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復刻版功罪

時は平成から令和に移り変わる極。

テレビやネット、ラジオでもこの元号改元の話題で持ちきりだ。

順じて平成を振り返るだの、いっそ昭和から振り返るだの、さまざまな企画でまんまと僕ら夫婦はキャッキャ言っている。


今日、世界のツルヤにてビールを選ぶ段になった時、ハッと目に留まったので思わずビキってみた。

ヱビスビール 復刻特製ヱビス

これは、昭和47年に復活販売させた当時の製法を復刻させた逸品だとの事。

グラスに注ぎ、いざゴックン❤︎

に、、苦い。苦いぞ。。

まず舌の上には苦味が来る。
その次にジュワッとコクが広がる。
暫くそのコクと香りが残り、奥の方から余韻として甘みが浮き上がってくる。

スタイルとしては今も昔もラガータイプ。

ただ、今の主流である「キレ」や「喉越し」に関しては、やや少ない気もする。
というか、設計段階からそんな物考えてないのかも。

今のヱビスを花形満とすれば、
復刻版ヱビスは左門豊作の如し。


勘違いして欲しくないのは、これはどちらも良しだという事ね。

功罪あると思う。

復刻版と言うのは、当時の製法を忠実に再現する物。
良かろうが悪かろうが、復刻版とはそう言うものだ。

当時よりも進化して然るべきは、ヱビスビール。
永く続くブランドなので、至極当然の話。

この復刻版のテイスト自体、今のヱビスよりも物足りないが、ヱビス復活の当時の味を愉しむ事を目的に販売しているのだろうから、コレはコレで美味いのだ。

この復刻版を飲んだビールのビギナーである若い衆が、
「やっぱビールは合わない」
と安直に考える事も、リスクとしてある。
それ程、この復刻版ヱビスの味は、言ってみれば古くさい味だった。

ただ敢えてこの復刻版ヱビスを発売したサッポロビールは素晴らしい。

古の昭和を旅した気になれる。

「母さんただいま、はい、これ。今月の給料」
「おかえりなさい、ご苦労様。ビール冷やしてあるわよ」
「おっ、ありがと。じゃぁ一杯やるか」

なんかこんな感じ。
窓開けて、乾き物を肴にTVでナイター観てる、そんな時代のビール。

願わくば、これを瓶でも出して欲しかった。
瓶であれば、格段に時代背景をトリップしやすい。

クラフトビールも大好きだけれど、こういうのもなかなかオツなものダネ。

もうすぐ改元。
どんなビールで締めくくり、
どんなビールで出迎えようか。



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