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2週間後に鉄腕となる男の物語 10日目

Tips: 5/10はメイドの日。


これまでのあらすじ

前回の物語

なんか最近折れた腕に慣れてきて、ヌンチャクみたいに振り回して戦える気がしてきた。関節部が肘と骨折箇所で2点あるからちょっと強そう。
難点は折れたまま振り回すとアホほど痛いことくらいか。

これは、2週間後に鉄腕となる男の物語。

いつかの備忘録

10日目の述懐編

さて、随分と間隔が空いた。
最後が5日目で今日が10日目、5/12には入院するから明日が多分最終回。

昼間ごろごろしながらネタを探していたところ、某ぶいすぽ所属Vtuberの切り抜きを見つけた。
その雑談切り抜きによると、異性から時計をプレゼントされると「あなたと一緒の時間を過ごしたいです」みたいな意味になるらしい。本当か?

なあ、種族人間のメス各位……、女ァ……、いや、淑女諸君。
もうやめないか?事ある毎に推理小説ゴッコをさせるのは。
「この戦争を、終わらせに来た」
切り抜きを見た男は、あたかも戦争を止めに来た四皇の一角の如き顔をしていた。
花言葉だのお菓子に込められた意味といった文化があるのはまだ分かるが、そこを超えて他にも意味付けをされたら後は推理するしかない。
これは今までファッキンなぞなぞ☆推理ゲームをさせられてきた男の懇願だ。

通常、種族人間のオスは生きていて推理パートに突入することはまずない。
そんなことができる奴なら名探偵○○として毎年映画化されている。
まず、時計を渡されてもそんな意味があるなんて思わないのだ。

高校生探偵の工藤新一なら真実を見抜いたかもしれんが、男は高校生のときに時計を貰っても全く意味が分からなかった。
「何故バレンタインのチョコと一緒に腕時計が入ってる?」
と疑問は抱いたが、それで終わりである。

俺に名探偵の素質はなかった。

まあ百歩譲ってどうでもいい奴が仕掛けてきた推理ゲーに負けるならまだいい。
問題は今までよう分からん推理シリーズを片手で足りないほど挑まれては全問不正解し、その半数ほどの事案で気付かなかったことに後悔している点である。
これ出題者が悪くないか?迅速に質問の回答が欲しいときは、相手が答えやすいようにYesかNoで答えられる形式で聞くのがマナーだ。
黒髪ポニテ同級生と関係を深める機会を何度も逃した。これは手痛い失態だ。

こんな怪文書を読んでいる男友達に一つだけ意味のある情報を伝えるとするなら、"恋愛は知識ゲーである"ということだ。

種族人間は一見複雑に見えても、状況によって引き起こされる喜怒哀楽のパターンなどある程度決まっている。
人それぞれ好みがあるとはいえ、一般的な範囲に収まる人格や情緒の持ち主であれば喜怒哀楽のパターンもそれなりに同じであり、大体好みも似通ってくるものだ。
端的に言えば多くの人間が好感を抱きやすいアーキタイプが存在する。
故に汎用的な攻撃策が存在し、汎用的な防御策もまた存在する。
知識を身に付ければ誰もがある程度は善戦できるはずなのだ。

しかし悲しいかな、この男には恋愛経験がないので上記の主張に一切の信憑性がなかった。
24年間にも渡って恋愛経験がない奴は致命的に魅力がない外見か、好意を察知する能力がないか、人格が破綻している、またはその全てを満たすゴミだ。
彼らは壁ドン顎クイでもされないと攻略されない。

マッチングアプリを始めようと思った矢先に腕を怪我し自宅療養となった今、腕とついでに出鼻を折られた状態ではある。
今の内に推理小説を読み、己を知り敵を知れば百戦危うからずとはならないだろうか。ならないな。

メイドの日編

今日は5/10、メイドの日らしい。
由来は5と10の語呂合わせで、5が英語でMay(メイ)であることと10を(ド)と読んだことから生まれた記念日だとされている。
一方で、日本記念日協会に正式認定されている記念日ではないようだ。

日本記念日協会は良く"理解って"いる。
メイドという職業が未だ浸透していない惨めな文化的後進国ジパングでメイドの日を制定するのは時期尚早であると、そう言いたいんだろう?

X(旧Twitter)で #メイドの日 とハッシュタグを付けてはしゃぐのは二流。
まず由来について調べ、正式認定されていない理由に思いを巡らせ、深く反省すべきである。
思考停止して流行りに乗らず、詳細を調べてそこから己の結論を導き出す。
これが一流の知将だ、有象無象よ。身の程を知りなさい。

メイド服に話を変えよう。メイド服を見て生理的嫌悪感を覚えるものなどいない。

"端的に言えば多くの人間が好感を抱きやすいアーキタイプが存在する。"

2週間後に鉄腕となる男の物語 10日目

メイド服は好感を抱きやすいアーキタイプである、と言っても過言ではない。
やれ奇人、冷血漢、悪鬼羅刹と散々な評価を受け、動くもの全てに斬り掛かるとされた朕でも、メイド服を着た女性を見て「骨髄憤激に至り候。族滅に処す」とはならないものである。
ガーターベルトやプリムは一般通行カブトムシをヒトの域に押し上げるほど強力で、その価値は有象無象の命より重い。

メイド服が良いという点については日が暮れるまで語り明かしたいところではある。しかし生憎今は夜であるし、そろそろ理性を以て語らねば知将ではなく恥将と目されてしまう。

切り口を変え、次はメイドの在り方について語っていこう。
メイドさんとは主人に奉仕し、身の回りの家事などをサポートしてくれる存在。それには当然落ち着き、包容力、一般的な教養などが兼ね備えていることが求められる。

それに比べて現代日本はどうですか?

"メスはこぞって大根の如き太い脚を見せつけるかのようにスカートを短くし、同族を見つけては己の存在を誇示するように高周波を浴びせ合った。"

2週間後に鉄腕となる男の物語 5日目

うーん、乱世である。終わってるよ。
レッグエクステンションで100kg & レッグプレスで200kg上がる俺の健脚より太い個体は一体どういう原則で成り立ってるんだ?

それに、メイドさんは其処彼処で鳴き声を上げない。
一見当然のことに聞こえるが、これができない者がなんと多いことか。
所構わず発される高周波は人間性の貧しさ、倫理観の欠如を示すものだ。
俺が学期末のダンブルドアなら、落ち着きがあり理知的な女性の頭数分だけグリフィンドールに100点を加算していた。

そして朕の個人的な規則の1つだが、他者を救うことはあっても他者に救いを求めてはならない。
人を弱くするのは人同士の繋がりで、人が与える善意には限りがある。
今日伸ばされた救いの手が明日も、そして今後も同じように助けてくれるとは限らない。
今後もあるかどうか分からない手札、そんな不確実なモノに頼るなんて正気の沙汰ではない。

そして救われるにも才能が必要だ。人に助けを求めることは大変勇気が要る上に、本当に救いを求める者は救いたいカタチをしていない。

ならどうする? 自分自身が強くなるしかない。今日、明日、そして今後もずっと共に居てくれるのは自分だけだ。
長らくこんな生き方をしていれば誰かに助けてもらう選択肢がそもそも発想に浮かばなくなってくる。
しかし平常時はいいとしても、一人だけではどうにもならない局面になる事だってあるだろう。

そう考えれば、メイドを雇っていたら純粋な雇用関係で結ばれた存在が必ず助けてくれるのだ。
これほど心強い事が他にあるだろうか。メイドが全てを救う。

自由恋愛が発達した現代、人と人は互いの自由意思で以て良好な関係が構築される。見知らぬ他人を信頼する。そんな奇跡が成立するなんて、これは人の良心が成した偶然だ。

しかし朕は納得行かなそうな顔をした。100人いれば1人くらい上記のようなメイド救済論の考えを持つのが自然だ。
とはいえ、そんなことを言い出せば朕がその1人と目されてしまうので、朕は納得したフリをした。
人の良心を信じる事ができない哀れな男であった。

それでは、本日はこの曲でお別れしましょう。
シユイの君君舞

成長は欠落を伴う。選択は君次第だ。


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