04_FF5のジョブシステムと組織設計の話

FF5のジョブシステムと組織設計の話

ドラクエよりFF派の市川です。

突然ですがFF5(ファイナルファンタジー5)のジョブシステムをご存知ですか?非常によくできたシステムでやりこみ要素も多く、当時小学生だった私はすっぴんに☆つくまでやっていました。

で、社会に出た今でも通ずる部分があると感じることが多く、あらためて秀逸だなと思ったので、今回はそのことについて書いてみようと思った次第です。

「知らない」という方は、全部すっ飛ばして一番下まで行ってもらって大丈夫です。また、そもそものシステム説明は書きませんので、わからないけど知りたいぞという方はここを見てください。


秀逸な点①:ジョブ=現代の職種である

FF5のジョブは実社会の職種をもとに作られているのではないかと思っています。

●営業:ナイト、モンク、バーサーカー、忍者
●デジママーケ:黒魔導士
●SNSマーケ:青魔導士
●ライター:吟遊詩人
●広報:風水士
●カスタマーサポート:時魔導士
●エンジニア:召喚士
●財務・経理・法務:白魔導士
●人事:魔獣使い
●採用:狩人

ほら、なんかそんな感じしないですかね?コマンド的には
・たたかう=営業
・攻撃魔法=マーケ
・召喚=開発
・白魔法=バックオフィス
みたいなイメージです。実によくできてます。

ちなみに営業だけ雑にまとめてしまいましたが、元リクの凄腕営業マンNさんはナイト、名古屋の新規営業Yさんはバーサーカー(Lv.99)、ブライダル法人営業のあいつはモンク、みたい感じで個人ごとにイメージは違います。

あと、ものまね師を除きほとんど全員デフォルトで「たたかう」コマンドが入っているじゃないですか?これって要するに基礎的な営業能力・コミュニケーション能力は社会人たるもの全員持ち合わせておけ、っていうメッセージだと思うんですよね。深い。


秀逸な点②:身に着けたアビリティをいつでも使える

過去のジョブで身に着けたアビリティは新しいジョブでもつけることができます。

白魔導士→ナイト、でいけばケアルを使えるナイトになります。

転職が当たり前になってきた現代では、転職後もこれまでのキャリアで身に着けたスキルや経験を活かすことができますよね。

経理→営業、であれば、会計詳しい営業マンになれるはずです。
営業→マーケ、であれば顧客インサイトに詳しいマーケターになれるはずです。

ドラクエ3のダーマ神殿も近いと言えば近いんですが、20種類以上のジョブと100種類以上のアビリティがあり、これほどまでに詳細かつバランスが取れているゲームは他にないと言っていいでしょう。

これも社会環境をよく表しているシステムではないかと思っています。


秀逸な点③:パーティ編成の可能性が無限大

それだけのジョブやアビリティが用意されていれば、当然いろいろなパーティ編成案が考えられます。

①バランス型

ナイト/モンク/黒魔導士/白魔導士

モンクのところを何にするかに多少の違いはあれど、こんな感じのパーティがスタンダードだと思います。物理攻撃もいける、魔法攻撃もいける、回復もOKとバランスが取れています。

メリットは宿屋いかなくてもかなりの回数を戦えること、どういう特性の敵にも対応できることですが、弱点属性を一点突破しなければいけないような(FF3のガルーダのような)敵には不向きです。

②物理攻撃特化型

ナイト/モンク/バーサーカー/忍者

攻撃を受ける前に倒してしまえばOK、行けるところまで行くぞ型のパーティ。Aボタン連打しとけばいいのでコマンド入力が楽、雑魚であれば倒すまでの時間が短いことがメリット。
一方、装備を買うのに金かかる、回復がハイポーションしかできないのが面倒、フェニックスの尾が枯れたら終了のお知らせになってしまうのが難点。

③魔法特化型

赤魔導士/青魔導士/黒魔導士/白魔導士

魔法特化型パーティ、少数派でしょう。装備にそんなにお金が掛からないこと、弱点属性をつけると大ダメージが与えられること、物理防御が高い敵でも大丈夫なことがメリット。アスピル使えれば無限に行けます。
一方、魔法が効かない敵やリフレク使い倒す敵が出てきたら、テレポ以外に方法がないのがデメリット。

④個人趣味特化型

侍/侍/侍/侍

銭投げ艦隊。ずーっと「ぜになげ」押してるだけ。頑張ればネオエクスデスもこれでいけます。

バーサーカー/バーサーカー/バーサーカー/バーサーカー

コマンド不要。レベル上げしたいときに楽ちん。歩いてエンカウントしたら放置でOK。

すっぴん/すっぴん/すっぴん/すっぴん

ストーリーの初期はこれで始まりますが、突き詰めると実はこれが最強(ものまね師説もありますが)。

とまぁこんな感じで様々な組み合わせのパーティを自由自在に作ることができます。よくできたシステムですよね。まとめると、

①実社会とそっくりな豊富なジョブとアビリティ
②身に着けたアビリティを失わない
③パーティの組み合わせ無限大

こんなに無限の可能性を感じられるゲームは当時ほとんどなく、ほんと傑作だと思います。

で、これで終わりではなく、これのパーティとかジョブ編成を考えるのって、実は会社の組織設計でも同じなのでは?というのが今回の本題です。


会社立上げ時の職種編成別メリット・デメリット

次に、実際に会社立ち上げたときにどんな編成があるかも考えてみます。

●バランス型

営業、マーケ、経営、バックオフィスなど、最低限必要なスタッフが整っている状態のスタートアップ。創業時からある程度の資金調達できた場合や、初めから明確にプロダクトが定まっている場合で事業をするならバランス型は合っていると思います。

ただし、尖ったプロダクトや文化がないと対外的にどんな会社なのかが伝わりにくく、また、特に事業の立ち上げ期は万遍なく全員にタスクが落ちてくることなどほとんどないので、バランス型組織なのに業務負担がアンバランス、という状態に陥る可能性が高いのが難しいところ。

●営業特化型

FFで言えば物理攻撃特化型パーティで、起業する場合はこのパターンが一番多いのではないかと思います。何せ創業直後はお金がないですから、「何かを売ってお金を稼げるスキル」は必須。そういう観点でも、他職種と比べて営業の人が独立した、という話が多いような気がします。

営業ばかりで立ち上げた場合、プロダクト形態はさておき最初の売上獲得までは早いと思います(プロダクト制作は外注でも最初は何とかなるし、マーケも最初は紹介などでも何とかなる)。これは初期は大きな強みですよね。ただ、そのフェーズで出来上がったテンションや文化のまま会社が拡大すると魔導士系の人たち(エンジニア)などが拒絶反応を示しやすいのと、足元が弱いので事故が起こりやすい(印象)のが難しいところ。

マーケ特化型

FFで言えば魔導士特化型のパーティで、もともと広告代理店で働いていた人が当時のお客様を引っ張って独立する、この流れでの起業が多いと思います。なので、ほとんどは独立後も同業種というケースですね。

領域にもよりますが、エンジニアやマーケターは現代社会においてかなり重要な機能でありながら希少職種なので、開発や広告運用代行などの外注ニーズが大きく、いわゆる受託事業を開始しやすい(もともとのお客さんとのつながりもあればなおさら)のは大きなメリットです。最初からある程度の売上が見込めるので。

その一方、受託事業で売上が安定してしまうと、そこから新規で事業を立ち上げようとしたときの組織マネジメント転換コストが大きいのが難しいところ。既存リソースを新規に回せば一時的な売上減少が起こり、新規採用すればコスト増加になる。しかもいきなり売上にはならないことが多いので、その間に誰かが苦手領域をやらなければいけないことへの抵抗感が起こりやすいですね。

●個人スキル特化型

起業というよりは個人事業主として活動される方も多いですよね。ブライダルで言えば会社勤めからフリーランスになったウェディングプランナー、エンジニアであれば独立して個人で受託開発、などです。

すべての裁量を自分で持てるので圧倒的に自由度が上がり、好きなことを好きなようにできる反面、仕事がなければ速攻で金欠になりますし、クレームも事務処理もすべて自分でやらないといけないことが難しいところ。

●学生起業

全員すっぴん(アビリティなし)から始まるので伸びしろしかないね!


ちなみに弊社は?

今の弊社のパーティ編成は、

・赤魔導士
・黒魔導士
・黒魔導士(召喚士アビリティLv.6持ち)
・+シルドラ(多数)

こんな感じの魔導士特化型。なお、シルドラは業務委託などで一緒にお仕事をさせていただいている方々のことです。

ちなみに私は赤魔導士。だいたい何でもできますしやってますけど、本職の人と比べると営業もマーケもバックオフィスも全部レベル劣りますね。

狙ってこうしたわけではなく結果的に今こうなっているだけなのですが、広告代理店で働いていて当時のお客さん引っ張ってきたという背景以外で、創業期にここまで魔導士寄りの布陣になっているのってけっこう珍しいんじゃないかなと最近思っています。

あとシルドラ的サポートをしていただいている皆様もありがとうございます。弊社のとても大切な仲間でございます。これからもよろしくお願いします。


で、結局何が言いたいかというと


召喚士(エンジニア)を募集してます!!


最近ありがたいことにエンカウントが順調に増えてまして、採用を考え始めるようになりました。とは言っても、いきなり正規雇用限定で●名簿集しますという感じではなく、

・話聞いてみたい!
・会ってみたい!
・業務委託なら協力できるよー
・副業先探してますー
・一緒に仕事したいです!

などなど、テンションも志望度も問いませんので、ちょっとでもこんな弊社に興味を持っていただけたら、まずはお話しさせてくださいな。

あと、具体的にどんなアビリティを求めているのかは長くなりすぎたのでまた今度書きます(これが本題だったはずなのにな…)。もしそれまで待てない!という感じでしたら個別に連絡ください。

あと、今は募集していませんが、もしそれ以外のジョブ(職種)でも弊社に興味あります!って人も以下のアドレスにメールください。

info@analogy.co.jp

ということで今回は以上です。

ありがとうございました。


おわり

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