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どにちオシゴト

石川貴也個人企画
演劇難民ユニット「どにちオシゴト」

5月20日(土)、21日(日)
静岡演劇ぷち図鑑、オムニバス公演に出演いたしました。

◆企画の趣旨
演劇って、本番はもちろん、稽古も土日のことが多いですよね。だから土日に仕事がある人って、本当に演劇がやりずらいんです。
さらに、土日がお仕事→お休みが不定期という場合が多く、平日の稽古もなかなか難しかったり…。

そんな人でも楽しく演劇が出来ちゃうんだから!!ということを実現するために、どにちオシゴトを企画しました。

※その代わり時間はかけますよ(笑)

◆るいかとゆいか
どにちオシゴトのメンバーである、賜未るいかは、サンリミット第3回公演、第4回公演に出演。西澤結華も第4回公演に出演しています。

次の公演である「窓のある部屋に暮らせば」にも出てもらいたい気持ちはあったのですが実現できず…。

というのも、この作品はミュージカルなんです。芝居の手を抜きたくないことは当然として、さらに歌やダンスもあり、合わせの時間も沢山とらないといけない。

となると、土日が仕事のるいかとゆいかには、ちょっと難しいな、だって、他の出演者は土日休みなんだし、稽古の日程が合わない、本人の負担も大きくなるな…と。

そう判断してからも「これで良かったのだろうか」「代わりに何か別の機会を作れないだろうか」と常々思っていたのですが、そんな時ちょうどよくオムニバス公演の話が舞い込んできたんです。

すぐに2人にオファーを出したところ秒で参加を決めてくれ、どにちオシゴトが生まれました。(マジで秒で返事がきました笑)

そこに、劇団ぱんけーきの蒔田ゆうかが友情出演として加わり、本企画はスタートしたのでした。

◆週1回の平日稽古
さて、そんなこんなで始まったどにちオシゴト。
一番の心配は「稽古時間」でした。

平日2回ずつやっていこう…とも思ったのですが、「仕事のあとに稽古」って、体力的に結構大変ですよね。それを週2回って…。

そもそも自分自身の体力がやばいと思ったので、週1回としました。僕は土日に別の稽古なんで…。

※自分が土日おやすみなのに、どにちオシゴトを始めるというのも結構無理があるよな(笑)

平日、週1回。19時30分~。実質90分が芝居の稽古に使える時間。ハッキリいって短い…だから、半年前から稽古をスタートしました。

◆コツコツ基礎トレ
5月後半の本番に向けて、前年12月半ばから稽古開始。そこから4ヶ月間は「基礎トレ」にも時間を割きました。

・筋トレ
・発声
・バレエスクワット
・朗読台本の本読み 等

普段劇団に所属して鍛練を積んでいるわけではないので、貴重な稽古時間を削ってでも基礎トレをやりました。

演劇経験の少ない僕は、基礎トレで何をやるべきなのか…引き出しも少ないんです。だから、色んな方のアドバイスをもとに、自分でも試行錯誤しながらプログラムを作りました。

これが案外効果がありまして、当初に比べれば大分立ち姿や所作がそれらしくなった気がします。

継続って大事ですね。

◆コツコツ、ひたすらコツコツ
シーン作りもコツコツ。とりあえず、サンリミットでは本番3ヶ月前には台本を外すようにしているので、この子達にも「3月からは台本外して稽古!」と伝えたんだと思う、確か。

1回1回の稽古時間が短いので、「今日はあまり進めなかったなぁ」という日があったり、「先週は出来ていたのになぁ、忘れちゃってるな」ということもあったり。

3歩進んで2歩下がる!という言葉がピッタリ。でも、ほら、1歩ずつは前進してるから(笑)いいんですそれで!!!

だって!!半年かけるんですから!!!

◆上手くいかないことも
すべて順調とはいきませんでした。

「時間がない」ということを意識しすぎて、あの子達のペースをガン無視しちゃってたんです。

自分としてはガンガン作っていたつもりでも、実は全然ついてこれてなくて。あぁ、なんて独りよがりな稽古をしていたんだろう…と。猛省。

ほんとメモをとる暇もないくらい、詰め込んでしまっていました。何やってんだよほんと!

◆ディスカッションの場を作った
貴重な稽古を1回潰して、ディスカッションの時間に費やしました。椅子を並べてお菓子を食べながら(笑)

こちらが伝えたいこと、あの子達が考えていること、とことんゆーっくり話しました。

今考えると、ほんと貴重な時間になったな。「急がば回れ」ってことを学んだ。

◆稽古スタイルを変えた
その後は、役者の目の前で稽古を見るようにしました。ほんと目の前で。近すぎてやりにくいんじゃないかってくらい。

演出だからと言って偉そうに座っているんじゃなくて、役者と同じ場所に立って稽古を見た。

良く表情を見て、会話になっていないと感じたら、1度向き合わせて台詞を言わせた。それをやってから元の芝居をやると、不思議と会話になる。

これも新しい発見。

芝居に違和感を感じたら、まずは「どんな気持ちでやってみた?」と聞くようにした。聞いてみると、意外と心のアプローチは合っていたり、むしろそっちの方がいいかも!となることがあった。

「だったらあとは見せ方の問題だね、こうしてみたらどうなる?」と、役者とキャッチボールすることを学んだ。

◆「喝(かつ)」を入れた
確か4月に入るころ。喝を入れました。

「本当はもうガンガン通したいけど、そこまでに至っていないよ」
「セリフ入っていないのなら、もうこれ以上ダメを出さないからね」

結構厳しめに言ってしまったけど、折れるどころか燃えてくれて。

内緒でみんなで集まって稽古したり、リモートで稽古したり。そう、内緒で。別に隠してたわけじゃないと思うけど、マジで何も知らなかったもんなー。

「なんでこっそりやってんの!」と言ったら
「たかやさんをビックリさせたくて」とかマジで溶けちゃうかと思った。

ほんと、良い子達です。

◆結局頼っちゃう
今回はあくまで個人企画としてやりました。でも結局、ムーブメントも自分だけじゃ厳しくて、藤田を呼んで助けてもらっちゃったし。

バス停作ってもらったりとか、稽古場とってもらったりとか、その辺真衣さんに頼ってしまって。そもそも照明オペやってもらったし、前日の仕込みお願いしちゃったし。

当たり前だけど、一人では何もできないなーと、再確認。いつもありがとう。

◆ゆうか
いや、マジでありがとう。どれだけ助けられたか分からない。君を選んで正解だった。

役者としてはもちろん、精神的にもるいか&ゆいかを引っ張ってくれたのは君です。

頼りない演出を本当に支えてくれた!
(次は清純派をやってほしい)

◆るいか&ゆいか
こんなセリフ量、多分初めてだったよね。良く頑張った!!

どうだったかな。楽しんでくれてたら嬉しいけど。今後はどうするのかな。

良かったらまた一緒にやらせてね!

◆さいごに
るいか&ゆいかの為に企画したのだけど、結局自分にとっての素晴らしい企画になってしまった。

忙しいからこそ、普段芝居をやっていない2人だからこそ、いろんな試行錯誤をする。ていうか、みんなが前向きだからこそ、試行錯誤したくなる!

ほんと良い経験になってしまった。
ありがとうみんな、大好き。

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