特別なオリンピック

東京オリンピック2020が閉会した。まだパラリンピックが開幕していないため総括とまではいかないが、本当に素晴らしいオリンピックだった。

今回、オリンピック開催にあたって2つの壁があった。

一つは新型コロナウイルス。一年延期せざるを得ない状況まで悪化したパンデミックは、前代未聞の事態であり関係者は本当に苦しかったことだろう。
一年後の開催といっても、無観客または観客削減、バブル方式による選手や報道の管理など、相当窮屈な、しかも細心の注意を払わなきゃならない状況だった。

それでも、大きな事故もなく閉会式をむかえたこと、本当に素晴らしい。
今思えば一年延期したことは大英断だったのではないか。昨年のうちにはここまでの準備は出来なかっただろう。
もちろん、そのせいでオリンピックに出られなかった、参加できなかった人も多くいたに違いないが。

もう一つの壁は、オリンピック反対派の人たちだ。
新型コロナを盾にして組織委員会や政府の些細なミスをつき、なんとかしてオリンピックを止めさせようとしていた。
5や6あたりの報道も酷さを露呈した形になった。散々オリンピックは止めるべきと言って置きながら、いざ日本人のメダルラッシュが始まると連日選手を褒め称えるニュースばかり。プライドもポリシーもないのかと思うくらいひどかった。

常に思うのだが感染拡大をさせているのは政府ではない。国民だ。昨年までは手洗い消毒マスク、ソーシャルディスタンスをきっちり守っていたくせに、今は手も洗わず、マスクもきちんとしない。何かあれば集まって簡単に密集状態を作る。

なぜ気が緩んだのかと問うたなら、緊急事態宣言が出過ぎて意味がない、だとか、オリンピックをやっているから、だとか責任転嫁(と言うよりガキの言い訳以下)して自分を正当化している。そのことが飲食店を始めとする事業者の首を絞めていると気づかずに、だ。

オリンピック反対派の人たちはこれらを国民の怠惰とせず政府の無策として都合よく扱い、医療逼迫という味付けをしてオリンピックを阻止しようとした。

今回のオリンピックは困難に次ぐ困難を乗り越え、なんとか平和裏に開催できた。これもひとえに主催者やボランティア、その他関係者、協力した選手団の賜物である。
こんなに苦しいオリンピックはなかっただろうし、開催できたことを誇りに思っていい。

このオリンピックがなかったら、日本人の活躍はもちろん、男子マラソンやスケートボード、女子バスケットボールの感動的な場面、世界の人々の優しさや人格の素晴らしさに出会えなかった。コロナ禍によるギスギスさが和らぐことはなかった。

開催前、オリンピックだけ特別なのか!と言う意見があった。そもそもオリンピックは特別だ。それが反対派のあなたにとって特別ではないとしても。

今回のオリンピックはどんな困難にも負けずに打ち勝とうとした、選手や関係者の素晴らしさが際立った大会であった。
今からパラリンピックも楽しみだ。
(大半の人は全く無関心だろうが。小山田一件があったにも関わらず)

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