本物の”Black”アベル株式会社に潜入

ライター:近畿大学3年 高宗夕純
取材対象者:アベル株式会社 居相様、宮西様

ステンレスをそのまま黒くする

 夏の暑さがまだまだ残る日、パンクした自転車を漕いで私が向かったのは、八尾市にあるアベル株式会社。
”本物の黒”を生み出すプロフェッショナルの集まる会社です。
つまり、アベル株式会社は一言でいうと「ステンレスを黒くする技術」に特化した会社です。この企業様の魅力を伝えたい…。そんな思いを募らせつつ、10月にあるFactorlSMに向けて視察一回目の様子をお伝えします!!


住宅街の中にあり、限られた土地を有効活用した工場。
外観は黒ではなく白でした!GAPでしょうか..

本物の黒を作り出すアベルの2つの製造ライン

①GSライン
 私が初めに案内されたのは、GSラインと呼ばれるラインでした。ここでは、人と大型機械により、ステンレスを黒くする作業が行われていました。水と薬品に浸けながら電気を流すことを何度も繰り返しながら、ステンレスを素材そのままで黒くしているとのことでした!

②MCライン
 次に案内されたのはMCラインというレクサスなどに使われる自動車の部品を作っている場所でした。ここでは、大型機械は使っておらず、人の作業がメインのようでした。小規模ながらも、GSラインで機械が行っていたものを人が行うため、効率良く作業できるようになっているのが印象的でした。

一流の検査技術、黒の証明

 最近テレビでコメンテーターのアンミカ氏の「白って100種類あんねん」というコメントが話題になりました。黒についても「300種類あんねん」という発言をされていました。実際何種類あるのでしょうか。これといった確証はなく、何百種類もある、あるいは無限にあるといった説明も見つけました。その中で「本物の黒」「美しい黒」で世界に認められるアベルには、人による一流の検査ラインがありました!
検査梱包は人の手によって行われていました。黒の証明をするとのことでしたが、人の目による確認に加え、なんと手持ちの装置によって”黒の数値”を図ることで、その証明ができるとのことで驚きでした。

私も実際、検査の体験することに…..
不良になってしまった製品が手渡され、傷を探してみました。
いくら探しても見つけることができず、諦めて作業員さんに代わりに探してもらうと、端の方に小さな小さな縦線の傷が入っているとのことでした。言われても私にはやっとわかるかわからない程の傷で感動と感心の念を抱き、アベルさんの”一流”を非常に実感しました。

アベルのステンレス

ここで1つ最近よく聞くホットワードの中で気になった質問を社長の居相さんに質問してみました。

Q.「最近よく聞くAIによる検査は取り入れないんですか?」
A.「検討はしていますが、AIによる単一視点では追いきれない傷もあるため、難しいのが現状です。やはり人の目に勝るものはないなと感じています。」

AIにも不可能な、プロフェッショナルを感じました。
そしてもう一つこんな質問もしてみました。

Q.「アベルのステンレスはどんな商品に使われているんですか?」
A.「代表的なものだと、スカイツリーのエレベータや高級ブランドの看板、レクサスの窓枠などです。」

私がここで感じたのは、”人の目につくものが多い”ということです。人の目につく商品に採用されていることから、わずかな傷も防がなければいけない、逆に考えると、完璧な検査の上でわずかな傷もない製品を提供できる技術があるからこそ、世界から認められ、様々な商品に採用されているのだと思いました。

以上が初回訪問を終えた私の感想です。

次回はその黒さの秘密に密着します、、!

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