋に着いたので、景色を見ながらのんびり過ごす。
しかし、今年の山小屋は深刻な水不足問題でした。その主な原因は、前年冬の積雪量の減少や春の高温だと考えられ、来年の水不足も懸念されると言われてます。ヘリコプター輸送が少ない山小屋は、かなり深刻な問題になってます。

裏銀座を歩く

水晶岳から鷲羽岳まで歩いた稜線。少しずつ、少しづつ槍ヶ岳が近づいてきた。上手く行程通りにいけば槍ヶ岳の山頂に登るのは三日後。槍ヶ岳を見ながら、また一歩一歩進む。

槍ヶ岳は北アルプスの象徴となっている
いよいよ鷲羽岳へ

凛々しい姿で立つ黒部源流の山。北アルプスの奥深くに位置する鷲羽岳
その先には、本日の宿泊先となる三俣山荘小屋の赤い屋根が見える。
烏帽子小屋から、ここまで約8時間歩いた。本日の山行もあと少し。

鷲羽岳【標高2924m】
鷲羽池

山頂から見える鷲羽池が美しい。後ろには、雲の中に入った槍ヶ岳。
今回、あの池の畔まで降りてみることに決めていました。
下りの途中、稜線を外れ鷲羽池へと近づくにつれ、池はどんどんと存在感を増していく。稜線から見下ろす感覚以上に大きい池。
もちろん誰もいなくて、得したような怖くなるような感じがした。
いよいよ目標でもあったこの池で念願の構図の記念写真を撮ることにしよう。きっと素晴らしい写真が撮れるはず。
 次回、「北アルプス 裏銀座~表銀座大縦走②に続く。

最後まで読んで頂き有難うございました。
これから、北アルプスを縦走される計画を立てているに参考になったり、
過去に縦走された方々とまた共感できたら嬉しいです。

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