仏滅っておそれるべきものなの?


よく「結婚式は仏滅を避けて大安が良い」とか「友引には葬儀はしないほうが良い」などと言われます。
あの、「先勝」「友引」「先負」「仏滅」「大安」「赤口」の順にカレンダーに並ぶ文字を追って、大事なイベントの日取りを決めるという人は珍しくないと思います。
毎日の運勢を六種類にわけるこの占いには名前があり、「六曜(りくよう)」といいます。この名前をご存知だった方もなかにはいらっしゃるかもしれません。ですが、六曜がどのように成立した占いなのかなど、そのイワレは実のところあまりわかってはいません。
諸説あるなかには、あの「三国志」でおなじみの諸葛亮孔明が編み出した……とされているものもありますが疑問視されているようです。

実は、六曜は市民権を得てからそれほど歴史があるわけではないのです。

江戸時代の暦……いまでいうカレンダーは日付を知るという今日と変わらない役割を持つ上に、実はその日の吉凶など占い情報が満載の読み物でもあったのです。日付に付随して運勢などが書かれたものを暦注といっていました。人々には大変な人気を博していたそうです。
ところが、江戸時代が終焉を迎えて、明治に差し掛かると時の政府は西洋に習って暦を新しくしました。暦はいわば「時間を支配するもの」。維新後の新政府が暦を新しくしたのには国のかたちを確立しようとする思いがあったに違いありません。この時に、カレンダーへの占い情報の掲載は禁止されてしまうのです。でも今までみんなが楽しんで読んでいた暦注がなくなってしまうのはつまらない……ということで実はそれほどメジャーではなかった「六曜」を代わりにカレンダーに載せるようになったのです。そして徐々に浸透して今日に至ります。
今ではとても気にされる方の多い六曜ですが、縁起を担ぐ上では「背中を押してくれる」勇気をくれるのかもしれません。一方、仏滅だからといって、あれこれ自粛してしまうのはもったいないことだと思います。



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