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ボクらの時代〜中村児太郎×坂東玉三郎×ATSUSHI〜


とてもとても上品な3人。
見ていて背筋が伸びました。

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舞台に立つことの多い御三方。
人前に出るお仕事だが、あまり最初から得意ではなかったそう。

今でもだましだまし。
またお客様にはもちろん一切悟らせないように振る舞う。

プロだな。。。


今でも舞台前は、「嫌だなあ」と思うのだそう。
ここでも、変な意味でなくてねと付け加えが入るのがすごく言葉の使い方が綺麗。

そういった時は、


「天」


と玉三郎は思うのだそう。

自分では何も及ばない力に動かされている、導かれている。


.......言語化するとそういった様子だと思う。

なんとなく想像はできる。
わからないけど、わかる。
わかるけど、わからない。

でもそれを身をもって体感できているのが違う。
そういった捉え方ができる時は到来するのだろうか。
そういった境地に達している方が本当にいるのね。


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他にも「休む」という話のテーマがあった。


ATSUSHIは昔はオンとオフが激かったそう。
オンの時には、緊張するから前日にお酒を飲んで自分をだましていたりすることもあったらしい。

それではダメだと、オフの時にも仕事のことを考えるようにしたと。

そこで玉三郎さんが一言。
「本当に力を抜いたオフも必要よ」

玉三郎さんは45際の頃、70日間休んだ。

「休んで下さい」
「休むことを勉強して下さい」

と言われた。

休んだ結果、
「ゆったりものが見れるようになる」

そう言っていた。


「常に成長しないと衰えると思うでしょう。そんなことないの。
肉体的なものは、衰えるけど、魂は衰えない」

そう言われてなんだか救われた気がする。

ずっとチャッチャカ全力投球しないと、周りからは遅れてしまうし、
何もついていけなくなると思っていた。

終業後でも土日でも、否が応でも仕事のことが頭をよぎる。
正直しんどい。
周りからも気を抜くようアドバイスを貰うが、なかなか抜けない。


まだ20代。
周囲は目まぐるしく変化していっている。
全然ゆっくりなんて進んでない。
どこかでエネルギーが余ってるし、全力投球できていないんじゃないかという不安。
そして、前の見えない不安。

でも、そうして引っ詰めていると、いつか糸の緊張が切れそうで怖い。

いつも何かに怯えている。

少しは休んでいいよ、そう言われた気がした。


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終始ずっと日本語の使用が丁寧で上品な御三方でした。

何より謙虚。
「教えるって訳ではないけれど」
「アドバイスというのはおこがましいですが、、、」

押し付けない。
教えるということも、アドバイス、この場合アドバイスを頂くということも、思えば随分傲慢なことなのだなと思った。
普段その意識は皆無だけれど。

その意識を持って普段から話をしないと、なかなか出てこない言葉。


今回気になったのは中村児太郎さんの立ち位置。
正直歌舞伎には疎いので、中村児太郎さんの功績はわからないけれど、終始玉三郎さんをたてているように見えた。

玉三郎さんから色んなことを吸収したいというATSUSHI。
他世界のATSUSHIの話に興味を持つ玉三郎さん。(その中でも、話をしている人の方に姿勢を向け、じっと見て真意を汲み取ろうという姿勢がヒシヒシと伝わった)

そのお2人の関係を壊さないように、かつ、玉三郎さんをたてながら、2人を取り持ち、自分の考えを伝えていく。

我が我がとならずに、またそういった2人の関係に邪魔をしないという立ち位置に見えた。
それもまた凄い。

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