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「東日流外三郡誌」偽書事件!

一昨日の深夜、昔仕事でお世話になった弁護士さんからメールがきた。
「東日流外三郡誌(つがるそとさんぐんし)」にまつわる、ある情報。
その情報については今後調査が必要なので、ここでは書かないが、メールをきっかけにこれまでうっすらとしか知らなかった「東日流外三郡誌(つがるそとさんぐんし)」関連本を初めて読んでみた。

斉藤光政著『戦後最大の偽書事件「東日流外三郡誌」』(集英社文庫)だ。

2006年に単行本として出版され、加筆された2019年版の文庫本。
学研の『ムー』などに関心のある人には知られていることだが、「東日流外三郡誌(つがるそとさんぐんし)」という奇書がある。青森県の十三湖周辺に古代の巨大王国があったとする江戸時代の「古文書」が、戦後間もなくの頃、ある古物商の自宅天井裏から発見されたという。この「古文書」をめぐる1992年の訴訟をきっかけに10年に渡って取材し、記事にしてきた顛末を地方紙の新聞記者が書いたルポルタージュ。
めっちゃ、面白い!

「東日流外三郡誌(つがるそとさんぐんし)」の真偽を巡って村役場や歴史学者、有名な国会議員までもが巻き込まれ、論争(ドタバタ劇?)が繰り広げられていく。
この本を読むと、この「古文書」が、発見者その人の創作物に違いないと確信せざるを得ない。

ワシは昔、学研「6年の学習」別冊付録で「ミッシング・ハンター」という漫画を連載していた。「邪馬台国」「妖怪」「巨石文明」を題材として描いた怪しい<学習漫画>だ。この仕事のために、三内丸山遺跡、キリストの墓、日本のピラミッドと言われる黒又山や大石神山、大湯環状列石、座敷童の出る宿・緑風荘、遠野のカッパ淵などの東北不思議スポットを取材させてもらった。
学研らしい…と言える仕事だった。

この頃に「東日流外三郡誌(つがるそとさんぐんし)」について、うっすらと知ったのかもしれない。
キリストの墓、大石神山ピラミッドなどは、「竹内文献」と呼ばれる戦前(昭和初期)の偽書認定されたものに記されているという怪しいスポット。
昭和初期に<創作>されたキリスト伝説が、江戸時代の「東日流外三郡誌(つがるそとさんぐんし)」にも触れられているという。
実に、怪しい。

訪れたことのある場所が登場したことで、より面白く本書を読んだわけだが、この偽書が一時代、東北の人々に夢を見させてしまったという事実が痛々しくもあり、愛おしくもある。
フィクションとはいえ、漫画でこのような題材を描くときの方向性を考えさせられたりもした。

そして、一昨日のメール…。
いずれ調査をしてみたい。

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