トークイベント「WATORADIO」より抜粋

2015年4月24日 二子玉川ライズ
出演:境貴雄、小松隆宏

小松:それでは第2回目のWATORADIOなんですが、私も今付けている、この妙なヒゲと言ったらいいのか、何といったらいいのかっていう作品を作っているアーティスト、アズラーの境さんです。
境:はい、よろしくお願いします。
小松:これは一応、ヒゲでいいんですか?
境:はい、ヒゲです。何のヒゲでしょう?
小松:これ何ですかねぇ?これ見ていらっしゃる方で、これ何のヒゲか分かる方いますか?何でしょうねぇ?遠目に見て、分かりますか?分かんないですよね?
境:ブツブツしてますね。
小松:ブツブツしてるんですよ。何だと思います?ドーナツ?あぁ〜惜しいなぁ。さぁ、正解をお願いします。
境:正解は小豆です。小豆のヒゲを付けています。
小松:これ、小豆なんですね。ちなみに小豆がどうしてこうなったんです?
境:だいだいその質問は聞かれるんですよ、何で小豆なんですか?と。元々あんこが好きだったんですよ、食べるのが。しかも幼少の頃から。
小松:どら焼きから?
境:いや、水羊羹なんですよ。
小松:水羊羹、渋いですね。
境:今でもそうなんですけど、水羊羹が一番好きなんですよね。水羊羹が好きな小学生だったんですが、元々食べるのが好きだったんです。僕は藝大のデザイン科出身なんですけど、和菓子をモチーフに作品を作る機会がありまして、そこから続けているという感じです。
小松:藝大のときの作品なんですか元々は。
境:この小豆のヒゲは卒業した後なんですけど、和菓子とかあんことか小豆を作品のテーマにしたのは大学時代ですね。
小松:なるほど。なぜ和菓子から小豆になっていったんですか?
境:和菓子と言いたらあんこじゃないですか。なので、あんこ自体を作品にすることの流れで、突き詰めていくと、あんこの素材は小豆。ということで小豆自体を作品にしてみたら、ビジュアル的にブツブツして気持ち悪いじゃないですか。その気持ち悪さに惹かれまして。それで、いろんなものに小豆を装着し始めたと。
小松:なるほど。小豆がグチャグチャとくっ付いた感じの状態のものを、僕らは顎に付けてます。ちなみに色が付いたものも小豆なんですか?
境:それはお団子ですね。
小松:あっ、これは団子ですか。なるほど、これは小豆団子なんですね。ちなみに、これ食べられるんですか?
境:食べられないんですよ、残念ながら。これもよく聞かれるんですけど、これどうやって固めているんですか?と。残念ながら本物の小豆じゃないんですよ。
小松:えっ〜、ショック。
境:そこは小豆好きとしては、食べ物を粗末にしちゃいけないと。あと本物を固めると腐っちゃったり、カビ生えたりするので。実は紙粘土で作っています。
小松:あぁ、そうなんすか。でも小豆に見えますねぇ。どちらかというとお汁粉に見えますけどね。形のいい粒の状態が残ったお汁粉。甘蜜が付いたやつを固めました、みたいな。
境:鹿の子っていう和菓子があって、それが一番近いと思うんですけど。紙粘土を一粒ずつ手で丸めまして、一粒ずつ絵具で筆で色を塗って、くっ付けていくと。
小松:わぁ〜、じゃあ食品サンプルみたいな。
境:食品サンプルよりも面倒くさい作業工程ですね。ツヤが出ると美味しそうに見えるので、、
小松:ちなみに、ヒゲにしようと思ったのは何でなんですか?
境:それもよく聞かれる質問なんですけど、、ヒゲはたまたまなんですよ。たまたまというのは、和菓子をモチーフに作品を作って、元々は彫刻作品みたいな、オブジェみたいな作品を作っていたんですけど、そこからエスカレートして自分にも装着させたいと。ということで被れる作品とか眉毛とか、色々と作ってみたんですよ。その流れでヒゲを作ったんですね。
小松:顔のパーツシリーズがあったんですね。
境:そうです。そうしたらヒゲが一番反応が良かったので、試しにいろんな人のポートレートを撮ろうかなと。こんなに続けるつもりじゃなかったんですけど、試しにモデルさんを募集してみたら、どんどん広まっていった。
小松:今までに何人くらい参加されたんですか?
境:細かい人数が分からなくなっちゃったんですけど、およそ3000名。
小松:3000名の方が、小豆のヒゲを付けられたと。普段はどういうところで活動されて、どういう人たちがヒゲを付けるんですか?
境:今回はイベントなので、ブースに来ていただいたお客様を撮るという形態なんですけど、普段はモデルさんを随時募集してまして、TwitterとかFacebookとか。そこでモデルをやりたいという人からメールが来て、僕がそのモデルさんのところにお会いしに行くと。
小松:なるほど。定期的に「私も付けたい」って人はいるんですか?
境:テレビとかラジオとかウェブとか、メディアで紹介されることが多々あるので、それを見て「私もやってみよう!」みたいな感じで増えていくと。
小松:面白いですね〜。今日、撮影会をやり始めて、反響はどうですか?
境:今日はそこそこですね。ただ「何これ??」みたいな感じで、恐る恐る近づいてくる人が多いので、、
小松:そうですね、先ほど僕もブースにいたんですけど、まずは「何だろう??」と思って、ずっと遠目で見てるんですよね。「何だろう??何だろう??」でさらに興味が湧いてきたら、ちょっと行くみたいな。
境:「得体の知れないものが置いてあるけど、まさか小豆に見えるけど、小豆じゃないよね?っていうか、小豆だとしても、それ何?」みたいな。謎が多いので。
小松:謎ですよね。
境:ただ「こういう活動をしてます」と説明すると、なるほど!という感じで撮影会に参加していただけるので。やっぱり説明がないとなかなか難しいですよね。
小松:小豆のヒゲを付けている人のことをアズラーと呼ぶと聞いたんですけど。
境:そうです、アズラーです。
小松:アズラーというのは、安室ちゃんの真似をする人をアムラーと呼ぶように、小豆のヒゲを付ける人をアズラーと呼ぶ、みたいな。
境:まさに安易なネーミングなんですけど。
小松:ヒゲ以外のシリーズのときもアズラーだったんですか?
境:いや、そのときはネーミングしていなくて、この活動をやり始めて、試しにモデルさんを募集したときも名前はなかったんですよ。けれど思っていたよりも反響が多かったので、これを長く続けようかなというときにネーミングが必要かなと。「小豆のヒゲ」だとそのままなので、それで考えたときに、アムラーとかシャネラーがある中で、アズ?アズラーかな?ということでアズラーになりました。
小松:有名人でアズラーになった人っているんですか?
境:一番有名人はタモリさん。
小松:タモリさん、アズラーになったんですか?
境:一昨年、笑っていいとも!に出演しまして。
小松:もう今は無き、笑っていいとも!に。
境:本当にもう終わるギリギリだったんですけど、変わったことをやっている人を紹介するコーナーに出て、タモリさんにもヒゲを付けてもらって。
小松:そのあとの反響とかヤバかったんじゃないですか?
境:生放送だったので、僕の活動が本当に伝わったのか分からないんですけど、昼から衝撃が走ったっていうか。よく分からないけど相当あんこが好きな男なんだなってことは伝わりましたね。
小松:アズラーを初めて何年くらいなんですか?
境:2007年から始めたので、今年で8年目です。
小松:もう8年ですか、凄いですね。年季が入ってますね。
境:僕のイメージとしては一生やるつもりなので、8年目で3000名くらい撮っているので、この先、死ぬまでに何名撮れるかっていうのが僕のテーマなんですよね。
小松:もうライフワークですね。そのうちアズラーっていう星とか出てきそうですよね。
境:星??
小松:アズラーっていう星の中に住んでいる人たち、原住民のことをアズラーって呼ぶような、そんなジャンルができそうですね。
境:そういうのもありですね。カタカナで「アズラー」と検索していただけると、アズラーのウェブサイトが出てくるんですよ。そこにアズラーの架空の物語というものが載っているので、短い文章ではあるんですけど、今後それも発展していきたいというか、、今言われた実はアズラー星があるとか、ひたすら物語を更新していくのが僕の活動なんですよね。
小松:出ましたね、アズラーのオフィシャルウェブサイト。
境:そこに今まで撮った人たちが全員、、
小松:今、僕ら付けているお団子シリーズじゃない、、これは金平糖ですか?
境:金平糖が付いているのもありましたね。
小松:小豆のヒゲに金平糖が散りばめられた、、これ面白いですね。
境:ヒゲの種類も年々、新しくなったり、マイナーチェンジしたり、ちょっとこのヒゲ飽きてきたなぁと思ったら作り変えたり。ちなみに金平糖は旬が過ぎましたね。
小松:何ですか旬って?笑
境:3年くらい前がピークで、実際に付けてみて、ビジュアル的には可愛かったんですけど、小豆よりも主張しちゃうなって思って、金平糖が強すぎて、、なのでブームが過ぎ去った感じにして、金平糖シリーズは今は撮ってないですね。
小松:今回のイベントでは、アズラーのブースはいつまでやられるんですか?
境:今日が初日ですけど、最終日まで毎日やりますので、今日を含めて全13日間、、
小松:13日間、、皆さん、この小豆のヒゲを付けたい方は、こちらのブースで1回300円で、チェキの写真付きで撮っていただけますので、よかったらアズラー体験してみてください。
境:こういう機会じゃないと、なかなか付けられないですよね。
小松:そうですよね、どこで付けられるのって話ですもんね。将来的にはどっかにアズラーショップとかできたら面白いですけどね。 
境:それも一応イメージしてるので、商標登録はしてあります「AZURER(アズラー)」で。

小松:そしたら話を変えていきたいんですけど、アズラーになる前は元々、何をされてたんですか?
境:元々、東京藝術大学のデザイン科出身なので、デザインを勉強するために、大学に行ったつもりだったんですけど、、僕、4浪しちゃったんですけど、高校生の頃はデザインに興味があって、デザインを勉強したいと思って藝大を目指し始めたんですが、2浪くらいのときにアートに興味を持っちゃいまして、マルセル・デュシャンとか、赤瀬川原平が好きなんですけど、60年代前衛とか、そういうものに目覚めてしまいまして。そのときにアーティストになろうと決めてしまったんですが、デザイン科を目指していたので、途中で科を変えるのって難しいんですよ、受験においては。藝大のデザイン科って自由なことができると聞いていたので、デザイン科に進学して自分の好きな活動をしようと。なので大学ではデザインの課題をやっていたんですけど、アーティスト活動は大学に入ってすぐに始めたので、大学生の頃からコマーシャルギャラリーで発表したりとか、当時はしていましたね。
小松:今、アート活動は、アズラー以外にあったりするんですか?
境:ほとんどアズラーの活動になってしまったんですよ。一般のアーティストというのは、ギャラリーで作品を発表して、作品を売るという形態だと思うんですね。でも僕は今、そういう形態はほとんどしていなくて、ギャラリーで発表する機会もほとんどないです。アズラーの活動がメインになったので、どちらかというとプロジェクト形式というか、色々な方々とコミュニケーションを取って作品化していくことが、自分としては面白くなっていったので、今はアズラーの活動がメインですね。
小松:ちなみに新作のアズラーのヒゲは、どのくらいのペースで生み出されるんですか?
境:実は全部ひとりでやっているんですよ、活動を。プロモーションからメールのやりとり、小豆のヒゲを作ることも、撮影もして、撮影した画像を編集してアップする。特にこのようなイベントで撮影会をやると、もの凄い人数を撮るので、編集作業でいっぱいいっぱいという感じで、、
小松:次のアズラーのヒゲを作る暇もなく、ウェブサイトのアップに追いやられる、、
境:本当は新しいヒゲを作りたいんですけど、このイベントの前に撮ったポートレートも編集が残っているので、常に編集作業をしていると。

小松:さっきからヒゲを付けた瞬間から、人の視線とか、写真を撮ろうとする人が、、
境:やっぱり日本人はシャイですよね。昨年ニューヨークでアズラーの撮影会をやったんですけど、ニューヨーカーは凄く反応が良くて、逆に反応が良すぎて、こっちは何も説明していないのに勝手にヒゲを装着し始めて、撮ってくれ!みたいな感じなんですよ。でも日本人はシャイなので、恐る恐る近づくんですけど、さんざん説明をして「じゃあヒゲ付けますか?」って聞くと「いや、私はいいです」みたいな、、
小松:一回、断るんですよね。嘘だぁ〜本当は好きなくせに〜、みたいな。
境:でも、いっぱい人がブースに集まって、みんなヒゲを付けていると「じゃあ私も付けようかな」みたいな感じになるので。日本で撮影会をするときは、反応が分かりやすいですね。
小松:アズラーのヒゲを使って、各国の特徴をまとめると面白いかもしれないですね。そもそも小豆を知っているのかっていうアンケートとか。
境:でも一応、Azuki Beansで伝わるんですよ。
小松:あっ、Azuki Beansって世界共通なんですか?
境:Red Beansが正式なんですけど、Azuki Beansでも伝わりますし、海外のサイトでもAzuki Beansで紹介されていることが多いので。日本の和菓子で使われる豆ってところまでは認識されていますね。
小松:あとはこのアズラーが世界認識まで行ったら勝ちですね。
境:そうですね。アズラーの架空の物語が載ったオフィシャルウェブサイトを、海外のメディアが真面目に見るんですよ。英訳して記事にするんで、そうすると嘘じゃなくなっちゃうんですよ。
小松:要するに今、原宿が熱いとか言われてる記事と同じように、アズラーが熱いみたいなことで報道されちゃうんですね。
境:Japanese Crazy Fashionって特集とかで、本当に原宿とか過激なファッションをしている人の流れで、突然アズラーが入ってるんですよ。本当と嘘の境目がなくなるっていう。
小松:きゃりーぱみゅぱみゅの事務所のアソビシステムってあるじゃないですか。あそこと組んだら面白そうですけどね。
境:是非きゃりーに付けたいですね。
小松:アソビシステムの社長のあーみーって遊び仲間なので。もしもしにっぽんとか、経産省のクールジャパンやってるじゃないですか。グロかわいいってジャンルのところだったら攻められそうですよね。今度、紹介しましょうか?
境:是非、紹介してください。僕の活動はいろんな方々と出会って、そこからアズラーが進化していくイメージがあるんですよね。むしろ僕がこうしたいってことが具体的にあるわけじゃなくて、僕はとにかく、どういう状況だろうがやり続ける。やり続ける中でいろんな方々と出会うので、今回のイベントもそうですけど、以前アズラーになっていただいた方から話が来たり、テレビとかラジオとかウェブとかも、アズラーになった方から呼んでいただいたりするので、それが僕は楽しいんですよね。こんなくだらないことをやっているけど、広まるんだなぁっていう。
小松:ヒゲを付けたいって人って、特徴ってありますか?
境:あります。まず圧倒的に女性が多いんです。女性って写真が好きじゃないですか。撮られるのも好きだし、撮るのも好きだし。プリクラも女子高生の文化ですし。応募される方の8割くらいが女性ですね。
小松:僕もヒゲをいくつか借りて、アズラーブースうちの事務所に展開しようかな。
境:いいですね。打ち合わせに来た方に「ヒゲ付けますか?」って。でも、謎は多いですけど、、和みません?
小松:和むというか、意味分かんないです。この意味分かんない感じがいいです。
境:実はそこが重要だと思っているんですよ。というのは全部、腑に落ちると「はい、、」って終わっちゃうんですよね。もちろん僕の中ではいろんなことが決まってはいるんですけど、細かいことを説明しちゃうとつまらないので、何で小豆なの?とか、将来どうするの?とか、具体的にはあるんですけど、それは言わないほうが楽しみが広がるかなと。

小松:もうちょっと深いところを聞いていきたいと思うんですけど、小豆というのは何か意味があるんですか?
境:こういう活動を続けていると、そもそも何でこれを続けているんだろうと自問自答するんですよ。続けるには何かしら理由があると思うんです。それを自問自答していくときに、和菓子や小豆の存在が面白くなってきたんですよね。ただ好きってだけじゃなくて。大学時代に制作して数年経ったときに、和菓子について調べ始めたんですよ。和菓子の専門書を読んでいくと、和菓子の歴史とか、日本における和菓子の存在意義とか、、そういうものを読んでいく中で、小豆って実は大きな意味があることを知ったんです。それは何かというと、小豆って色が赤いじゃないですか。実は小豆って魔除けの意味があるんですよ、日本で昔から。赤という色に魔除けの意味がありまして、例えば季節ごとにあんこの和菓子を食べたりしますよね。あとお祝い事でお赤飯を食べたりしますよね。それも実は小豆を食べることに意味があって、健康を祈願したり、邪悪なものから身を守ったり、そういう意味が大きいんです。それを知ったことによって、小豆のビジュアルや質感が面白いとかだけじゃなくて、魔除けの意味があるってことを、作品を観た人が知ることによって、また作品の見え方が変わると思うんですよ。
小松:小豆は神聖な意味があるんですね。
境:神様に供えたりっていうのも、お米とかお餅とかお酒とかは一般的だと思うんですけど、地方によっては小豆を神様に供えるってところもありまして、健康を祈願するんです。小豆を食べたとしても、自分の身体にそういう力が宿るんじゃないかな、みたいな。
小松:お彼岸も春と秋があって、「ぼた餅」と「おはぎ」も完全にあんこですもんね。
境:ちなみに「ぼた餅」と「おはぎ」、これ話題になりますよね。ネーミングがどっちなんだって。これも意味があるんですよ。実は「ぼた餅」と「おはぎ」は同じものです。春と秋で呼び名が変わる。春は牡丹の花から「ぼた餅」、秋は萩の花から「おはぎ」と呼ばれるようになりました。
小松:僕の勝手なイメージ、ぼた餅はこしあんで、おはぎが粒あんってイメージがあるんですけど、それは違いますかね?
境:それも地方によってはあるんですよ。和菓子って同じネーミングでも地方や和菓子屋さんによって変わったりするんですよね。ただ全国的にはそこまで明確ではないと思います。

小松:境さんが影響を受けた人って、いらっしゃいますか?
境:いわゆる美術で、影響を受けたアーティストを聞かれたりするんですけど、明確にこの人というのはなくて、いろんな人が好きです。ただ確実にこの人たちに影響を受けたというアーティストはいまして、美術じゃないんですけど、電気グルーヴなんです。
小松:電気グルーヴですか?
境:ちなみに僕は1978年生まれなんですけど、中学生の頃から聴いていた「電気グルーヴのオールナイトニッポン」という深夜ラジオがあるんです。そのヘビーリスナーでした。そこで電気グルーヴの存在を知って、彼らのトークにかなり影響を受けました。そのときは自分がアーティストになるとは思っていないですけど、後々振り返ってみると、何が今の価値観に一番影響を与えたのか考えたときに、電気グルーヴの深夜ラジオに辿り着いたんですよね。斜めからものを見る視線というか、そういうものが今の自分のベースにあるなぁと。

小松:やっぱり続けることで価値観が変わってくるってことはあるので、死んだ後に認められることも多いですけど、生きてるうちにアズラーが伝説化するといいですよねぇ。
境:そうですね。河原温というアーティストがいて、コンセプチュアルアートで世界的に名前が知られているんですが、彼が昨年亡くなったんです。亡くなった後も、彼の名前のTwitterは残っていて、毎日一言つぶやいているんですよ。もちろん彼がやっているわけじゃなくて、アカウントを管理している海外の方がいる。死んだ後も続いていくのが僕の理想で、アズラーも僕がやっているんですけど、僕をきっかけにして勝手に広まっていったりとか、勝手に転がっていくのが僕の理想なので、仮に自分がいなくなった後でも、このアズラーの形態とかアイコンを使って、どんどん拡散していって、別の解釈が広まるっていうのは、僕としてはむしろ面白いなぁというか、それを天から眺めているのも、ひとつの作品かなぁと思っているんですよね。
小松:いやぁ、そうなってほしいですね。
境:そのために自分ができることは、とにかく、ひたすら続けること。
小松:どんだけ波及するかでしょうね。バーニングマンとか行ったらウケそうですけどねぇ。
境:もう、どういう場所でも、、笑
小松:最後に告知することがあれば。
境:来週水曜日の深夜2時からラジオに出ます。TOKYO FM系列なんですがON THE PLANETという生放送の番組がありまして、10分程度ですがゲストで出ますので、お聴きいただければ。そこでもアズラーの話をしようかなぁと思っています。
小松:皆さん、よろしければ小豆のヒゲを付けて撮影できますので、是非アズラーになっていただければと思っております。ということで境さん、ありがとうございました。
境:ありがとうございました。

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