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20240412

お疲れ様です。

先日ようやくじょしおち(女の子が落ちた先は、俺の息子の先っぽでした。)の最終話を描き終える事ができました。18歳の折に連載が決まり、19歳から始まり27歳で終わるという、子供から大人になるまでを捧げた、長きに渡る戦いでした。私は腐ったドブ川の水面に浮かぶゴミの如き漫画家生活を9年続けましたが、代わりに作中の彼らには煌めく青春を送ってもらいました。そんな最終話は来月には更新されるハズです。

立ち上げから無人島編まで一緒に走ってくれた初代担当H様、最終話まで素晴らしいボキャブラリーでモチベーションを保ってくれた二代目担当B様、編集部の皆様、アニメ化にあたって丁寧に作品を扱ってくださった故・ジンキトモシヨ監督、製作スタッフ様、8年も追いかけてくださった読者様に、心から御礼申し上げます。

さて、この長い戦いの果てに何が待ち受けているのかというと、新しい作品の執筆や、ストップしていた企画などを動かさねばならないといった課題の山々であり、あんまりしんみりしている時間もないのでした。

思い返せば、思春期の残滓――といえば聞こえがいいですが、色々とこじらせていた19歳か20歳の頃まで、楽しい思い出もありつつ――当時は女子大生でありながら男性向けエロ漫画を描いているという立場では、職業差別や偏見、悪気のないセクハラが沢山あったり、肉親を信用できなくなったり(若くして売れた漫画家の人たちへ、家族にはお金を貸してはいけません)と、辛酸を舐めまくっていた時期の方が長かったような気がして、しんみりというより、思い返せば思い返すほど、視界が暗~く淀んでいきます。「漫画を描くことがあまり得意ではなくてよかった。漫画を描くことが心から好きだったら、もっとメンタルがやられていた」…と、今になって思います。ちなみに大学は中退してしまいましたが、意地でも卒業すればよかった、とずっと後悔しています。

(※4.13追記※)辛い思い出だけのような書き方になってしまいましたが、私をここまで育ててくれたのは間違いなく「女子落ち」で、この作品を描いていなければできなかった事、新しい景色を見る事ができました。特にアニメ化に際し、アフレコ見学にスタジオにお邪魔した事は大きく、「またこんな経験をしよう」と胸に刻んだ事を覚えています。

そんな辛酸9:飴1の割合で描き続けてきた「女子落ち」ですが、彼らを描いたおかげでできたのが「錬金ブライカン ドラマCD」でした。アニメ・じょしおちのスタッフさんとご一緒する事もできたので、実質「じょしおち シーズン2」です。

今作の制作費は色々お値引きいただいてざっと200万円くらいです。知名度のない作品に豪華な声優さん、そして関わってくださっているプロフェッショナルな方々の技術を使っていただく事に大きなプレッシャーがあり、恥ずかしい気持ちもありました。「携わってくださった事が恥にならないか」とか、「なかった事にしたい、とか思われたらどうしよう」「私だけがド素人!役立たずだー!」という、なんとも子供っぽい杞憂を抱えていました。

そのように情緒不安定になりながらも、一貫して「錬金ブライカン」を好きでいてくれる人に届いてほしいという気持ちがブレる事はありませんでした。そして、沢山の方に支えられ、ドラマCDが完成したのです。ありがとうございました。

さて、ようやく本題に入ることができそうです。ファンボックスの更新をやめ、noteに移行すると宣言したものの、「女子落ち」との戦いが長引いたのもあり、すっかり遅くなってしまいました。

その「錬金ブライカン」に関しての、企画の進行具合についてですが、現在具体的に進行しているものは「アニメ・新約 錬金ブライカン 仰げば尊し」です。ファンボックスにて描きたい描きたいと言っていた「赤星泰我16歳」、「不動寿限無の事件簿」についてはな~~~~んにも動いてない!ごめんなさい!資金不足により、ひとまず商業漫画を描きます!他のお仕事も優先させていただきます!すみません!

とは言いつつも、ロケしたり、分担作業ができないかどうかを検討したり、おおまかな外殻をつくる所からは少しずつ始めてはいます。

ひとまず、アニメ・錬金ブライカンの完成を目指してコツコツがんばります。

5月末から始まる連載は、某コミックスのオビの折り返しに詳細を載せていただいています。「錬金ブライカン」が好きだった人、あるいは若いオタクの人には絶対読んでほしい作品です。なぜなら、描いてる私がオタクなので、同じオタクには喜んでほしいと常に思っているからです。同志の笑顔が見たい、その一心でコンテンツを作っています。

それでは、引き続き宜しくお願い致します。


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