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仕事のメリハリのつけ方

市川です。

いつもは弊社の近況についてnote書くことが多いのですが、たまには自分の仕事へのスタンスなどについても少し触れてみようと思います。

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さて、突然ですが「界王拳」ってご存知でしょうか?

界王拳は、鳥山明の漫画『ドラゴンボール』に登場する技の一つ。気を限界まで高めて一時的に戦闘能力を底上げする、いわゆるパワーアップ技。
(出展)ピクシブ百科事典

「一時的に限界以上の力を発揮できる代わりに、猛烈に体力を消耗する必殺技みたいなもの」と理解してもらえれば今回は大丈夫。意図的に出せる火事場の馬鹿力みたいなものです。

●ドラゴンボールで言えば界王拳
●ダイの大冒険で言えばグランドクルスや生命の剣
●ハンターハンターで言えば錬
●パワプロで言えば全力ストレート
●FF6で言えばティナのトランス
●メジャーで言えば海堂戦の茂野吾郎

どれかヒットしたらイメージしやすいかと思いますが、どれもヒットしなかったらそんなもんかと思ってください。

で、こういった「条件付き上限突破した特殊能力の使い方」って、ビジネスのシーンでも実は重要だと思っていて、今回はそんな話です。

アニメだとその技を使っている間に相手を倒しちゃって結果的にそのリスクを負うことなくことが済んでしまうことがほとんどなのですが、現実の世界ではそんなに簡単なことではないのです。


理想的な界王拳の使い方とは?

いきなり結論から書いちゃいますが、最も理想的な使い方は、

使わない

これに尽きます。当たり前です。

肉体的・精神的に大きなダメージを負うリスクを背負ってまでしなければいけない仕事なんて無い方がいいに決まっています。少なくとも私はそう思っています。

ドラゴンボールの例えばかりで恐縮ですが(世代なので)、セル戦のベジータより悟空・悟飯の方がいいと思うんですよね。限界突破してスーパーサイヤ人2に一時的になれるより、常にスーパーサイヤ人を維持できる方がトータルのパフォーマンスは安定するはずです。

ビジネスでも同じで、瞬間的に3徹して猛烈に仕事ができるけどその反動で1週間会社来なくなるなど激烈にパフォーマンス落ちる人より、安定してムラなくパフォーマンスを発揮できる人の方が、トータルで見れば仕事を任せやすいと感じる人が多いでしょう。


とはいえ、その力が必要なタイミングは訪れる

理想的には界王拳を使わずに会社が安定して運営できればそれに越したことはないですが、そんなことばかりも言ってられない状況は必ず訪れます。

●大型案件のコンペがある
●大手クライアントへやっと営業できる機会をもらった
●社運を賭けた新サービスをリリースする
●Googleからペナルティ食らったから解除する(泣)

などなど、「絶対に負けられない戦い」は狙っているかどうかを問わず、まぁまぁな頻度でやってきます。また逆に、まったく波のない経営や業務というのも逆に刺激がなさ過ぎて組織の停滞を招くような気がするので、ある程度は意図的にでもそういう機会を創ったほうがいいでしょう。


どうやってパフォーマンスを上げたらよいか?

では、そういった負けられない戦いを迎えたときに、どうやって界王拳を使えばいいのか?

●そういうフェーズに入ると宣言する
●期限を決める
●なぜ使うのか目的を共有する
●条件やインセンティブを提示する(会社と個人)

なし崩し的にそういう状況に入っていくのでなく、この4つポイントを明らかにして、さぁ始めるぞ、という心掛けが大事だと思います。

例えばコンペなら
・いついつに大手クライアントへのコンペがあるのでここからハードモード入ります!と宣言し、
・期間は1ヶ月で区切り、
・このコンペに勝てば大型受注で全社売上が20%伸びるので、
・だから、もし成功できれば●万円のインセンティブを出します
みたいなのを発動前に明示する、といった具合いです。

要は、何でいつも以上に頑張るの?か、その結果うまくいけばどうなるのか?をきちんと説明してから頑張るよー、って声を掛けなければ、人って頑張れないと思うんですよね。

ここをおろそかにすると、そもそも高いパフォーマンスを発揮できなかったり、途中であれ何で頑張ってんだっけ?みたいなことが起こる可能性が高くなります。

だから、ここに意識を持てるかどうかは大事だと。

それと、もう1つ注意しなければいけないことがあります。


瞬間的なハイパフォーマンスをスタンダードに考えてはいけない

これは1年ちょっと社長をやってきた私の学びというか反省でもあるのですが、特殊期間に発揮したハイパフォーマンスがその人のスタンダードだと思ってはいけない、ということ。

例えば、100mを10秒で走れるところを見てしまったからと言って、それでフルマラソンを走れというのは無理な指示であるっていうのは分かりますよね?

同じく、コンペ前や新サービスリリース前に猛烈に頑張れても、それを毎日普通にできるよね?というのはまた別の話なのです。

にもかかわらず、一度ハイパフォーマンスで活躍する人を見ると、どうしてもそのスピード行けるよね?って思ってしまうんですよね。で、その感覚に基づく業務ディレクションをすると破綻していくというか…。

なので、管理職としての役割を担っている方は、部下に当たるスタッフがどういう背景で発揮したパフォーマンスなのかをしっかりと見なければいけません。そして、業務設計もバランスを見て組まなければいけないと思います。

くれぐれも使いすぎ注意、とメリハリをつける、です。


ハイパフォーマンスを経験することのメリット

最初に「使わない」ことが理想とは言ったものの、これは自分がサラリーマンやっていた時に感じていたことですが、仕事での界王拳を使うと、その後の実力のベースが上がると思うんですよね。

新しいスキルを身につけたり、仕事のそもそものスピード感が上がったりと、短期的に猛烈な体力と精神を削る代わりに、正しく使えれば個人としてもリターンは大きいはずです。

なので、しかるべき頻度やスケジュールで(これが個人によって異なるので難しいところであり、マネジメントの腕の見せどころでもある)、そういう機会をつくっていけるとよいなと。


結論、何が大事なのかというと

まとめます。

●仕事をする上で自分の限界を超えるような機会は一定必要
●ただし、そういう機会になる前にきちんと目的・概要を伝えることが大切
●また、限界突破をする最適な頻度やインターバルは個々人によって違うので、マネジメント層はその見極め力が必要
●当然ながら、条件付きハイパフォーマンスを定常運用時と混同してはいけない

こんな感じです。外コンとか外資金融のように毎日が特殊期間な業界もあるかもしれませんが(私は働いたことないので知りません)、多くの会社や社会人はこういう考えを持っておけると、いい具合に仕事にメリハリをつけられてよいのではないかなと思います。


なお余談ですが、今の弊社は「新サービスローンチ前」なので、絶賛「界王拳モード」に入っております(プレスリリースとかは出しませんので、何やんの?とか気になる人は個別に連絡ください)。

準備期間の今は企画側が、リリース後は営業側がモードに入ると予定しています。そんな中でふとこれってずっと使える力ではないなと思ったので、このnoteを書いてみた次第です。

想定通りに進むといいなぁ。。事業も業務バランスも。


おわり

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