タイトル

純米酒選択の障壁

ブランド向上には、ストーリー(質)と情報量(量)が必要

みなさんこんにちは。河内山(こうちやま)です。
前回は純米酒を取り囲む問題と解決に向けた僕の行動宣言をまとめました。

今回は、宣言で記載した純米酒ファンを増やす際に感じる

大きな障壁

に関してまとめてみました。
一人の飲み手として書いておりますので、純米酒無関心・初心者の方、美味しい純米酒を飲み続けたい方にもご一読頂けると幸いです。

目次
1.はじめに
2.仮説 ファーストアプローチ
3.ヒタイショウセイ
4.解決策
5.そして使う
6.お店にもメリット
7.まとめ

2.仮説 ファーストアプローチ
 昨年より社内外で非定期で日本酒勉強会開催しています。当初の開催目的は自分への学習と日頃お世話になっている方への恩返しでしたが、2,3回と繰り返すうちに徐々に活動の源泉が変わってきました

純米酒へのファーストアプローチの場になれないか

これ何?と思われる方がほとんどだと思われます。少し掘り下げてみます。
純米酒を推す立場になった時、本当に苦労したのが純米酒の情報です。色々な業界や製品事情はあると思いますがここまで買い手が情報を集めるのに苦労する業界もないなと感じました。情報を集め選択する場としてファーストアプローチの可能性はもっと広げないといけないと強く認識してます

3.ヒタイショウセイ
 日常の中で、純米酒の存在に触れる時ってどんな時でしょうか?

「お酒を飲むぞモード」以外の時ですと、スーパーやデパートのお酒コーナーなど訪れる方が多いですよね。その時はほぼ、

”ほぼアルコールがない状態”(当たり前ですよね)

となります。勿論、この状態で蔵元さんが丹精込めた純米酒を選択される事は本当にうれしいはず。

しかし選択されるには大きな壁があります。純米酒は、嗜好品のため先ず味を知らないと購買判断がされにくいという事実です。

どこかでお酒を試す機会がないと中々選択されないという事実があります。
デパートの地下、地域特産展や物産展、多くのイベントや店棚はずらっと並ぶお酒が揃っているだけ。(試飲用のお試し酒ありますけど機会少ない)

これって凄い機会損失と思いませんか?

飲まないでも伝える情報は多くあります
銘柄、蔵元、県、純米酒、エピソード、強いこだわり…

もっともっと鮮度の良い情報を提供し飲んでない方にアピールしないといけないはずです。私の知る範囲で、買い手に優しいお店 浜松気賀・大村屋酒店さんの札をご覧ください

短い文脈に推しの一言がぎっしり書かれています。ここなんです。いい純米酒を造ってもここまで推さないと飲んでない人には伝わらないはず。

大きな壁 純米酒の認知を遮る情報の非対称性

情報の非対称性(じょうほうのひたいしょうせい、英: information asymmetry)
市場における各取引主体が保有する情報に差がある時の不均等な情報構造。「売り手」と「買い手」の間において、「売り手」のみが専門知識と情報を有し、「買い手」はそれを知らないというように、双方で情報と知識の共有ができていない状態のことを指す。情報の非対称性があるとき、一般に市場の失敗が生じパレート効率的な結果が実現できなくなる(参考 Wikipedia)

情報の非対称性解消には前述の問題があります

”ほぼアルコールがない状態”での純米酒選び
情報開示の少ない純米酒販売

2つがネックになり選択されない悪いジレンマに入るという構造になっている事に気付きます。解消のためには販売店の努力(情報満載のエフ)もありますが買い手である私達も自発的に実行できる解決策やアイデアがあります

4.解決策
 解決のヒントは、この情報の非対称性の解消です。自発的取り組みと増えると良いと考えるアイデアを紹介します

駅の角打ち
情報の集約・発信の起点になる駅の利用です。特にお土産、帰路のお供として選択される新幹線の駅はもっと活用されるべきです

選択を増やす企業内勉強会
法人需要ってとても軽視されています。お祝いの品が無選択でワインになってる気がします。選択者に純米酒を認識してもらえば変わるはずですよね

ラベル買いを推す店棚
銘柄、歴史、こだわりばかりを追うと重くなり敬遠されがち。そこで提案するのは純米酒をラベルだけで軽く選んでしまう、いわゆるラベル買いです。
LPレコードのジャケット買いと同じ発想です。どうですか、こんなラベル


5.そして使う
 解決策はもっと多くあると思いますが、ある程度自分で持てたら、実践・試しに利用してみる。純米酒飲んでみる。ラベルだけで購入してみる事をおすすめします。
一つ一つは小さな事でも認知の輪が広がれば、選択肢を持ったユーザーが少しづつ、しっかりとした造りのプロセスをもつ純米酒のファンは増えると考えます。これができれば純米酒を介し普段と違うネットワークができるはず

6.お店にもメリット
 選択肢をもったファンは、初心者とはいえ「自分の型(かた)」を持ちます。その型に対してお店の方が広がる純米酒の世界を道先案内して頂ければファンの方にとって、型に合う純米酒と素敵な出会いができると共に異なる型の出会いで道が広がると考えます

7.まとめ
 美味しい純米酒、雰囲気の良い蔵元の純米酒そして個人の嗜好で選択される純米酒...選ぶ理由は異なっても良い品が多くの人に届く事はとても素晴らしい事です。一方、業界が抱える構造的ジレンマで届かないのは悲しい事です。海外の方は日本語が分からない事と共にジレンマの理由が分からないので良い純米酒をどんどん買っていきます。日本が誇る純米酒を日本の国民が知らないのは、どうかと考えます。蔵元、販売店、買い手個人どのレベルでも努力すればこのジレンマに立ち向かえます。小さくても良いので一歩踏み出してはいかがでしょうか?

今後も1日でも長くおいしい純米酒を楽しむために活動していきます。
引き続きよろしくお願いします。



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河内山  貴志/Takashi Kouchiyama
純米酒初心者にとどけ。飲んだ事ない・銘柄知らない・好きじゃない人大歓迎。遅咲きの純米酒野郎🍶が考え・見つけた魅力をガンガン情報発信してます。ソフトバンク→富士ゼロックスで製造業の課題解決支援をしつつ、獲得したノウハウをどんどん純米酒ブランド向上に使ってます。