見出し画像

わたしのたんじょうび

「「「「「「おばあちゃん、お誕生日おめでとう!」」」」」」

「はい、ありがとさん。」

今日は、私の60回目の誕生日。

家族がささやかな誕生日パーティーを開いてくれている。

……賑やかで、いいこと。

「どうしよう、ろうそく全部させないよ!」
「60本も刺せないでしょう、どうしよう!」
「イチゴ全部先に食べようか…。」
「火つけたら燃え上がるよたぶん。」
「なんでもっと大きいケーキ買ってこなかったの!」

騒いでいる孫たちに向かって、ほほ笑む。

「ウフフ、私は48歳だから、なんとか刺せるんじゃない?」


「またママはそういうウソをつく!」
「うーん、頑張れば刺せるかも?」

試行錯誤している娘と息子に向かって、ほほ笑む。

「ウフフ、私は36歳だから、1度の間隔で配置すれば刺さると思うよ!」


「もう、フミちゃんはすぐにおちゃらけるんだから!」
「ねえねえ、ろうそく刺したい!」
「さーすー!」

プンプンしている旦那と子供たちに向かって、ほほ笑む。

「ウフフ、私は24歳だから、みっちりケーキの上にろうそくが刺さるね!」


「ホントだ!ちょうどいい感じ!」
「うわあーゴージャス!一緒に写真撮ろ、撮ろ!!」

はしゃいでいるお友達に向かって、ほほ笑む。

「ウフフ、わたしは12才だから、ケーキにバランス良くロウソクが刺さるよ!」


「一気に吹き消せるくらい大きくなったねえ……。」
「無事に育ってよかったよ、本当におめでとう。」

喜んでいる両親に向かって、ほほ笑む。

ウフフ…わたしは、まだ、うまれてないから…ケーキに、ろうそく、させないなあ……。


「無事に生まれてくれたら、それだけで……。」
「神様、どうか、どうか加奈子とおなかの赤ちゃんの命を……!」

ねがっている、おとうさんと、おかあさん。

かおをみることは…まだ、できない、かなあ……?


しまったなあ・・・たんじょうびのおもいでを・・・なぞっていたら。

ついうっかり・・・さかのぼっちゃったみたい。


ぷかぷかと、うかぶわたしは・・・とーっても、ねむく、なっちゃった。


まーた、しあわせなじんせい、はじまるね・・・・・・。

なんかいめ、かなあ・・・・・・?


・・・・・・。


・・・・・・ほぎゃー・・・。



※こちら動画もございます※


私もずいぶん誕生日を祝ってきました。いくつもおいしいケーキを食べてきたなあ…(そっちかい)

ちなみに私の誕生日は6月21日です。←

↓【小説家になろう】で毎日短編小説作品(新作)を投稿しています↓ https://mypage.syosetu.com/874484/ ↓【note】で毎日自作品の紹介を投稿しています↓ https://note.com/takasaba/