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1.4倍エクステンダーを試す

久しぶりに1.4倍エクステンダーを使用した。
アイドルを撮るようになってからはほとんど使用してこなかった機材だが、ライブ撮影で使ってみてどうなのか今回試してみたのでnoteに書きたいと思う。


なぜこれまで使ってこなかったのか

自分はこれまで「基本的」にライブ撮影ではエクステンダーを使用してこなかった。これまでエクステンダーを使用してこなかった理由に関しては以下の理由や経緯がある。
また、例外としては日本武道館のときに400mm F2.8を使用したときはエクステンダーも使ったり使わなかったりした。当然ながらヨンニッパに関してはエクステンダーを使っても十分に画質は良かった。

1,100-400に使うには暗くなりすぎる

昔、飛行機を撮っていた頃は100-400mmで1.4倍エクステンダーを使用するのは昼間ならよく使う選択肢だった。

1,屋外なので光量に余裕があった
2,人間と違って飛行機は形は変わらないのでシャッター速度が遅くなったとしても流し撮りで飛行機自体は止めることができるので、暗くても結構なんとかなる
3,暗ささえ問題にならなければ画質的には100-400mmとは相性が良かった

ライブ撮影になると話は別でいくら焦点距離が長くても140-560mm F8のレンズとして考えるとF値的に暗すぎて実用的ではないので100-400mmとしてF5.6で撮影してトリミングするか、野音や武道館など大きくて特別な箱での撮影は1年間に何度もあるわけでもないのでヨンニッパなどをレンタルすることで対応していたので400mm以上のレンズは所有していなくてもなんとかなっていた(トリミングなどでなんとかしていた)

2,70-200mmF2.8で使いたかったが、AF精度の問題

では、100-400mmよりも2段明るい70-200mm F2.8ならエクステンダーを使えるのでは?ってなるが、一眼レフを使用していたときは自分が試した範囲ではEF 70-200mm F2.8L IS II USMと1.4倍エクステンダーの組み合わせで使ったときの画質がそこまでよくなかったのでこれまで使ってこなかった。
今年からミラーレスカメラになって像面位相差AFになったのでAF精度の問題が解消されたのではないかと考えて1.4倍エクステンダーをライブ撮影で使えるのではないかと考えるようになり今回試すに至った。

一眼レフ時代に1.4倍エクステンダーを使ってなかった経緯
1,撮ってみても画質が甘くてイマイチしゃきっと写らなかった
2,エクステンダーなしの状態でピントのテストチャートで70-200mm F2.8を計測してみるとAFマイクロアジャストメントで+7くらい調整しているのでおそらくレンズの個体差が大きめだった(これに関してはCanonの品質管理に文句を言いたいが、マイクロアジャストメントをきっちり合わせると解像度はしっかり出てるので偏心とか他の解像度が低下する要因はないようだが、金額の高いレンズなんだから製造時のレンズのピント精度に関してはもっときっちりと追い込んでほしいものだ。)

このような経緯があり、自分は70-200mmに対してはエクステンダーは使用してこなかった。

画質テスト

【テスト条件】
稲毛海浜公園野外音楽堂
距離としては座席の一番後ろのところから撮影
晴天
ボディ:EOS R3
手ぶれ補正:on
絞り:70-200mm+x1.4では開放、100-400mmではF5.6で撮影
SS:1/1600以上の速いシャッター速度を使用したので手ブレや被写体ブレに関しては問題にならないくらい十分に速い速度である。

EF 70-200mm F2.8L IS II USM + Extender x1.4 iii

結論から書くと、一眼レフからミラーレス機に変わり、像面位相差AFになりAF精度の問題をクリアできるはずなので画質的にいけるのではないかと期待していたが画質は満足行くものではなかった。
今回は開放での画質しか評価していないので、絞ったら画質が改善する可能性はあるかもしれないが、絞ってF5.6とかで撮るなら最初から100-400mmを使用したほうがそっちのほうが焦点距離の範囲も広いくなるし、エクステンダーを噛ませていない分AFも速くなるので、開放で画質が良くないならエクステンダーをつけて70-200mm F2.8を使う意味はないと考えている。

[感想]
エクステンダーを使って撮影していて感じた印象としては、撮影中にカメラのモニターで見ていても拡大すると細部の描写が甘いと感じた。
描写が甘いのはエクステンダーを入れた状態でのレンズの画質が悪いのが原因の主体であると考えていたが、設定値は同じままでも枚数をたくさん撮っていると解像度の高いカットもあるので、エクステンダーを挟むことでレンズの光学性能が低下していることよりも、AF精度,速度が低下することによってピン甘の写真を量産することによる画質低下が今回の画質低下の本質であると推測する。

逆に言えば、風景写真とかの用途で十分に絞ったり、ワンショットAFで撮ったり、ちゃんと細部まで描写されていることを確認することができる静物撮影ではエクステンダーを使っても画質的にそこまで問題にならないのではないかと考える(絞るなら最初から100-400や100-500を使えば良いと思うが)

EF 100-400mm F4.5-5.6L IS II USM

100-400mmを使用すれば開放で撮ったとしてもエクステンダーをつけた70-200mm F2.8よりも絶対的な解像度も高いし、AF精度も断然高く一貫性のある安定したAF精度だ。

考察

AF精度が悪いだけで実は画質的にはいける説
→どちらかというとAF精度や速度の問題でピントが甘いだけで、エクステンダーによる画質低下自体はそこまでではなさそうな印象。(結局、ピントが合わないときれいな写真を撮ることはできないのでAF精度が悪いならライブ撮影(動きものの撮影)には使用することはできない)

絞れば使える説
→未検証、それなら100-400を使う

屋内ではどうなのか?
→野外でピント精度がしんどかったので、より光量の低下する屋内ではピント精度的に厳しいかもしれない。

焦点距離が足りず大きく写せないから細かい描写の力の低下が画質に出ているけど、もう少し近くてこの組み合わせで大きく写すことのできる距離ならいける説
→似たような焦点距離で撮った100-400の写真と比べても解像度が甘いカットが多いので絶対的な画質という観点では厳しい。
今回は野外音楽堂で距離的にもそこそこ遠い距離だったので(280mmであのサイズで写ることを考えると日比谷の野音とかに比べるとかなり近いが)、280mmで撮ると縦構図で靴から頭まで全身映るくらいには小さくしか撮れないので、280mmでもっと大きく撮ることができる近い会場なら細部の描写力はそこまで必要なくなるので大丈夫な可能性はあるが、距離が近くなるほどAFの移動量が大きくなりピントはシビアになるのでレンズの光学性能という意味では大丈夫でもピントの面では厳しい可能性はある。

留意事項

レンズの個体差的な部分が影響している可能性も考えられて、同一製品でも他の個体では画質が改善する可能性も否定できないので、今回の記事は一概に70-200mm+エクステンダーの画質が悪いと断言するものではない

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