昔々やりたかったこと

人生の決断の節目って何回かあるよね。

うちが青年の頃(20世紀)はまだインターネットって単語が殆ど世間に知られてない時代。
インターネットユーザーなんて殆ど居ない上にそもそも何をするものか分からない代物だった時代。
パソコン持ってる人自体が激レアだった時代。
どんな職業がどんな仕事をするのか、なんとなーくしか分からない環境。
情報室で調べるか、図書館で調べるか、先輩に聞くか。
周りの大人が知らなきゃ自分も知る事はできない、そんな頃。

子供の頃から恐竜が大好きだった。
昔々、NHKで地球大紀行って番組があってね。
地球の自然の成立とか生命の歴史を流してくれる、今でいうナショナルジオグラフィック的な番組だった。
それが本当に大好きで、何度も何度も撮り溜めたビデオを見てた。
家には幼稚園の時に買ってもらった古代生物図鑑があったし、地球大紀行の特設展に連れて行ってもらった時に勝ってもらった小さなアンモナイトの化石をずーっと持ってた。

もし今の時代に生まれてたなら、きっと古生物学者や歴史学者、地質学者を目指してただろう。

でもそうはならなかったんだよなぁ。

好きなものを仕事にするという感覚がそもそも備わってなかったせいなのかもしれない。
元々が超文系なのに「就職は理系の方が楽やろな」程度の感覚で理系コースに進み、大嫌いな数学や物理の公式暗記にぶっ殺されて地獄を見た。
ちなみに自分にとっての古文漢文や歴史は「暗記教科」ではなく「なんでか知らんけど分かるもの」だったので高校卒業するまで一度も勉強したことがないくらい得意科目だった。
死んだ父方の爺ちゃんは東大文系出で自宅に古文漢文の本が腐るほどあって、それを漁って読んでたせいだろう。

なんとなーく理系に進んだので職業なんて全く分からず、「なんかエンジンの開発とか面白そう」程度に考えてたけど、親から「医学部いけ」と言われてなんとなく医学部受験した。
もちろん医学なんてカケラほどの興味もないのでモチベは皆無、見事に二浪した挙句受験が嫌になって薬学部に逃げた。

そんなこんなで今に至るけど、とりあえず食うに困らない生活ではあるし、人生大失敗!死!!ってわけではない。
だけど、食うに困ってまともに服も買い替えられないけど自分が好きなことだけを生き甲斐に仕事して結果早死にするんだったら、それはそれで素晴らしく満たされた人生でもある。
ただその場合、「もうちょっと食うに困らない生活したかったなぁ」って思ってたかもしれない。
結局のところ人間は贅沢なもんで、いつどんな立場でも大抵不満を言うものだ。

後悔する回数は少ないに越したことはない。
けど、全て正解を選んで生きていけるわけでもなし。
死ぬ時に「まぁ悪くなかったな」と思えれば合格点だと思ってる。
正解を求めて生きていくより失敗を避けて生きていけたら気が楽なんだろうけど、社会は厳しいしなぁ。
やっぱ支えてくれる人が欲しくなるわね。
人間は弱いのだー。

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