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『銀の匙』の泉を求めて -中勘助先生の評伝のための基礎作業 (96) 詩碑建立

 中先生の詩碑のある公民館は正確に表記すると信濃町公民館の野尻湖支館です。昭和48年、造園記念事業のひとつとして記念碑を建てることになり、藤木信滉さんに資料作成の依頼がありました。かつて琵琶島の島守になった一時期のある岩波茂雄と安倍能成。「けさ急に思い立って、軽井沢の山小屋を閉めて、野尻湖に来た」と始まる作品「晩夏」(昭和15年)の著者の堀辰雄。野尻湖研究で知られる地理学者の田中阿歌麿(たなかあかまろ)。それに、野尻湖畔に家を構え、「はや釣り先生日記」のような野尻湖を舞台とする作品をもつ児童文学作家の坪田譲治などが候補にのぼりましたが、

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中勘助先生は『銀の匙』の作者として知られる詩人です。「銀の匙」に描かれた幼少時から昭和17年にいたるまでの生涯を克明に描きます。

●中勘助先生の評伝に寄せる 『銀の匙』で知られる中勘助先生の人生と文学は数学における岡潔先生の姿ととてもよく似ています。評伝の執筆が望まれ…

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