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“学校アートプログラム”を取材。子どもたちが芸術にふれる意義

関西・大阪21世紀協会による特別授業「文化芸術による次世代育成プログラム 学校アートプログラム」を取材した。

関西・大阪21世紀協会は、1982年に産官学が一体となって設立され、様々な事業やイベントを通して「水都大阪の再生」「文化創造」「大阪ブランドの向上と発信」など文化による都市の活性化を目指している。

新しい取り組みとして、小学校へアーティストを派遣して文化芸術体験をする「学校アートプログラム」の授業がスタート。
泉南市立東小学校の4年生12人がインドネシアの伝統芸能・ガムラン音楽と影絵芝居のワヤン・クリで『桃太郎』を上演した。

この日は全3回の授業の最終日。
自分たちで脚本を考え、音楽を作り、出来上がった作品を全校児童の前で発表した。

子どもたちは「みんなで完成させられて嬉しかった。」
「はじめは難しかったけど、みんなが喜んでくれて嬉しかった。」
「お母さんを連れてインドネシアに行ってみたい。」
と達成感を味わい、よりインドネシアという国を身近に感じたようだった。

結婚式などのおめでたい席で披露されるワヤン・クリ。世界無形文化遺産に登録されているインドネシアの伝統芸能だ。
日本では「影絵」のイメージがあるが、当地では反対側から「人形劇」としても鑑賞すると言う。
そのため、人形は極彩色で着色されていて、スクリーンの両側にお客さんがいる。

指導にあたったのは、大阪を拠点に活動するインドネシア伝統芸能団・ハナジョスのお2人。来日17年目になるローフィット・イブラヒムさんにお話しを伺った。

「きょうは100点近くです!100点だったらこれで終わってしまうから99点だね。
自分の国だけでなく世界の芸能を味わって、自分の宝にして欲しいな。」
と笑顔を見せた。

この取り組みは、泉南市、阪南市、岬町の合わせて4つの小学校で同時に展開していて、「タブレットを使った映画作り」「教室に潜む形で作るステンドガラス」「線で作るアニメーション」などどれも面白そうなテーマだ。

関西・大阪21世紀協会 文化事業部 チーフプロデューサーの
山田智之さんは「アーティストと触れ合うことで芸術に興味を持ってもらうことと、アーティストの見方・考え方を体感することで『自分だけが正しい』とか『1つだけが正しい』ということではないということを学んでもらいたい」と、このプログラムの狙いを語った。

子どものころに触れた芸術は、掛け替えのない宝物だ。
関西・大阪21世紀協会は、今後この取り組みを3年間継続展開し、少しずつ実施する学校を増やしていきたいとしている。

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