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2週間後に鉄腕となる男の物語 1日目

右腕を骨折し、会社に行けず手術もできない。
これ以上打つ手…元い打つ右腕がないので、今日から日々の記録を付けることにした。

このまま無為徒食と過ごせば無価値に終わってしまう日々も、記録に残せば後々振り返った際に価値のあるものになるかもしれない。


基本情報紹介

性別: 男
年齢: 24歳
身長: 174.2cm
体重: 67.7kg
腹囲: 78.0cm
血圧: 118/66 mmHg
(年齢以外はR6年1月17日時点の健康診断記録より)

特記事項:
コロナ陽性(無症状?)

これまでのあらすじ

4/26の夜、男は戦いに敗れた代償として右腕を折られた。
救急車で運ばれた先の総合病院で、やる気のなさそうな医者はレントゲン写真を一瞥した後に朕をチラリとも見ようとせずに語った。

医「あー、手術だ。もうズイナイクギ入れるしかないです」
朕「ズイナイクギ?」
医「骨髄の髄に、内側の釘と書いて髄内釘。右腕の骨の中に金属の棒入れるから。覚悟して」
朕「それはつまり、鉄腕になるってことですか?」
医「大人しく座っててくれます?」

こうして後に鉄腕となる男の物語が始まった。

今後について

ネタが尽きない範囲でnoteに日々の振り返りと所感を書き残す。
一方で、今後友人と飲みに行ったりVCで雑談したりといった際に話すネタを温存しながら記録していくので、あまり語る機会がなさそうなサイドストーリーが中心になりそう。
冒頭で「無価値な日々も記録に残せば────」と書いたが、このシリーズ後半にはブラックジョークと性癖に関する話題を延々と書き連ねるだけの投稿になる可能性も十二分にある。
尻を拭いた後のトイレットペーパーよりは価値のある備忘録としたい。

1日目の備忘録

入院しようとしたところ、適正検査で弾かれた。
罪状はコロナ陽性容疑。重罪だった。
呆然とする俺を尻目に、険しい顔をした壮年の執刀医が明日は手術ができない旨、そして一番早くても5/13が手術日となる旨を言い残して消えた。

まず、息子を送迎するために会社を休んだ父に謝罪を告げた。
しかし発熱はなく、コロナ感染者にありがちな各諸症状もない。
所謂、無症状病原体保有者というやつだった。
見た目は至って普通の好青年であった(諸説あり)。
俺の決意は何だったのか。
明日(5/2)手術と聞き、腹を括ったところで5/13に手術延期ね!は流石にきつい。
翌日手術も嫌ではあるが、2週間先まで骨が折れたグニャグニャの状態で過ごすのはそれ以上に嫌である。

では13日まで何をするか?
人事部の新人指導員にテレワークをさせてくれと懇願したところ、
「新人の内は仕事を覚えるのが仕事だからね… 治すのを最優先にしてください」
と優しく返された。
勿論有難いことではあるが、入って一ヶ月の新人なぞ居てもいなくても変わらないので戦力としてカウントされていない部分が大きいのだろう。
事実上の戦力外通告である。

では改めて、13日まで何をするか?
残された左手で記録を残し、アズールレーンのアイドルイベを回るしかない。
悔しい、非常に悔しいが俺はまだやることがある。
折れた右腕で救済せねばならぬものがある。誰とは言えないが。

それでは、本日はこの曲でお別れしましょう。
Room97のスタンドバイミー

問題は山積みだ。何一つとして解決していない。
ただ今は…

この熱狂に、身を任せていたかった。


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