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暮らしはルールで彫刻されている:ルール?展

平日に休暇を取って訪れた21-21は、法律的な観点が軸足の内容なのに、意外にも20代な方の熱気で一杯だった。

堅くて難しくなりがちなテーマについて、本展示はとても世界に入りやすく設計してあった。記憶に残った展示について下記に記す。

マイルールスタンプ
入り口すぐにスタンプ台があり、そこでは独自のルールが書かれた道路標識のスタンプをパンフレットに押すことができる。パンフレットには「YOUR RULES」と記載があり、本展示において自分のルールを自分で決める体験が提供される。僕は「基本原則:笑顔でいること」を押しておいた。

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21-21建築のルール

歩いていると21-21の建物に様々な注釈が付与されていることに気がつく。階段の角度の設定理由だったり、手すりの高さの違いの理由など、普段だと意識しない構造に理由があることを知り、「お、これも設計、ルールか…確かにな」と思わせられる。(この壁に貼ってある白い四角いのがそれ)

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メインヴィジュアルに潜んでたルール

本展示のメインヴィジュアルにある様々なモノに関するルールをパネルで紹介。法律的なものから慣習的なものまで、私たちは実に様々なルールに基づいて物を選んだり行動していると気付かされる。これがARで日常的に見えたりしたら忙しくてたまらないね。僕らは無意識でこの情報処理をしているということだから脳ってすごい。

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街を作る私たちのマイルール

人数限定で体験できる「あなたでなければ、誰が?」という展示では、体験者に対して民主主義の基礎に関する質問が投げかけられる。その質問に対して参加者は、センサーで2〜4分割された空間に自分が移動して投票する。これを10回ほど繰り返し、自分たちの回答と、これまでにこの投票に参加した人たちの傾向との差異を見るのが展示の概要。現実の投票とは違って面白い点としては、投票する際に「はい」や「いいえ」に移動する人の姿が見えること。そうなると、その場にいる人達に対して「そういう考え方をするんだ」とか「あれ、あっち多いな」と心が揺れて自分もそっちに移動しそうになったりするw もちろん踏みとどまるんだけど、現実の投票がリアルタイムに見える化したり、どっちに投票した人なのかを知ることができたらどうなる・・・?と考えさせられた。そして一番体験として大きかったのは、この展示のテーマである「多数決」は弱い立場を救わない、ということを身を持って体感したこと。なかなかガックリさせられる。個人的にはこの展示はオススメだし、学校の授業に入れてほしい。ちなみに体験時間は14分なので、まあまあ待ちます。

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見えないルールに合わせて暮らす私たち

全体の展示の最後の方に「ルールが見えない四角が行く」という作品がある。本企画展を集約して体現している作品が私はこれだと思っている。目の前では白い箱がいろんな角度にパタンパタンと倒れているだけなのだが、タブレットの映像を見ると、実は白い箱は前後左右から迫ってくる白い壁の穴に合わせて体勢を変え、壁に当たらない様にしていたことがわかる。現実では見えない白い壁=ルール。私たちの生活は見えないが確実にある法律から週間までの様々なルールによって形作られてることを、この小さくミニマルな作品は雄弁に語ってくれていた。

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個人的な「ルール」に関する強烈な体験と言えば、コロナ禍の直前に行った深圳旅行のことを思い出す。街中はもちろん、公園の中にまで監視カメラが多数設置されているのは有名な話だけど、ある繁華街で一車線分の横断歩道に信号があることに気づかずに私が渡ろうとしたら、ガイドの方に「赤ですよ、ダメです、全部記録されます。個人に紐付きます。だから誰も渡らないんです」と真剣に言われて驚いた。ルールが違うことで、社会の成り立ちは大きく変わるもの。私たちはこれからどんなルールを設計し、どんなルールを壊していくことで、新しい暮らし、良いと感じる暮らしを創造していくのか。ルールについて意識的になることの大切さを体験できる良い展示だった。

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