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LINKIN PARKを今更ながら聴く

タイトルのとおり、今更ながらだけどLINKIN PARKを聴く。

メタルやラウドロックは、これまで数多くのバンドを聴いてきた。しかし、正直リンキンだけは全く聴いたことがなかった。サマソニで出演していた時も、ほとんど見ていない。

なぜリンキンを聴かなかったのか。その理由は単純で、2000年のデビューからチェスターの訃報による活動停止(2017年)までの間、「ニューメタル・ラップメタル、ダサっ」と思っていたからだ。

ちなみに、ニューメタルに関しては、RAGE AGAINST THE MACHINE(レイジをニューメタルと捉えていいのかは疑問だが)、KORN、リンプ・ビズキットあたりは聴いてきた。ただ、リンキンが出てきた頃には、何となく飽きてしまっていた。サウンドが、ワンパターン化しやすいと感じていたのだ。

そんな理由で、これまで聴く機会がなかったLINKIN PARKを今更ながら聴くようになったのは、彼らが新たに女性ボーカルを加えて活動を再開したからである。加えて、20年経って、ニューメタルを新鮮な気持ちで聴けるようになったということもある。

そんな女性ボーカリストの初お目見え配信ライブがYouTubeに上がっていたので、まずは観てみた。

Linkin Park: FROM ZERO (Livestream)
https://www.youtube.com/live/IL1nlWOciL0?si=wBX0EFaLhoLAsvQp

今回新たに加入したボーカリストは、エミリー・アームストロングという。Dead Saraというロックバンドのリードボーカルを務めているそうだ。ちなみにDead Saraというバンドは、初めて聞いた。Wikipediaによると、かなり長い活動歴を持つバンドらしい。

ライブ映像を観た感想は、率直に言って悪くない。個人的には、なかなか良いと思った。Xの投稿でも見かけたが、エヴァネッセンスっぽく感じてしまう部分もあった。女性ボーカルでニューメタルっぽいサウンドだと、どうしてもそういう印象になるのかもしれない。

少し気になったのは、スクリームがあまり上手くない点だ。個人的には、無理にスクリームをしなくても良いのではないかと思った。また、ライブの後半では、声が掠れている箇所があったように感じた。観客に歌わせる場面が多く、パフォーマンス中にも頻繁にみられたため、単に声が枯れていた可能性もある。この辺りは、ライブを重ねながら調整していく必要があるだろう。

ライブ映像を観て、さらに興味を持ったため、音源も聴いてみることにした。選んだのは、『Papercuts』という作品。

リンキンの初ベスト・アルバムらしい。今年の4月にリリースされたようだが、このリリースが活動再開のフラグだったのだろうか。

ベストアルバムを聴いた感想は、カッコいいし、良質な作品だと思った。リンキン入門編にピッタリだと感じた。ただ、同時に思ったのは、数年前に聴いていたら、やはり「うーん」と感じていたのではないかと。このベストを聴いても、ポップスじゃんと思ってしまうような、かなり汎用的な曲もあったりする。今の自分が、ニューメタルもアリという考えになったからこそ、聴けるバンドになったのだと思う。

ベストアルバムを聴いていると、時折Bring Me The Horizon(BMTH)っぽい楽曲に出くわす。正確には、BMTHの楽曲がリンキンっぽいのかもしれない。BMTHの方向性転換以降のロールモデルが、リンキンだったのかもしれない。このリンキンのベストを聴いて、ようやく理解できた。

新ボーカル加入に伴うワールドツアーだが、アジアは韓国のみで、日本には来ないそうだ。この事実は、業界関係者は重く受け止めるべきではないかと思った。音楽プロモーターは踏ん張り時であり、海外の音楽好きも頑張り時だと思う。このままでは、今後海外アーティストを呼ぶことができなくなるかもしれない。海外の音楽好きの一人として、自分は何ができるのか考えたい。

マイク・シノダはインタビューで語っているが、今回の活動再開にあたって、別名義での活動も選択肢としてあったそうだ。しかし、最終的には、音楽制作においてリンキン名義で活動するのが妥当だろうという結論に至ったらしい。

個人的には、別名義での活動の方が、ボーカリストの心的負担は軽減されるのではないかと思っていた。リンキンパークが新たにボーカリストを迎えて再活動するのと、リンキンパークのメンバーたちが新たなボーカリストとバンドを結成するのとでは、意味合いが大きく異なると思う。過去の人気バンドのボーカリスト交代は、賛否両論というより、否定的意見の方が強くなる傾向がある。エミリー・アームストロングも、その辺りは覚悟の上で参加したのだろう。今後、彼女に対するネガティブな意見はたくさん出てくるだろうが、実力で払拭してほしい。

11月には、7年ぶりの新作アルバム『FROM ZERO』がリリースされるそうだ。これは、少し期待したい。そして、このアルバムを引っ提げて来年再度ワールドツアーが行われるのだろうか。もしそうだとしたら、日本公演は果たしてあるのだろうか。その辺りも気になるところだ。

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