トークイベント「東京デザイナーズウィーク2012」より抜粋

2012年10月31日 明治神宮外苑絵画館前
出演:境貴雄

こんばんは。アズラークリエイティブディレクターの境貴雄と申します。

まず、ご覧いただいている写真なんですが、僕は普段このようなヒゲを生やした人々のポートレートを撮影しています。でもこれ、よく見ると、なんかブツブツしていて気持ち悪いですよね。実はこれ、小豆を顔に付けてヒゲにしているんです。彼らはアズラーと呼ばれていまして、日本で小豆のヒゲのファッション「アズラー」が流行しているという、嘘の物語を作りまして、それを実際にポートレートとしてビジュアル化させることで、「えっ!本当に小豆のヒゲのファッション、流行っているの?」みたいな、そんな風に思わせるような、一種のフェイクドキュメンタリー的なプロジェクトを行なっています。

2007年からポートレートの撮影を始めまして、現在までに約1400名以上の方々にモデルとなっていただきました。基本的にモデルさんは、主婦や会社員、学生さんなど一般の方々が中心です。けっこう色々なところで撮影をしています。僕は普段から小豆や和菓子をモチーフに作品を作っていまして、実はこの小豆のヒゲも、紙粘土で作っている偽物なんですね。小豆を一粒一粒、紙粘土を手で丸めて、一粒一粒、串に刺して、絵具で色を塗って作ります。

小豆というのは、日本人にも知られていないと思うんですが、日本では魔除けの意味があるんですね。赤という色が魔除けの由来なんですが、お祝い事だったり、季節ごとに小豆を使った和菓子やお赤飯を食べるのも、実は魔除けの意味から来ているんです。

このアズラーというプロジェクトは、日本の伝統的な文化や食材である小豆と、現代におけるファッションやカルチャーを組み合わせることで、日本の伝統的な文化に対する新たな解釈を生み出して、日本人の新しいビジュアルイメージを世界に発信していこうとしています。モデルさんはウェブサイト等で随時募集しており、老若男女問わず、様々な方のポートレートを毎週のように撮影しています。

ダリ、、これは番外編のシリースですが、ヒゲの生えた歴史上の人物の、ヒゲの部分を小豆に合成してアズラーにしていると。皆さんが知っているような写真を使うことで、アズラーのビジュアルイメージを広められるんじゃないかな、ということで作っています。

これは居酒屋です。僕もモデルさんも撮影の前に酒を呑みまして、酔っ払った状態で撮っているんですけど。こういったシチュエーションも、そのモデルさんが関係している場所だったり、モデルさんから「こういう場所で撮りたい、こういうシチュエーションで撮りたい」という要望があれば、それに合わせて撮影するようにしています。

実は今日も、この小豆のヒゲ、いっぱい持ってきているんです。なので、もし会場でアズラーになりたい方がいらっしゃれば、是非、記念撮影してみてください。最後に、、カタカナで「アズラー」と検索していただけると、ウェブサイト等が出てきますので、ご覧になってください。

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