大阪にゃ~そく通信(9月23日)
こんばんにゃ。続いて今日の大阪のにゃ~そくにゃ。遅くなってごめんにゃ。
今日もおまけがあるにゃ。今日のおまけが読みたい人は、「6)おまけ3:欧米との比較」に飛んで下さいにゃ。昨日と一昨日のおまけもそのまま残して居ますにゃ。
1)今日の大阪府の陽性者数
今日(9月23日)の陽性者数は540人でしたにゃ。先週の木曜日(9月16日)の858人から318人の減少。減少率は37.1%でしたにゃ。
重症者数は173人。早くみんな回復して欲しい。
明日(9月24日)の陽性者数は300人から700人を予想していますにゃ。
22日連続で、先週比で減少してますにゃ。このペースで減少して欲しいにゃ。
次に陽性者数が上昇するのは、10月末頃から11月初旬頃になると考えられますにゃ。それまでに冬の医療体制を整えることが重要にゃ。一般的にコロナウイルスは冬に流行するものにゃ。新型コロナウイルスも例外ではないと思いますにゃ。確かに夏にも流行したのにゃけど、本格的流行はやはり冬と考えられますにゃ。
2)PCRと抗原検査
呼吸器疾患を起こすヒトコロナウイルスは同じものでも何度も感染するものにゃ。ワクチンを接種してもその感染予防効果は一時的ですにゃ。ただ、ワクチンの重症化予防効果は長く続くと思うにゃ。しかし、PCRで検査を進める限り、陽性者数はこの冬はかなり多くなりそうにゃ。
確かにPCRは感度が高くて便利なものにゃけど、高価な機器が必要で、個人ではできない。それなりにコストもかかりますにゃ。抗原検査は感度が低いのにゃけど、一人でも出来るという利点がありますにゃ。抗原検査キットはドラッグストアで売っているものもあるのにゃけど、性能検査は国が行っていにゃいので、どこまで正確かどうかはわからにゃい。今、国から認められている抗原検査キットはとても高い(7,000円以上する)し、市販されていにゃいのにゃけど、それでも偽陽性(陰性なのに陽性と判定される場合)はあるようですにゃ。市販のキットを陰性証明に用いることは現段階ではできにゃい。
実は抗原検査キットの製造原価はみんなが思っているよりもはるかに安いものですにゃ。国内でも生産できるし、抗体を用意できれば、海外で安くキットを作ることも可能にゃ。ただ、性能検査や認可を得るまでの手続きのお金がかかるので、その分価格が高くなっていますにゃ。それを国が肩代わりして、製造原価相当の500円程度で安価な抗原検査キットを一般供給ができるようになったら、イベントの直前や飲み会の前に自主検査ができるから良いのではないかと、昨年からにゃんこも、にゃんこの同居人も主張しているにゃけど、なかなか声は届かにゃい。これができれば、同居人も介護施設の両親に会えるのにと思って、にゃんこも悲しくなりますにゃ。
3)予防接種済証と陰性証明書パッケージの限界
病院に行ってPCR検査してもらって「陰性証明書」を発行してもらうとなると、現実的な運用はかなり難しいと思うにゃ。陰性証明書発行までに時間(数日程度)がかかったら、まったく意味がないことにゃ。陰性証明書の有効期限は、検査するためにサンプルを採取した当日と翌日程度にゃ。
「予防接種済証」に意味がないことはにゃんこ組はわかっていると思うにゃ。とにかく、人はまったくわからないことをするから、にゃんこはビックリするにゃ。もともと人は論理的だと思ったのにゃけど、にゃにかが邪魔をして論理的思考を歪めているのだと思うにゃ。たぶん、論理的思考と言うよりもその他の理由があるとは思うけれど。
お注射は必要な人だけ接種すればいい話であって、リスクとベネフィットを天秤にかけて、接種するかどうかを決めれば良いことにゃ。Zone 4にいる健康な人はお注射は基本的に不要と思いますにゃ。目玉焼き理論と1/100作戦が広まることをにゃんこも祈っていますにゃ。
4)おまけ1:目玉焼きモデルが生まれた背景
目玉焼きモデルが生まれた背景を説明しますにゃ。自動翻訳ソフトで人の言葉に翻訳したにゃ。
現在主流の感染予測モデルであるSIRモデルやSEIRモデルにおいては、集団中に感染者が一定の割合に達しない限り、収束しない。そのために、ハンマー&ダンスという施策が提唱されている。
ハンマー&ダンスとは、感染者数が増加している時は、休業要請や不要不急の外出自粛要請といったハンマーで叩くような強い施策を行い、減少している時はダンスを踊るような緩やかな施策を行うという考え方である。フランスのトーマス・プエヨ(Tomas Pueyo)が提唱した。
ハンマー&ダンスは、1人の感染者が何人に感染させるかを表す「実効再生産数(Rt)」に注目し、ハンマーの時期とダンスの時期を分ける。SARS-CoV-2の基本再生産数(R0)値を約2.5として計算した場合、SARS-CoV-2が流行している時は実効再生産数を0.5まで下げることが必要で、人との接触機会を80%減らさなければならないということになる。一方、ダンスの時期においては、実効再生産数が1を超えないようにすることが求められている。つまり、人との接触機会を60%以上減らさなければならないということになる。
多くの国ではこの試算に基づき政策が決定されてきた。しかしながら、多くの国では予想された結果にはならなかった。いずれも「自然減」という現象が起こっていた。
残念ながらこれらのモデルと政策では、大きな視点が抜けている。人は知的な生き物であり、知識や手段によって感染のリスクを極限まで回避することができる。ウイルス感染予防の啓発によって感染を回避できれば、何も接触機会を80%減らさなくても、ハンマー&ダンスの効果は容易に得られる。
もう一つ、SIRモデルとSEIRモデルの大きな欠点は、集団中のRの値が一定であることを前提にしている。しかし、疫学調査では、そのようなことはない。例えば、このウイルスが呼気中から排出され、空気感染し、感染予防手段が困難であれば、そうなのかも知れないが、このウイルスの感染経路は明確であり、しかもそれらは十分に知識と簡単な予防法で回避できるのである。そのような場合、感染が起こる場面は限定されている。私が気づいたことは、極めて当たり前のことであるが、以下のことである。「SARS-CoV-2の感染拡大する場所は限られている。」「SARS-CoV-2が感染しない場面ではめったに感染しない。」ということである。このことは、大阪府のクラスター班の調査でも明らかであった。感染クラスターを追跡しても、4次感染で感染の連鎖は終わっていた。このことは、感染が起こる「場面とエリア」で感染し、感染が起こりにくい場面・エリアで感染が収束するということである。私はこの考えを視覚化することを試み、「目玉焼き(同心円)モデル」を提唱し、YouTubeで公開した。さらに実験医学増刊Vol.39 No.2「パンデミック時代の感染症研究」(2021年1月20日発行)で総説として公開した。https://www.yodosha.co.jp/yodobook/book/9784758103923/200.html
5)おまけ2:目玉焼き(同心円)モデル
引き続いて目玉焼きモデルを説明しますにゃ。これも自動翻訳ソフトで人の言葉に翻訳したにゃ。
目玉焼きモデルでは、同心円状に5つのエリア(ゾーンZone)を設けている。ゾーン1(Z1)と2(Z2)のRtの値は1を超え、ひとたび感染者が発生すると感染は拡大する。一方、ゾーン3(Z3)からゾーン5(Z5)のRtの値は1未満であり、感染は拡大しない。目玉焼きモデルでは、Z1とZ2が黄身の部分に、Z3からZ5は白身の部分に該当する。
白身の部分に感染者が侵入したとしても、感染はほとんど拡散せず、やがて感染は収束する。一方、黄身の部分に感染者が侵入すれば、感染拡大が起こる。しかし、黄身の部分で集団免疫が成立すると黄身の部分での感染は収束する。なお、感染者は一つのゾーンに留まっているのではなく、他のゾーンにも移動しうる。
Rtの値はZ1からZ5にかけて連続的に減少していく。仮に「場面・エリア」でRtの値が0(Z5)から5程度(Z1)の間を変動するとする。ここでは便宜的に、Z1をRt値が2以上5程度、Z2をRt値が1以上2未満、Z3をRt値が0.05から1、Z4をRt値が0から0.05、Z5をRt値が0と定義する。Z1は特殊な接待を伴う特殊な夜の街で働く人々ならびにそこに頻繁に訪れる人。Z2は感染制御がしにくい集団生活者、かなり騒がしい飲食店、カラオケなど。Z3は一般飲食店を含む一般生活。Z4は感染予防策(1/100作戦など)を熟知していて実践している人。Z5はStay Home作戦で自宅やホテル・民宿に巣籠もりしていている人が代表的な「場面とエリア」になるだろう。
Z1-Z2のRtの値は1を超えるので、そこにウイルスを伝達可能な感染者が入るとそのゾーンで感染が拡大する。しかし、Z1-Z2で感染が広がり集団免疫が成立すると、そのゾーンでの感染は収まる。感染者はZ3やZ4にも移動しZ3やZ4に飛び火するが、たとえZ1-Z2からZ3-Z4に感染が広がったとしても、感染はやがて収束する。
この仮説は、大阪府のクラスター追跡から得られた知見(最大4次感染でリンクは切れる)とも合致する。感染拡大時にはZ1とZ2のRt値を測定するので狼狽するのであるが、あくまでもRt値は場面とエリアによって大きく異なるので、Z1からZ5全体で集団免疫が成立せずとも感染拡大はZ3内で収束するのである。
6)おまけ3:欧米との比較
引き続いて欧米と日本の比較をしますにゃ。
R0が2.5とされる欧米においても、感染が集団免疫成立以前に収束するのは、欧米においてもZ3-Z5(白身の部分)がある程度広いと考えられる。
この目玉焼き理論に基づけば、欧米と日本の感染拡大の違いも容易に説明出来る。まず欧米では、日本とは生活様式が異なり、SARS-CoV-2の感染が広がりやすい環境にある。このウイルスは唾液や喀痰、咳に含まれて拡大する。発症すると病院に隔離されたり、自宅に籠もるようになるため、発症後は感染はそれほど拡大しないだろう。しかし、発症前数日は、唾液中に十分な感染性ウイルス量が存在し、感染者が無症状のまま通常の生活を送るために、他の人に感染させる確率が増大する。欧米においては、マスクをして会話することを強制しにくい慣習がある。手を洗ったり、お手ふきを使用する習慣もない。お風呂やシャワーを浴びるのも毎日ではなく、土足で家の中に上がりカーペットに寝転がり、時にはベッドにも土足で寝転がる。犯罪率が高いエリアでは、窓がまったく開かない構造になっており換気がほとんどできない。パブや飲食店などでアルコールを飲む機会が多く、換気の悪いところで長時間過ごす。肺活量も高く、言語も唾液を飛ばし易い破裂音が多い。社交的であり、パーティが日常的である等々、SARS-CoV-2が広がり易い生活をしている。初期のイタリア・スペインでの感染爆発は、サッカーの試合の観戦(競技場やパブでの大騒ぎ)が原因と考えられている。
一見、衛生的に見られる欧米もSARS-CoV-2の感染が広がり易い環境であることは、英国で現時の人と暮らした経験がある同居人には理解できる。もちろん、BCG仮説やファクターX仮説もあるが、私は欧米で感染が拡大しやすいのは、生活習慣の違いが大きな原因と考えている。とはいうものの、欧米においても、感染を警戒し感染予防を積極的に行う人集団も一定数おり、Z3-Z5の部分もある程度大きいため、感染は集団全体が集団免疫を獲得するまで広がらず、収束するのであろう。
おやすみにゃ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?