起業1年目の感想

起業1年目の感想

市川貴之です。

去年の6月からアナロジーというITの会社を立上げ、経営しています。ちょうど第1期が終わり、いい機会なのでnote書いてみることにしました。


この1年でやったこと

会社を設立した
ちょうど1年前に株式会社を設立しました。登記とか手続きとかは、税理士事務所で働く友人がいたので基本全部丸投げでお願い。これといった感動とかこだわりとかもなく、滞りなく設立完了。高校野球部の同期に感謝。

業務委託でお仕事した
プロダクトも何もない状態で会社立ち上げて、資本金も100万円しかなかったので、とにかく生きるためにはお仕事を受注することが必要でした。
独立の報告をした知人から運よくお仕事をいただくことができ(本当にありがたい、感謝)、今でもいいお付き合いをさせていただいています。
新卒コンサル時代にこれに近い働きはしたことありましたが、自分の名前だけでお仕事もらうってホントに大変なことだと思いましたね。

ブログ書いた
ずっと紹介のコンサルだけに頼るわけにもいかないので、自分のオウンドメディアとしてブログを書きました。今まで継続して書いたことなかったし、元々文章書くのも苦手だったんで最初は苦労したんですが、慣れると意外とすらすら書けるもんですね。1年で200記事10万文字くらいは書いたと思います。

バックオフィス全般をやった
といっても、資金調達も借り入れも大規模な採用もしなかったので、大きなタスクは毎月のマネーフォワード入力と事務所の契約、銀行口座開設くらい。世の中のスタートアップに比べると非常に穏やかな1年目だったと思います。


と、こんな感じで週5ほぼフルで業務委託としてクライアント先常駐のお仕事、平日夜と土日はひたすらブログ書き続ける、みたいな生活をしてたらあっという間に1年が経ってました。

実にあっさりした初年度でしたね。。

ということで、note一発目の記事では、人生で初めて「社長」になった1年を振り返ってみて、思ったことを書いてみます。


①売上より重要なものはない

サラリーマンにとっての売上は「評価指標」。
経営者にとっての売上は「生活費」。売上飛ぶと生活に直撃するので超絶死活問題になります。

自分も会社員時代は「会社は売上よりももっと追いかけるべきことがあるのだ!社会に対してもっと貢献することに投資すべし!」みたいなことを言ってましたが、今そんなこと言われたらなめてんのかと思いますね。

もちろん、売上さえ得られれば何してもいい、っていうわけではないですが、会社にとっての売上の重要度についての考え方はこれまでと大きく変わったポイントの1つです。創業者は多かれ少なかれ同じような経験をいているのだと思うと、過去働いていた会社の社長がそろって「売上だバカヤロウ!」って言っていたのがわかる気がします。


②プロセスより結果

結果の出ないプロセスは無価値。頑張ったかどうかはどうでもいいかな。

会社員時代は「結果:プロセス」の重要度が「2:8」くらいに捉えていましたが、今は完全に「10:0」ですね。今後会社が大きくなってプロダクトを持ったり社員が増えたら、ノウハウの拡張性や再現性の観点でプロセスの重要度も少しは増すかもしれないけど、「結果出すためのプロセスじゃなきゃ意味ない」のは変わらないと思います。

このフェーズの会社では思考の順番は「正攻法で勝ったやつのプロセスが最強」。


③行動も大事だが、ただ動けばいいってもんじゃない

自社のプロダクトもない、採用活動もしない、調達もしない、投資家回りもしない、広報もしない、という1年でしたが、それでもなんだかんだでやんなきゃいけないことが多くて、時間はなかなか取れませんでした。

最近は「即行動しろ!」「考える前にやってみろ!」とか実行力押しの考えの方が多いですが、とにかくやってみるだけやってみれるほどの時間は私の場合はなかったです。

学生起業で無収入でも働けるとか、最初から資金調達して運転資金がある程度確保できているなら別ですが、自分たちで日銭稼ぎながらプロダクトを作っていくなら、行動の前に「行動の洗い出し」と「然るべき選択」をし、最適な行動を的確に実施していくべきだと思いますね。

本当に時間ないですし、私は失敗がわかってからノータイムで次のアクションを取れるほどメンタル強いわけでもないので…。


④外部を頼るか自分でするかの判断基準を決めといたほうがいい

③でも書いたように、とにかく時間がないです。が、やらなければいけない仕事は山ほど降ってきます(しかもやったことないことばかり)。
〇雇用したときの保険関係の手続き
〇契約書関連の作業(作成、レビュー、製本、郵送まで)
〇名刺とか封筒とか地味なやつ
〇免許取ったり事務所借りたり
〇その他コーポレート系のこまごまタスク

こういうのが次から次へとわいてくるわけですが、これ全部自分でやろうとするとかなり大変だと思います。ただ、外部の人に依頼すると当然お金かかるので、このタスクどうしようか?っていうのを次々と決めていかないといけません。

僕の場合は、自分の時給を1万円と設定して、
①自分がやったときのかかる時間×1万円
②外部に依頼したときにかかる費用
このどっちが安いかで機械的に決めてました。いちいち悩んだりするのもめんどくさいので、見積りもらう→自分でやったらどれくらいかかるか見積る→比較する→即決断。

やるやらない、外部か自社かの判断基準を決めておくと特に1年目とかは便利なシーンが多いんじゃないかなと思います。


⑤社会保険料は超高い

国の制度に不満がある!って話じゃなくて、会社が負担してるのってこんなに大きいんですねって話です。。初めて知りました。

社会保険料の支払いも自分でやっているので「こんなに支払うのかよ」って毎月思いながら銀行行ってます。創業前の事業計画を立てる時には、保険料分もちゃんと組み込んでおきましょう。


⑥ストレスと労働時間・労働環境は相関しない

【前職】
残業20時間くらい(月間総労働時間200時間)
緑豊かで広々、快適でオシャレなオフィス

【起業後】
残業150時間くらい(月間総労働時間330時間)
平日はクライアント先に常駐、週末は家の近くのモスバーガー喫煙室

これくらい労働時間も増えて労働環境も変わったけど、前職時代の方が100倍ストレス溜まっていたと思います。

結局何が一番違うかって考えると「自分のやりたいことができるか」な気がしています。僕の場合は「自分が最適だと思う方法で事業や会社を動かすこと」が叶えば何時間働こうがストレスは特に感じなかったですね。

ただ、これは自分だったらというケースであって、お金が大事な人はお金がもらえなければダメだろうし、家族との時間であれば労働時間が一番大事だろうし、人それぞれなのでしょう。

ここは将来社員を採用していくフェーズになったら、会社としてどう考えるかは決めていきたいところです。


⑦独立時の自分の信用はそれまでの会社の仕事っぷりですでに決まっている

起業したら他の人からの信用はとても大事。受託案件など直接的な取引をしてくれることももちろんそうですし、人や仕事の紹介も、何かしらの手続きとかのサポートも、まわりの人にサポートしてもらって助かった、というシーンはほんとに多います。うちの会社もそれがあったからこの1年やってこれました(本当に皆様には感謝しております)。

ただ、独立してから頑張っても遅いのです。

なので、もし将来独立しようと少しでも考えているなら、今の仕事がどんなにつまらなかったとしても、最大限努力して少しでも高い成果出せるようにすべきでしょう。

個人のスキルや何かにコミットした経験としてももちろんだし、その姿を見ていた人たちがその時の信用で将来協力してくれるかもしれません。信頼は1日でできるものではないので、積み重ねが大事だと思います。


⑧社員に「経営者のつもりで仕事をしろ」っていうのは無理

社長や役員がマネージャや管理職など上位役職者に対してよく「経営者のつもりで仕事をしろ!」と話すことは多いのですが、経営者を1年やった結果、率直に言ってこれは無理だと思いました。少なくとも、会社員やっていた時の自分に100日間連続で伝えたところで伝わらないと思います。

百聞は一見に如かずじゃないですが、実際になってわかることや感じることがのイメージしているより100倍以上あると思います。「経営者目線で仕事をせよ」と言われ続けて会社員やってきて、自分もそのつもりでやってたにもかかわらず、いざ自分がなってみると「ああ全然違うな」ってことがここまで多いのかってくらい多かったです。

なので、自分はこれを社員に言わないようにしようかな、と。いや、それを見越してあえて言っていたのかもしれませんが…。


⑨持っておいてよかったと思った3つのスキル

(1)会計の知識
新卒1社目のコンサルタント時代に簿記2級を取ったので基礎的な仕訳とか会計周りの知識はもともと持っていて、あと企画職としてもしばらく仕事していたのでその経験から事業計画も自分で作れました。

会社のお金周りのことが細部まで(BS、PL、CFすべて)自分で理解できており、かつ期初の計画からほとんど狂うこともなく進められたので、無駄に不安にならなくてよかったのは本当にラッキーでした。

半年先がどうなるかわからないという漠然とした不安感というのは創業直後はかなりしんどいので、会計知っていると少しは緩和されると思います。

なので、会計知識(できれば仕訳とかまで)は、もし起業するなら勉強しておくといいと思います。実務的な側面以上に、精神的な安定メリットが大きい。

(2)プログラミングの知識(非エンジニアの割に)
私のエンジニアではないのでサイト作ったりはできないですが、デジマやっていた時に自分でCSSいじったりSQL書いたりしてたりと自分でも勉強はしていたので、どんなことをしたければ誰に何を頼めばいいかくらいはわかります。

自社のプロダクトを作るときに最適な方法を選択できることはもちろん、受託系のお仕事もらうときも特に最近はマーケでもそういった知識が必要になることが多いので、その辺にハードルを感じることなく進められたのはよかったところです。

信頼できるエンジニアが隣にいるという状況がもちろん一番いいでしょうが、最終意思決定者としてもできるだけ勉強はしておくべきだと思います。

(3)きれいな資料を作れること

僕エクセルとパワポがけっこう得意でそこそこのアウトプットならかなり高速で作れます。

立ち上げたばかりの会社で資料作ることなんてほぼないと思っていたんですが、
●営業にきれいな資料持っていくと受注できるかはさておき、聞いてくれる
●クライアント先で高速で資料作ると驚かれる、その後に資料作ってくれって言われて仕事になる
●ブログに資料をアップするとダウンロードしてくれる

など、いいことがたくさんありました。需要っ意外とてあるんですね。

個人的には、Loco Partnersの篠塚さんの資料とか好きでよく見ているのですが、日頃の資料作成の時の意識を少し変えるだけで見た目全然変わるので、資料作成力も役立つと思います。


⑩やっとけばよかったなと後悔したこと

(1)SNS

いちおアカウントはありますが、プライベートでも仕事でほぼ使いませんでした。なので、使い方わからないんですよね。

今思えば貴重な1期目に全く対外的な発信をせず終わってしまったので、個人としてもSNS使えるようになりたいと思ってます。

何を投稿したらいいんでしょうね…。わかる人教えてください。

(2)飲み会コミュニケーション

シンプルに飲み会が苦手なので、この1年はあんまりクライアントともプライベートでもお酒飲まなかったですね(忙しかったのもありますが…)。

ただ、昭和的な方法と言われても、飲みニケーションから仕事を取ってきている人も周りに多いので、初めての人との飲み会とか特に苦手な自分からすると単純にすごいなと思いますよね。

なので今年度はもう少し積極的に行こうと思います。

(3)イベントへの参加、他の会社とのかかわり

ほぼなしでした。自分+クライアントの方々のコミュニティだけで生活した、超絶クローズドな1年でした。

自分の目の前のことに集中できたという意味ではよかったのかもしれませんが、人脈とか視野とかほとんど広がりがなかったので、2期目はそういったオフラインの会とかにも積極的に参加してみたいと思います。


まとめ

書いたら意外と長くなりました。

このnoteは会社のPR目的というよりは、基本的に個人として感じたことを書く単なるブログとして続けようかなと思っています。なので、更新頻度は低いですが、なんで会社を立ち上げたのか?とか、そもそもお前誰なんだ?とか、これから何していこうか?みたいな話をこれから書いていこうと思います。

ここまで読んでいただいてありがとうございました。

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