教育委員Yの勝手に人生相談2021~芸術編

新成人Zのなやみ
私は成人になろうというのに「芸術」がまったくわかりません。それどころか、「芸術」ときくと、創造性がない自分は世界から除け者にされたように感じ、身構えて委縮してしまうので、こんなの自分に関係ないと思うようにしています。でもなぜかヤツ(芸術)が気になってしまうのです。どうしたらいいでしょう?

教育委員Yのこたえ
Zさん、成人おめでとうございます!「芸術」が気になるとのこと。それは人間らしく生きていくうえでとても大切なポイントです。こんな質問ができるあなたには確実に面白い人生が待っています。Zさんのなかの小難しい芸術野郎が、今日のこの晴れの日に、すぐそこにいるちょっとイケてる若者に変身するようお手伝いしたいという使命感に、私は今メラメラ燃えています。

「芸術」とは何か。それは、一介の教育委員の手にはとても負えない、深遠な、宇宙的な問いです。ますます芸術野郎が遠い存在になった?そうでしょうとも。「芸術」はいくらでも難解に語ることができ、難解に語りたがる人が多いため、とっつきにくく手が届かない、スペシャルな人のためのものだと誤解されがちです。でも、ヤツを遠い存在にとどめておくことは社会にとって大きな損失です。
では、言っちゃいます。
ぶっちゃけ、使命感にメラメラ燃えて必死でなけなしの知恵を絞ってこれを書こうとするようなことを「芸術」といいます。

学校生活の中で試験に受かるために勉強したり試合に勝つために練習することと、自分の内側から沸きあがるエネルギーに従って生き生きと活動することは、大きく違いますね。
この後者のエネルギーが原動力となる活動のことを、「芸術」といいます。人生を豊かにするために必要不可欠なエネルギーです。
というようなことを、岡本太郎(「芸術は爆発だ」の人)や宮沢賢治(「銀河鉄道の夜」の人)が言っています。彼らはすばらしい作品を残したことよりもむしろ、内なる声に従い続けビジョンに向かって行動し続け、周囲に大きく影響を与えたことで「芸術家」と呼びたい人たちです。

むむむ???と思うこと、やったるでー!!!と思ったこと、ありますよね?
その思いをむき出しすることを、「芸術」といいます。
むき出しにしかけたけど恥ずかしくてひっこめちゃった、むき出しにしたら笑われた、怒られた、そのうち自分はこの程度でいいやって妥協してしまう、そしたらいつの間にかだらーんとしたつまんない人生を送ってしまいます。でも、単純に、面白い方がよくないですか。
(本当のことを言うと、私がむき出しにし始めたのは3年前くらいからです。47歳から。遅いです。でも楽しいです。)

あなたがズカズカ動けば、ハプニングが起こる。予測できない出来事をおこさせることを「芸術」と言います。
ぶながやの息がかかった山に抱かれて育ったあなたには、未来から吹く風を感じ、ハプニングに遭遇するめぐりあわせがある。ハプニングを求め続け、遭遇し続けたあなたは芸術家になる。
岡本太郎は、闘い続けることが生きがいだと言っています。
宮沢賢治は、生きがいは未来から吹く風に乗ってくると言っています。
ろくでもない世界をユーモアで、自分なりの表現で、面白く楽しい世界に見せよう。
衝動に素直に身をゆだね、自由に発言し、発想し、探究し、行動し、衝突し、闘って、自分自身を勝ち取ろう。
そして近い将来いっしょに、宇宙を面白くする計画をつくりましょう!

令和3年1月4日
教育委員 山上晶子

「芸術縁日」というイベントを年に数回、道の駅おおぎみビジターセンターにて有志で運営しています。ここに書いたことがリアルに起きる場、をめざしています。ぜひチェックしてみてください!

インスタグラム https://www.instagram.com/bunagaya_art_ennichi


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?