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自由だ!

毎日毎日、出社して、通学して、子育てして、自由な時間がもっと欲しいと考える。自由ってなんだ?とふと考えた。僕たちには当たり前のように与えられた自由。それは、言論の自由、職業選択の自由、信仰の自由がある。でも、もっとリアルに僕たち日本人が感じているのは、人間関係や労働からの時間の束縛といった嫌な状態から解放された時に自由と考えている。

嵐が過ぎ去り、香港はどうしているのだろうか?新聞の一面で『香港は死んだ』と大きく報じられていた。黒ベタで塗られたインパクトのある紙面で、大きく掲載されていることに事の重大さを実感した人も多かったのではと思う。僕たち日本人は香港やテクノロジーの進んだ中国の監視社会を横目に見て、『あー、日本は自由で良かった』と胸を撫でる。アメリカを中心に『black matter lives』が叫ばれている。僕たちは『どこか違う宇宙で起きていることのように他人事に考えたりもする』

労働の自由化が進んでいる。フリーランスやギグワークスといった時間や組織に縛られない自由な働き方だ。単位でいうと社会構造の中で生かされているほんの小さな自由であることを実感する。まったく違うこの出来事や現象は、ある一方的な立場からの自由の叫びと、それを容認しない感情から生まれているのではないか?

不自由さの中にある自由

香港はいつから自由を勝ち取っていたのか?
イギリスの植民地のイメージが強いが、1941年には日本は香港を植民地化していた。常に香港は外圧の影響を受けながら、激動の歴史を辿っている。彼らはそんな不自由な世の中に自由を見出してきた。彼らが叫ぶ自由とは何か?政治的な支配が遠のき自由経済のもと発展してくることによって、独自の文化が生まれ育ってきた‥多様性の社会であり中国でもイギリスでも日本でもないエリア。それが香港なのだろう。外圧が生み出した不自由さ、その中において自由が生まれたのだ。

自由はカルチャーを生む

国際的な金融のハブとして栄えた香港は同時に世界に発信するカルチャーを生み出した。日本の江戸時代、200年間の平和がさまざまなカルチャーを生み出したように、香港は伝説の香港映画を世に生み出した。ショーブラザーズはブルースリーをスターにし、ゴールデンハーベストは僕の敬愛するジャッキーチェンをスターダムに伸し上げた。彼らの映画は独自の文化とその変化を娯楽に置き換えて見事にフィルム化している。

香港から嫌われまくるジャッキーチェン

そんな香港の象徴となって生まれた映画界であったが、香港の中国返還後、香港映画界は衰退の一途をたどっていく。特にジャッキーは新中派として、近年は香港から嫌われまくっている。いや、1990年代、香港返還前からジャッキーは香港人に嫌われていた。香港返還前は『東京に住みたい、家を探している』と日本のファンに期待をもたせていたが、数年も経たないうちに、ジャッキーはハリウッドからマーケットを成長前の中国に切り替えていった。広東語の映画は北京語になり、妙な違和感を覚えた。また、その後の数々の失言やスキャンダルから香港人にますます嫌われるジャッキーだが、主体的なマーケットを中国に切り替えたことはビジネス的には大成功であったし、この時期に難しい立場であった、香港芸能界の代表的な立場として新しいビジネスにチャレンジすることを避けれない状況であっただろうし、最近では政治や現状の香港のことなどのコメントに対して香港メディアから相当叩かれているが、そもそもジャッキーは映画人でアクションスターなのだから政治的な見解については、個人の思想のレベルだと思うが‥(やはりジャッキーをかばってしまうが)
とにかくジャッキーでさえ、生かされた自由の中で発言しているだけなのだ。

新型コロナウィルス対策で揺れる自由

中国や韓国に置いてテクノロジーを使った国民監視がウィルス感染拡大を抑制している。日本ではテクノロジーが整備されていないこともあって、国民性や生活習慣で感染拡大を抑え込んでいるストーリーとなっているが、まだまだ山場はやってくるだろう。
今後、デジタルに覆われたアフターデジタル時代が到来する中、個人情報の守秘と自由は両天秤にかけられることなのか?命を天秤にかけて個人情報を守るのだろうか?

自由は社会構造の上に成り立っている

どの国で暮らしても、どの地方で暮らしても、その土地のカルチャーや慣しがある、、そして社外の構造とサイクルがある。自由はまさに、その上に成り立っていることがわかる。
もちろん、その中であった権力者への民衆の戦いは壮絶であったと想像できるしリスペクトしたい。
しかし、香港のように民主的な正義がはっきりとし、国外からも応援されていたにもかかわらず、中国に飲み込まれたことをみると、与えられた社会構造の中でどう自由に生きるのか?を模索するしかないのだろう。

世の中を夢中にさせてくれた
熱い香港映画のパワーを生み出したように
香港の人たちが自由に生かされることを願いたい。

香港に平和を。

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