見出し画像

『4日目』7月17日の日記

絶対にこんなことをしている場合じゃないのだが、日記療法だとでも思って綴らせてほしい。現在進行形で不安障害に襲われて、寒くて気持ち悪くて胃が痛い。この原因は先程書いた通り、不安障害だ。突然どうしようもない不安に襲われて、世界の全てが怖くなる。息する事すら嫌になり、心臓がうるさくなる。
これを、健常者に伝えるにはどうすれば良いのだろう。不安になり動けない、なんて伝わらない。何に不安なのかと問われても、全てとしか言いようがない。薬に頼って眠ることが一番なのだ。
気分が落ち込む話はここまでにして。私は所謂陰キャぼっちだったが、友達には恵まれていた。16歳で出会った友人と今でもバカ話出来たり、誕生日を祝ったり、同じゲームをやって近況報告をしたりしている。そのうちの1人は結婚したが、距離感は変わらない……どころか手紙を送ってから少し近くなった気さえする。親友と名乗っても烏滸がましくないのでは? なんて、勝手に思ったり。もう1人はバカ話に付き合ってくれる遠距離の友人だ。兄がトランスジェンダーだったため、性的嗜好が曖昧な私にも寛容で、猥談にも付き合ってくれる良いやつだ。一応隠してるはずの性癖も「僕は読まないけど人の性癖には口を出さないよ」と気を遣ってくれている。出来た友達だ。最近は連絡が取れなくなってしまった友人も居るが、いつかFateの舞台挨拶付き公開上映のあと、なんとなく4人共通ラインに送ったら全員が別の場所で見ていたというから面白かった、という出来事もあった。
さて。私の数少ない特技に「布教活動」がある。決して怪しい宗教やマルチなどではない。好きな作品を人にも認知してほしい、だ。
中学では友人で読んでない人の方が少ないほどデュラララ!! を布教したし、高校では存在すら知らなかったFateを布教して、今ではFGOフェスに行くほどの友人になったり、私が勧めたい本は外れがない、と約80冊の漫画を買ってくれた友人だったり。自分の利益にはならないが、他人が自分が良いと思ったものを良いと思ってくれるのは嬉しいことだ。まあ、布教によって当人達のマネーが減ってることは目を瞑ろう。金のかからないアニメとかも薦めるため許してほしい。胡散臭い話のようになるが、これが成功する理由はいくつかある。相手の趣味を知っているかと、共通点を見出せるか、好奇心を刺激できるか、だ。読書が好きならノベライズを薦めよう、気になってくれたならアニメをどれから見たら良いか教えよう。あの本が好きと言っていたから王道が好きなのだろう、ならばドストレートでコマ作りの上手い作品をお勧めしよう。この作品に出てくるメインキャラクターとこの人の名前が同じなんだ、同じ名前で別の世界を生きるこの人の人生を見てみたくないか? いつもは漫画版を読んでいるなら、騙されたと思ってアニメも見てみないか、補完されている部分や映像のクオリティ、声優さんの声で世界が広がるんだ。などなど。
書き出してみると詐欺師のようだ。こじつけや詭弁をつらつらと並べ立てるのは、西尾維新のせいにしたいところだ。
薬を頼らないと生きていけないような人間の感性を、未だに信じてくれる人がいる。やるからには全力のエンターテイメントをしたいと思い、相手に嫌われるかもしれないギリギリの綱渡りをする馬鹿に付き合ってくれる友人がいる。そのせいで、私は死に時を逃してしまったのだ。
きっと、私が死んでもこの大切な友人達に連絡が行くことはないだろう。何もかもが終わって、やっと知るのだろう。それがどうしようもなく嬉しい。だから私はこの友人達の連絡先を秘密にして、いつかこの世を去るのだ。詐欺師とは、詭弁師とは、最悪なのだから。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?