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新生児:生後10日

こんにちは!トレーナーをしている福士です!
乳児の運動発達を、自分の子の成長も振り返りながら書いていこうと思います。

乳児の運動発達~生後10日~特徴
・屈筋優位
・原子反射
・動作
・その他
・まとめ

屈筋優位

生後間もない新生児の四肢の動きはランダムで、片手だけ、片足だけというように分離してコントロールすることができません。

姿勢は主に屈曲していて、カエルのようなポーズをとります。

各関節(肘、股、膝、足)は他動的に伸ばされた時に、元の姿勢に戻そうとする強い屈筋緊張を持っています。

この屈筋緊張は、中枢神経系が胎生期に成熟した結果ではありますが、重力に抵抗したり打ち勝ったりするには十分な筋力がありません。

成長していくにつれて重力への適応や伸筋コントロールの発達によって減少していきます。

効果的な抗重力屈筋コントロールが発達してくるよりも先に、伸筋群の賦活作用によって屈筋群が系統的に伸張されるようになります。


原子反射

安静時の乳児の姿勢は、胎内での姿勢と比べて、頸部、肩、股関節近位部が重力の影響を受けています。
そのため、頭部はより側方へ回旋し、四肢は外旋・外転しています。

頭部が突然後方へ動かされると頸部に固有感覚反応のモロー反射(原子反射)を引き起こし、その結果として勢いよくバンザイをするように上肢の広い外転と伸展、続いて内転と屈曲が起きます。

このモロー反射が見ていて癒されるのですが、これもまた成長とともに消失していきます。

原子反射については別noteで。

動作

新生児は寝ている時間も長いですが、目覚めている間は常に動いています。
特に四肢はランダムに広い可動域で力強く動きます。
この時の動きがのちのち、四つん這いや歩行のような複雑な動きの源になります。

胎児や未熟児における筋緊張は尾~頭の順に発達し、28週目に足部で始まり、37週までに上肢に移行します。
しかし、子どもが生まれ重力に抵抗しなければならなくなったときに、頭~尾の方向に逆転します。
頭部から発達していきます。

頭部の運動はその後の運動発達に重大な影響を持ちます。
頭部の運動を通して脊柱の運動性が始まります。ロコモーションは頭部(詳しく書くと"口")から始まり生命維持に欠かせない重要な運動(栄養を摂ったり、呼吸をするなど)を起こします。


通常、新生児の脊柱は屈曲していて、大人のような生理的湾曲は見られません。
子宮内での肢位、傍脊柱筋の不活動が挙げられます。

新生児における脊柱の運動性は、頸椎や腰椎で制限されています。
胸郭の形態や肋骨の水平位は胸椎の運動を制限します。

頸椎の運動性が高まることで、腹臥位における頭部の挙上や回旋といった機能を生み出し、脊柱の伸筋群~重心の移行などを伴って脊柱の運動性を高めていきます。

その他

座位に引き起こそうとしても力は入りません。
頭部は遅れ、肘関節の伸展に対抗できず、下肢は屈曲位に置かれたままになります。
(ダラーンとした状態です)

座位に置くと、一瞬頭部を挙上しようと試みますが、前方に落ちてしまいます。
背中は丸まってますが、骨盤は垂直で体重を座骨結節に乗せることができます。

完全に起こして立たせると、足を伸ばして体重を乗せることができます。(初期起立)
そのまま前方へ傾けると歩行運動で反応します(自動歩行)
こうした初期起立、自動歩行といった2つの活動は4週前後で不活発になります。

まとめ

新生児は胎内にいた頃の姿勢から、外に出てきて重力にさらされて、重力に適応した姿勢や動きを獲得していきます。

特に動作の部分で触れた、頭部から発達していくということは、大人の運動指導でも重要なことだと感じます。

頭部、頸椎の動きが落ちている状態で運動をしても体の運動性・連動性は上がりにくく、
アクティベーションしてからトレーニングに入るだけでも違いが出ます。


ps.子どもの成長とともに運動発達も見ていくことで勉強になることがとても多いです!子育て最高!

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