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ヘタフェの育成組織における練習の組み立て方

こんにちは。

今回は、昨年スペインに行った際に見学したヘタフェCFの育成組織(通称カンテラ)の練習メニューを参考に、練習の組み立て方を見ていきたいと思います。

補足情報ですが、ヘタフェCFのカンテラはお金がありません!
通常リーガの育成部門では、選手にお金を支払います。選手はクラブと契約し(プロと変わりませんね)、日本円で数万円から数十万円の給与をもらっています。今、ブライトンでプレーしているアンス・ファティは、12歳でセビージャからバルセロナへ行く際に、月50万円の契約を提示されています(と聞きました)。

しかし、ヘタフェのカンテラでは、選手にお金を支払っていません。それでも、地元の有望な選手を集めて(もちろん多くはレアル・マドリッドやアトレチコ・マドリッドへ行ってしまうのですが)、1人でも多くの選手をトップチームへ送り出そうと日々努力しています。

そんなヘタフェが育成部門でどんな練習をしているのか見に行ったのですが、そのレベルは驚くほど高いものでした。
これはU-16チームの練習ですが、アップから最後のTRメニューまで一貫して、週末に戦う相手を想定し、その試合で再現したいことをトレーニングしていました。

練習の中で、いかに試合で起こしたい現象を再現するか、それを選手が学習することができるかが、日々の練習の目的です。
そういう意味では、この日の練習はとても参考になるものでした。
また、それをオーガナイズできるスペインの指導者のレベルの高さに驚きました。
(ヘタフェの育成部門の指導者は、別に仕事をしながら、パートタイムで微々たる報酬をもらいながら指導しています)

ここからその日の練習メニューを動画と図を用いて説明していきます。

今週末の相手は、レガネスのU-16でした。
彼らの狙いは、『ボールをつなぐヘタフェに対して、中盤で数的同数を作ってボールを奪いカウンターを狙う』というものでした。

なので、この日の練習は、『数的同数を作ってミドルブロックを敷く相手の攻略』がテーマ(目的)でした。

以下、当日の練習の流れです。
❶W-UP
❷パス&コン
❸6x6+6
❹10x8+GK

それでは、それぞれ動画と図を参考に見ていきたいと思います。

❶W-UP
W-UPは、ジョグ→ストレッチ→アジリティーと徐々に強度を上げて、筋温を上げていく流れでした。
(スペインではアップが短いのが特徴ですね。この日も10分もしていなかったと思います。)

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