20241208Nikon系YouTuber『勝手にファンみぃてぃんぐ』
今日は、夕方、ProGrade Digitalの日本代表の方が来てるので、先日新調したメモリーカード関連でお世話になったのでご挨拶がてら顔を出してきた。(新調したメモリーカードに関してはまだnote記事書く準備ができていないので後ほど)
ProGrade Digital
日本法人代表の大木さんとお話した内容を差し障りない範囲で一部(ライブ撮影/カメコ自体は機材が高額な割にはカメラ業界としてはマイナーな分野なので、現場の声(メモリーカード関連では割とヘビーユーザーな自分からの要望とかライブ撮影の現状など)の話を中心に。
CFexpress Type-B
ライブ撮影で大容量のカードを使う場合に問題になるのがやはりギガ単価の問題だ。
pSLCメモリを搭載してSDカードとしては一番速いコバルトの512GBのSDカードはセールでも1枚62000円くらいしてかなり高額な割にCFexpress系のカードと比べるとそこまで速くなく、容量面でもProGrade DigitalからV90グレードの512GBが出ているくらいで他社の最上位グレードのSDカードは256GBが最大容量のメーカーばっかりで1枚あたりの容量が少なくカード交換がめんどくさいという難点がある。(SDカードの512GBも時々使い切ることがあるので決して1枚で100%安心して使える容量ではないし、今からもう1枚新調するにはコスパ悪いし、SDカード自体速度で足を引っ張って連写をし続けたときに連写が止まる原因になるので自分としてはデュアルCFepxress Type-B以外にハイエンドの連写マシンの未来はないと考えている)
CFexpress Type-Bのカードでは512GBが3万円くらいで購入できてSDカードの半分以下のコストで使えて、速度面でもライブ撮影では無限連写ができるし、1枚あたりの容量も2TBまで選ぶことができるのでカード交換なしで撮り続けることができるしで、現状一番優れた規格だなと考えている。
EOS R1
自分もそのうち購入予定だし、Canonユーザーとしては気になるのはやはりEOS R1だ。
EOS R3ではCFexpress+SDのデュアルスロットだったのでSDカードの単価や速度の問題でSDカードにJpegで書き込むことも多くデュアルスロットでも全撮影を両方ともRAWで記録できているわけではなかったので万が一メインカードのCFexpressカードが破損したらSDカードのJpeg画像で対応しないといけなくなってしまうのでバックアップとして意味あるのか?と少し思っていた。
EOS R1ではCFexpress Type-Bのデュアルスロットになったので速度的に足を引っ張るSDカードもなくなったし、全撮影で両方のカードにRAWを記録してバックアップとしての信頼性も高まるのはEOS R1導入の楽しみなポイントだ。
大容量カードの時代
撮影者の技量や、機材の連射速度、AFの追従性能などで変わってくるが、電子シャッターが実用的な機種が増えてきてシャッター寿命から開放された現在、2時間くらいのワンマンライブなら最近は普通に2万ショットくらい撮影するなんてのは割とありふれた話になりつつある。
自分も、去年EOS R3を導入する準備を進めている段階では、512GBあればワンマンライブで2時間くらいの撮影ならカード交換なしでこなるせるだろうと考えて512GBのカードを主軸に導入したが、ここ1年間で望遠系のレンズの設備強化を行ったり、撮影技術の上達や、カメラセッティングの洗練、想定以上にEOS R3のAF追従性能が良かったことなどから、最近はワンマンライブを512GBや660GBのカード1枚では完走できないことが多くなってきたので1TBのカードへの移行を進めている。(今後EOS R3はサブとして運用する予定なので、サブならまあ660GBのカードを入れておけば全く問題はないだろうが、メイン機材としては1TBのほうが安心感がある)
直近の最大の記録では津代美月生誕で1人で22000ショットくらい撮影して720GBくらいの容量になった(サブの1DX2での撮影データもあるのでEOS R3としては680GBくらい?)
660GBとかのカードだと、最後の1,2曲のときに残りの撮影可能枚数が3桁になって、流石にヤバいなと思いつつも、今カード変えるの嫌だなーと思ってちょっとショット数ケチりながら最後撮っていたが、それでもやっぱり最後の曲の途中で容量が切れてカード交換になってしまったので(どのみち、最後の曲まで耐えたとしても完全にメンバー全員がステージからいなくなるまでシャッターを切り続けるには残量は足りなかったのでMC中に切れるよりは曲中に切れるほうがマシだったが)、過剰なのでは?ってくらいカードの容量を積んでおいて最後までノンストップで使えるほうが快適だし、最後ショット数をケチりながら撮るのは合理的ではないので、大容量のカードを使ったほうがいい。
大木さんからお聞きしたお話の中でも、F1の現場でも同様に表彰式中に残量がギリギリになってくるとカード交換するタイミングを失うシーンがあるらしく、どの界隈でも悩みは共通だなと思った。
あと、カードの大容量化をするメリットとしては夏フェスなどの野外に出たまま1日動くようなイベントのときに予備のカードを防水のハードケースに入れて持ち歩く必要がなくなるので、カードケース分の荷物を削減することができる。
あとは、雨が降っている中カメラの蓋を開けてカード交換はしたくないし、大容量のカードへの移行を初めて良かった。
TLCメモリ
CFexpress 4.0では現在TLCメモリを採用したカード中心のラインナップに移行しつつあるが、近年ではTLCメモリの速度が向上してpSLCと遜色ない速度を達成できるようになってきたから現状では、コスト面で優れていて1枚でより大容量を使うことができるTLCのカードのほうが総合的にメリットが大きいという判断とのことだ。
確かに、1.3TBで15万円くらいするコバルトのカードに比べて5万円代で買うことができて実際に使っていて全く問題がないので大金を投じてpSLCのカードを導入するのは自分としても現実的ではない…
EOS R1導入に伴い1TBのカードを2セット(合計4枚)に設備増強する計画なので、TLCのカードだとしても20万円近いメモリーカード代になるので、世間一般のカメラユーザーと比べたらそれでもかなりカード代がかかっている方だがw
物理フォーマット
撮影してデータ転送が完了して、現像も終わって、もうカードのデータを削除して大丈夫となって次の撮影に向けてカードのデータを削除する時に物理フォーマットを使っていいのかという問題に関しては、自分も以前気になって調べてみたらデジカメwatchのProGrade Digitalのインタビュー記事に書いてあってなんとなくは把握していたが、毎回物理フォーマットでカードの寿命としても問題ないとのことだ。(
ポータブルSSD
大木さんと話した内容として、メモリーカードとは別の問題としては、ライブ撮影で大容量の撮影を行うと問題になるのが画像の保存先の問題だ。
自分もここ1年で2台のポータブルSSDを購入して色々と試行錯誤している分野ではあるが、自分が普段使っているUSB3.2Gen2規格の他社のポータブルSSDではサーマルスロットリングなどで転送速度が速くても300MB/sくらいの速度になってしまい、700GBくらいの撮影データの転送だとSSDに転送して画像ををリネームして通し番号化して整理してセレクト作業を始められる段階に入るまでに1時間以上かかるなんてよくある話で、2時間くらいのワンマンライブを撮影して700GBくらいのデータを抱えていたら帰宅後まずはデータの転送をパソコンに始めさせて、その間に風呂を沸かして風呂に入って時間を潰すことはよくある。
その点、今回登場したPG10 USB4 SSDには現像開始までの時間短縮ができたら写真をアップロードできるまでの時間を短縮できたり、ライブ後の夜の時間を有意義に活用できるようになったり、寝る時間を早めたりできるようになったりと、撮影者のQOL向上に役立ちそうなので期待したいところだ。
本国発表時に日本で発表される前に本国サイトを見てスペックシートを見て把握していたが、スペックシート上でのピーク速度などはUSB4の高額なポータブルSSDとしてはそこまでめちゃくちゃ速いわけでもなく、重量もクソ重くてサイズも大きいので、冷却に全振りして長時間安定して運用できることを重視した製品なのだろうというのはなんとなく察していた。
大木さんにお話を聞いても、本国の方で半年以上かけて速度などのチューニングを行ったそうで、容量が半分以上使われている状態でも速度の低下が起きづらいようになっているとのことだ。
メモリーカードやカードリーダーがかなり快適なのでポータブルSSDもちょっと欲しいが、最近は2TBのポータブルSSDでも半分くらいは常に容量が使われている状態で手狭なので4TBでもいいなーと思っているが、流石にギガ単価や本体価格を考える4TBのSSDに12万円はしんどいので、ほどほどのサイズ、ほどほどの冷却性能、ほどほどの価格の別の製品がProGrade Digitalから登場してくれたら是非導入したいので今後の製品ラインナップの拡大に期待したいところだ。
スペックシートを見ても分かる通り、ポータブルSSDなのに500gもあって持ち歩くには重量的にもサイズ的にもしんどいサイズなので、どちらかと言うと自宅で据え置きとして安定稼働させる機材って感じはする。(カードリーダー同様に、専用のスチールプレートを使ってマグネットでノートPCの背面につけることができるとのことだが、500gは流石にモニターに付けたら重量でモニターが開いちゃいそうだし、どちらかと言うと据え置き用の機材だなという認識)
自分の今後のSSD関連の計画としては、次に導入するMacBook Proを2TBにして1.3TBくらい自由に使える空き容量を確保して、出先での画像の取り込みなどではポータブルSSDを必要ない体制にしてしまおうと考えている。(やはり、出先や移動中の新幹線などでデータをいじる事を考えると大事なデータが入っているものをケーブルでぶらぶらさせるのは危険だ)