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RF600mm F4 L IS USM

今回は野音のときにレンタルでお借りした600mm F4の振り返り。
もともと飛行機の撮影をしていた自分的には得意な焦点距離だ。


外観、操作性など

ロクヨンになると流石に全長が長い。ヨンニッパに比べてレンズ本体の長さが10cmくらい長いのでレンズの先端に左手を添えるにもちょっと遠いなって感じはした。

画質の評価

同じことを言って既に3回目になるが、このクラスのレンズだと画質は良くて当たり前なので、エクステンダーなしの状態での画質は当たり前のように良い。ヨンニッパに比べて明るさが1段落ちるので暗いシーンには弱くなるが、最近はカメラの高感度性能も向上してきたので明るいレンズで撮ってトリミングするよりもISO感度が高くなってしまっても最初から大きく撮ったほうが綺麗なのが今の時代だと思う。

この回はRFエクステンダー(1.4倍)も一応レンタルしたが、結構暗くてF5.6のレンズとしての運用は厳しかったので結局使用しなかった。

2現場で使用して、最初はF4.5でちょい絞りしてみたりもしたが、1/3段絞っても画質的な差は全く体感できなかったので1/3段くらいだと絞る意義は特にないと思う。1段絞ればピントの歩留まりが良くなると思うが、R3のAF性能では別に開放でも問題は感じなかった。

野音での使用では、後半から結構暗くてシャッター速度を多少犠牲にしてもISO感度を抑える方針にシフトした。

F4.5 1/800 ISO 5000

F4.5 1/640 ISO 5000

F4 1/500 ISO 8000

F4 1/640 ISO 4000

F4 1/40 ISO 80000
アンコールのシーンを撮影したが、暗くてどうしようもなかったのでISO感度を8万まで上げて、シャッター速度は1/40にして被写体ブレは許容して撮影した。
高感度ノイズや被写体ブレで画質低下は目立つが、1/40だとしてもまあ撮れるなってくらいには手ぶれ補正は強力だ。

RFマウント版としての感想

RF600mm F4 L IS USMはEFレンズ版の600mm F4と同じ光学系を使用してレンズの鏡筒がミラーレスと一眼レフのフランジバック分延長されている構造になっているの、レンズ単体の描写としてはEF版の600mm F4と変わらない。

武道館では1DX2にEF 400mm F2.8iii、野音ではR3にRF 600mm F4、山乃メイ卒業ではR3にEF 200-400mmをマウントアダプターを付けて使用と、過去3回のレンタルでは結果的に一眼レフ、ミラーレス、ミラーレス+マウントアダプターとそれぞれの組み合わせでハイエンドの超望遠レンズを使用したが、自分の体感ではマウントアダプターが付いていてもAF速度とかが低下している感覚はなかったし、どれも十分に正確なAF精度があったから、EF版かRF版かよりも200-400mmを使うべき会場なら200-400mmを選ぶべきだし、レンズマウントよりもまずは自分が使いたいと考える焦点距離を最優先にレンズを選ぶべきだと思う。
重要な撮可現場でレンタルで長玉を使用したいとき、このレンズはEF版でマウントアダプターを介して装着する必要があるからパスかな~って思って200-400mmを最初から選択肢から外すのはナンセンスだと思う。200-400mmが妥当な会場ならマウントアダプターを付けても200-400mmを選ぶし、600mmが妥当な会場なら600mmを選ぶべきだし、Canonの純正マウントアダプターで純正レンズを使っている範囲ではEF/RFどっちのマウントのレンズをミラーレス機で使ってもAF速度的な差は体感できないのでその会場に合った適切な焦点距離のレンズを選ぶのが一番だと思う

話は戻るが、野音のときは一眼レフでも使えるEF版のロクヨン(3型)か、ミラーレス機専用のRF版かで画質も同じなので結構迷ったが、より新しいエクステンダーのほうがエクステンダーを入れたときの画質的な損失が少なくて画質が良いだろうと考えて最終的にRF版を選択した。(実際に使ってみると照明が暗すぎてエクステンダーを入れてF5.6にしている余裕なんてなかったのでEF版でもRF版でもよかったが、EOS R3でも普通にISO 8000くらい使用していて1DX2の高感度画質で耐えられるとは思えなかったので、後方視的に振り返ってもRFマウント版で選択は合っていたと思う。)

重量計測

公称重量はこちら。

重量はEOS R3にレンズフードを装着した状態で4.5kgとおそらくEFの3型ヨンニッパをレンタルして1DX2に付けたときの重量よりも軽量だった。縦位置グリップまで付いた600mmの単焦点レンズの撮影システムとしては驚異的な軽さだった。
他メーカーには縦位置グリップが別付けのフラッグシップ機も存在するが、流石にこの重量のレンズを縦位置グリップなしで撮るのは無理があるし、絞り,シャッター,ISO感度のダイヤル3つが全部カメラを握ったまま届く範囲にあるのはやはり快適だ。

レンズ単体の重量は3.49kg(レンズフード込み)

感想

感想としては「良かった」が、良いのは当たり前なので悪いところを探すべきかもしれないが、特に悪いところがあるわけでもないのが困ったところだ。

EFの3型ヨンニッパのレビューを書いたときは内蔵エクステンダーがないのが不満だったが、ロクヨンに関しては内蔵エクステンダーがないことへの不満は特になかった(光量不足でエクステンダーを使う余地がないのもあったが、光量不足はさておき840mmの画角を使うシーンはかなり限定的だなと思う)やはりテレコンを入れてF5.6のレンズとして使うとレンズとしては暗めになってしまうので、このクラスの長玉を使うのにF5.6になるのは若干の心理的抵抗がある。
内蔵エクステンダーの必要性の是非に関しては撮影シーンによると思うので、同じ性能や同じ重量を維持できるなら内蔵エクステンダーもあるほうが便利なのであったほうがいいが、純粋にこのレンズは600mmという焦点距離が楽しかった。

カメコ現場での使用頻度を考えるとヨンニッパを選ぶのが圧倒的に正義だと思うが、ヨンニッパでは600mm付近の焦点距離を使うのにエクステンダーが必要だが、エクステンダーなしで600mmの焦点距離を使うことができる楽しさはロクヨンでしか味わうことができない。
超望遠の単焦点レンズを何か1本所有しようって思ったときに、そのグループがライブを行う箱の規模によるが、Zeppダイバーシティとかの2階からなら大きく寄ることができていいかもしれないが、O-EASTとかで使うことを考えると焦点距離が長すぎるし、使える会場がかなり限られる。ヨンニッパなら重くて大きいことを除いては割といろんな現場で使うことができるが、使用頻度の低い600mmはなかなか自分で所有するレンズとしてこれを買うのは勇気がいるなと思う。
個人的には、最近はお休みしているが将来的には飛行機の撮影の現場にも復帰したいと思っているが、やはり飛行機とかの現場ではヨンニッパよりロクヨンのほうがいいなーとは思う

画角は狭いし、ズーム操作で引いて被写体を探すことができないので使いこなすにはそれなりのスキルが必要なので万人にオススメできるレンズではないが、やる気のある人は是非レンタルで借りて大きい箱のここぞという時に勇気を持って使ってみほしいレンズだ。推しをひときわ大きく撮ることができるこのレンズは重量や扱いの難しさなど苦労した分だけそれに応えていい写真となって還ってくるだろう。

余談
重量重いのでしっかりとした一脚使ったほうがいいです。
縮長の割に最大長が長くて踏み台に乗って使うこともできるので、個人的にはこのGITZOの一脚がお気に入りです。


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