おすすめ絵本　『あした花になる』

『あした花になる』
（いもとようこ 岩崎書店）

「いつか きっと、 ねがいは かなう」

かまきりの恋を描いている、素敵な絵本です。

かまきりのマンティスはいつものように、白い蝶を狩ろうとしました。しかしそれはよく見ると、蘭。花の美しさに、自らの醜い姿を嘆き、神様に祈ります。
「あのはなににあうすがたにしてください」
その日からマンティスは狩りをやめました。仲間からバカにされても、雨の日も風の日も白い花ににあうすがたにしてください、と祈ります。
やがてマンティスは痩せて地面に転げ落ちるのです。祈りを捧げる姿のまま。

はなかまきり、という実際のかまきりをモデルにしたこの話。純粋な姿。

いもとようこさんのあたたかいイラストが、切なさを和らげてくれます。

2011年3月